坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

曽谷朝絵 Float

2011年04月13日 | 展覧会
Bathtubシリーズでは、白くつるつるしたバスタブの質感や肌に直に触れる水の感触、お湯に反射し揺れるような光の輪、曽谷朝絵(1974年~)さんは、2002年のVOCA賞を受賞した作品で、光をテーマに画面全体からあふれ出るような触覚的な誰もが感じたことのある身体感覚を呼び起こしました。最近では昨年開催された「鳴る音」というテーマに資生堂ギャラリーで展開されたカッティングシートを用いたインスタレーションが印象的でした。光のプリズムがいろいろに共鳴して空間に鳴り響く。今回の西村画廊での3年ぶりの個展では、新作の10点を中心に15点の展観で、その光の輪が共鳴して空間へと拡散していくような光の韻律が感じられました。透明で柔らかく浸透していく色彩の揺らぎ、きらめきが心地よい空間でした。

◆曽谷朝絵 Float /~4月30日/西村画廊(日本橋)
・今年のスケジュールとして、「曽谷朝絵展」(おぶせミュージアム、中島千波館)7月29日~9月20日
 ニューアート展(横浜市民ギャラリー)9月30日~10月19日 などがあります。 

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