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東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

新国立劇場「サロメ」

2012年06月10日 | 徒然のこと


今日の目黒川



不穏な様子の空


***



5月の終わりに、久しぶりの非日常体験をしてまいりました。

宮本亜門演出「サロメ」の観劇です。

サロメ (光文社古典新訳文庫)

予習は、光文社古典新訳シリーズ、平野啓一郎氏の「サロメ」で。


「妖艶」「官能的」などというものが排除された今回の「サロメ」で

主役のサロメを演じた多部未華子、ぴったりの配役でした。


彼女の甲高い叫び声は、それ自体が「若さ」の象徴になるし、

ドスのきいた低い脅し声や少々乱暴な行為には、自分の意のままにしたいという

「わがままさ」やわがままを通すことに対する「容赦のなさ」や

自分以外の人はどうなっても構わないという「残酷さ」をも感じるし、

シリアの兵士を思い通りに操ろうとするときの声の使い分けは、

まるで3歳の少女が父親におねだりするときのような「無邪気さ」に溢れています。


「エロ」が抜けた、多部未華子演じるサロメには、少なくない数の女性が

共感できるのではないかなぁと思った次第です。



ところで、天井から血が流れてきて、舞台を血の海にしてしまうという最後のシーンは

わたしの中では完全にあれです、「デクスター」です。

曲もかぶっていたような・・・



でも、とにかく、新国立劇場・中劇場「サロメ」お勧めです。

必見です。









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