坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

菱田春草展

2014年03月01日 | 展覧会
お化けの次は、可愛い猫登場。近代美術の草創期に清新な息吹を与えた菱田春草。今年は春草生誕140年ということで、東京国立近代美術館に100点を超える作品を集めて大回顧展が開催されます。
代表作、空間表現が独特の「落ち葉」や「黒き猫」など近代美術史上の名作の数々が並びます。
黒い猫が、幹の上に乗っかり、こちらを見つめています。穏やかな日差しが感じられます。猫は辺りに注意を払い、こちらの動勢を伺っているようにも見えます。
切手などにもなりましたので、春草は知らなくても、この作品をご存じの方が多いと思います。春草は、この作品をわずか数日で描き上げたそうです。
その1年後、36歳という若さで早世した春草は、まさに早熟の天才と言えるでしょう。

◆菱田春草展/9月23日~11月3日/東京国立近代美術館


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