MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

言葉は気持ちから。

2008年09月10日 | 音楽教室
            

レッスンが終わった後、
「バイバイ、またね~
「さようなら、また来週!」
と 口々に挨拶して帰っていく、グループの生徒さん達。

一方、個人レッスンの生徒さん達は 大抵、
「ありがとうございました。」と言って帰っていきます。

グループレッスンと個人レッスンの ちょっとした違い。
       
私は もともとグループ出身ですので
別段「ありがとうございました」でなくとも
こちらの かける「さようなら」に
「さようなら」とか「バイバイ」と、
普通に 挨拶を返してもらえれば かまわないのですが
気がつくと、ほとんど皆 そう言って帰っていきます。
大きい子はともかく、ほんの 小さい子まで。

常日頃、使わないであろう
お別れの挨拶に『ありがとうございました』。

小さい生徒さんが、レッスン終了後 
元気よく「さようなら!」と言って 帰ろうとすると
付き添っているお母様が、即 ダメ出しなさいます。
「先生に『ありがとうございました』は
 ちゃんと言わないとダメでしょう

…いえ、ダメって事はないのですが…

(よくわからないけれど、そう言う決まりらしい)
という表情で、
『アリガトウゴザイマシタ!』と言う 生徒さん。

礼儀として、形から入るのも 悪くはありません。
でも、私個人としては
本当に「ありがとう」の気持ちが出てきた時に
言ってほしい、大切な言葉なのですよね…。

というわけで 最近では つい
「挨拶は、『こんにちは』と『さようなら』
  が できたら十分ですから。」
 と お断りしてしまいます。

大丈夫。
レッスンを続けて、
本当に レッスンを大切に思うようになったら
「ありがとう」は ごく自然に口から出てきます。
「ありがとう」という気持ちが全然出てこないなら、
それは それで、全然かまわない。

少なくとも、その原因は
その子ではなく、私ですしね。

できれば、忘れて。

2008年09月09日 | 音楽教室
            

久々に、校歌を歌う子が出現しました。
私のクラスでは、テキストを忘れた
 あるいは宿題をしないで 何も弾けない場合
「校歌を弾く(または歌う)」というルールです。)
      
今回の生徒さんは、小さい男の子で
本は 全部、持ってきてくれていたのですが
教室に入ってくるなり
「全然 練習してへん」と
元気良く宣言してくれましたので
『了解』と。

大抵の子は、急に校歌を弾いてと言われても
「…あれ?どんなメロディーだったっけ?」と
すぐには弾けず、ぽつぽつ探り弾きするか
自信無げに、危うい調子で歌ってくれますが
この生徒さんには、びっくり。
音感がすごく良くて、ピッチとリズムが正確です。
どんなメロディーなのか 歌だけで、ちゃんとわかります。

その後、次回のために 予習を兼ねてレッスンしましたが
今度 宿題を忘れないためには どうしたらいいか、
話し合いました。

生徒「えーと、宿題を メモしておく。」
私 「でも、私が毎回 宿題帳にメモをとっているよね?
   それでも やらなかったってことは、
   書くだけでは 意味がないのでは?」
生徒「…毎日、宿題帳をチェックして練習する。」
私 「で、それでも忘れたら
   来週は 今日より大きな声で 校歌を歌う、と。」
生徒「はいっ

            
ちなみに、私
内心、もう一回忘れてくれないかな、と期待しているのです。
そうしたら
校歌を 五線譜に書いてもらおうと考えておりまして

「聴音と、記譜の勉強ができて、一石二鳥」
を、狙っております。


苦戦中。

2008年09月08日 | バイオリン
             
バイオリンのレッスンに行ってきました。
今回の課題曲は 長い上に難しかったので
「どちらも もう一度」かな と思いましたが
2曲のうち、一曲は なんとかOKもらえました。
二重奏の中間部がある曲は 案の定、もう一度です。

ピッチは しっかり取れるようになっているのですが
2弦同時に 鳴らす奏法は、やはり苦手。
2弦に弓を乗せて 鳴らすだけなら できます。
手前の弦を越えて 向こう側の弦を押さえることもできる。

問題は、この2つが同時にできないという点。

きちんと 弦を押さえられると
 弓が 片方の弦から 外れてしまうし
弓が 2弦にきれいに乗って 鳴ると
 指が もう片方の弦に触ってしまっている…
(↑ こうなると、音が かすれたり、軋んだりします)

先生、
「これ、なかなかできないから
 イーって なってくるでしょう。
と おっしゃいました。

イーっとまでは なりませんが
偶然のたまものではなく できるようになるまで
かなり 時間がかかりそうな予感がします。

次回までに できるかなあ…

ニーベルングの指環

2008年09月07日 | 音楽
        
先日、アニメの『ポニョ』の本名が
ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」に
登場するヒロインと同じだと 書きましたが

その 本家『ブリュンヒルデ』、
性格は違うけれど「人魚姫」みたい だよね、
と 友達に言ったところ
「どこが」と 突っ込まれてしまいましたので
全4部の あらすじを書いてみようと思います。
(かなり 省略していますので
 興味のある方は ちゃんと本などで読んでくださいね)

【ラインの黄金】
昔々、ライン河の乙女(妖精)が守る『ラインの黄金』があり
それを奪った小人(ニーベルング族)の男が
『権力を得る魔力』を持つ指環を作りました。
これがタイトルにもある「ニーベルングの指環」です。

一方、神々の長ヴォータンは 
報酬として、美の女神フライアを差し出すという条件で
自分の城を 巨人族の兄弟に建てさせていました。
そもそも、約束を守る気のなかったヴォータンは
ラインの黄金と指環を 小人から奪い
フライアの代償として 渡します。
この仕打ちを恨んだ小人から 指環に呪いがかけられます。

【ヴァルキューレ】
ヴォータンが かつて人間の女性との間に作った
双子の兄妹が、お互いの正体を知らずに再会し
惹かれあって 駆け落ちします。
ヴォータンの妻は、「兄妹で結ばれるなんて許されない」と
兄を殺すように ヴォータンにせまり
ヴォータンは、しぶしぶ 娘のブリュンヒルデに
(ブリュンヒルデは、ヴォータンの作った
「ヴァルキューレ」と呼ばれる9人娘の中の 長女)
兄を殺すよう命令するのですが
ブリュンヒルデは  お互いを思う兄妹の愛に打たれて
父の命令に逆らい、二人を助けようとします。
この兄妹の間に生まれた子どもが 英雄ジークフリート

命令に逆らったブリュンヒルデは、罰として
神としての力を奪われ、魔法によって眠らされます。

【ジークフリート】
立派に成長したジークフリートが
巨人を倒し、指環を手に入れて 彼女の元へやってきます。
ブリュンヒルデは目覚め、二人は結ばれます

【神々の黄昏】
ジークフリートが 旅先のグンター城で
「忘れ薬」を飲まされて、愛妻ブリュンヒルデの事を忘れ
当主の妹に求婚します。

ブリュンヒルデが 連れてこられ、二人は再会するものの
肝心のジークフリートは 自分のことを忘れて 
他の女性と結ばれている状況。
怒り狂ったブリュンヒルデは
ジークフリートをこころよく思わない当主の異父弟に
彼の弱点(背中)を教えてしまい
そのため ジークフリートは殺されます。

ブリュンヒルデは、『指環の呪い』に決着をつけるため
ジークフリートの遺体に火をかけ、
自分も 呪いの指環を持って、炎の中に飛び込んでいきます。
(完)

どこらへんが、人魚姫みたいだと思ったかといいますと

もとは 人間ではなかった。
相手の男に自覚はないけれど、一度命を助けてやっている。
 (人魚姫は 海に落ちた王子を、
  ブリュンヒルデは ジークを身ごもった母を助けています)
人間になって再会するが、
  男は 他の女性と結ばれようとしていた。
というところ。

まあ、性格は全く正反対で、
人魚姫は 男を殺せば自分が救われるのに
殺すことができず、泡となって消えてしまう一方、
ブリュンヒルデは まず「許せん」と
相手を殺してしまうのですけれどね。

(だから はかなくない人魚姫だと思ったわけです)


まぎらわしい

2008年09月06日 | 音楽教室
            

日頃 教室に来ることのない、生徒さんの お母様が
突然、教室に やってくる時。
1.クレーム
2.質問・相談
3.レッスンをやめる
大抵、これらの どれかです。

滅多に来る事のない お母様だと、
3番が 多いです。

ですから
普段見かけない お母様が、教室に来られると
スタッフさんも 私も 戦々恐々。
(そろそろ4年生だし、
 「塾に行きますから」っていうパターンかな?)
(私立受験する子、多いですからね…)

嫌でも 不安が募ります。
       
半年ほど前、生徒さんがスランプに陥り
練習を あまりしなくなってしまったため
業を煮やしたお母様が
「一度、やめさせようかと…」と
相談に来られたことが ありました。
その時は、本人も交えて 話し合い、
その子のペースに合ったやり方で
無理せず 続けてみよう、という話に落ち着いたのですが

先日、その お母様が再び登場。

(こころなし、表情が 暗いよね…
(今のところ、練習は 自主的に頑張っているし
  レッスンは順調なのだけどなあ? 何だろう?)
スタッフさんも 私も 不安が増すばかり。

その生徒さんのレッスン時間になり
一緒に教室へ 入ってこられたお母様。
開口一番、
「もう、私が 何も言わなくても
 自分で練習を 始めるようになりましたし
 練習を見てあげなくても 大丈夫になりました
と 報告してくださいました。

――それだけですか?
ほっと一安心。
どうやら、表情が暗かったのは
暑さで 夏バテされていた模様。

心臓に悪いです…。

ポニョ人気。

2008年09月05日 | 音楽教室
宮崎 駿監督のアニメ 『崖の上のポニョ』が人気です。
教室に通う生徒さん達の中でも、見てきた人は多くて
レッスンを待っている間、受付にいるスタッフさんに
「それでね、ポニョがね、
「海からね、・・・
と 映画の内容を 一生懸命に 説明してくれています。

スタッフさんいわく、
「あんまり いろいろしゃべってくれるので
返って 何が何だかわかりません
と いうことですが、
とっても 面白かったという気持ちは伝わります。

そんな中、私にとって一番 衝撃的だった事実は
『ポニョの本当の名は ブリュンヒルデ』だった 
ということです。

・・・女神様?(→注*)

『ポニョ』は 「5歳くらいの子供のために」
制作された映画だと聞いていたので
今回は 見に行かなくてもいいな と思っていましたが
何だか だんだん 見たくなってきました。

*ブリュンヒルデ
北欧神話に登場する「戦の女神様」。
ワーグナーの書いた楽劇
「ニーベルングの指環」にも登場します。
言うなれば「北欧神話版・はかなくない人魚姫」なので
そういう意味では、ポニョの真の名前としては
ぴったりかもしれません。

お疲れママさん

2008年09月04日 | 音楽教室
        

「両親共働きではない」家族の方が
珍しくなっている今日このごろ。

就学前から、小学校低学年くらいまでの
小さい生徒さんには、保護者の方がついてこられます。

『送り迎えだけ』の方も いらっしゃれば、
教室に入って熱心にメモを取っておられる方
自分が燃えてしまって、横から突っ込みの多い方
と 様々ですが

お仕事をされている方だと
唯一の お休みの日に来てくださっている方
仕事帰りで お疲れなのに、
遅い時間に連れてきてくださる方もいらして

熱心で、教室まで入られるのに
椅子に座ったまま うとうとされている姿には
感謝のあまり、涙が出そうです。

こんなに 跳んだり はねたり
歌ったり 踊ったりしていますのに、熟睡。

お疲れさまです・・・。


はりきり方 子供並。

2008年09月03日 | Weblog
        

2ヶ月ぶりに、ヤマハの講座へ行ってきました。
作曲科の先生による、創作基礎講座で
子供の作った 短いモチーフから
一つの曲としてまとめる手法を
3回シリーズで 講義してくださるのです。

私が参加したのは 2回目からでしたが
それはもう、面白くて 
次の講座を、首を長くして待っていました。

今回、それはもう 楽しみで 楽しみで
家を9時頃出れば間に合うのに
はりきって5時前に起きてしまったくらいです。
(さすがに、行きの電車の中では力尽きて寝ていました)

前回の続きとして、中間部から再現部
同じテーマを変化させる方法から まとめのコーダ。
実際に、子供のモチーフを使って作曲し
演奏して 聴かせてくださるので、
もとのモチーフからは 思いもよらない
すてきな作品を いっぱい聴けました

5月の連休で、資料整理の最中に見つけた、
講座参加者がもらえるトレイニーチケットが 
今回の参加で ついに10枚集まったので、
次回は、好きな講座に 無料で参加できます。

さあ、次は 何に行こうかなー。


フルコース

2008年09月02日 | 音楽教室
        

一つの曲の中には
「テーマとなるフレーズ」があります。

これは、曲の中に 一回きりではなく
何度か現れて、曲を一つにまとめてくれるもの。
たとえ、違うフレーズに移っても
テーマのフレーズに戻ってくることで
聴く人に、曲のまとまりと 安心感を与えます。

とはいえ、同じものが 
全く同じように 何度も出てきたら、
安心を通り越して 飽きてきてしまいますよね。

ですから、表現する側としては 
「同じフレーズは、全く同じように 弾かない」
ことを 意識します。
      
発表会に参加する 小学生のI ちゃん。
ショパンのワルツを弾いていますが
同じテーマが 前半に2回、
後半と最後に また2回 繰り返されます。
I ちゃんは、これを 4回とも全て
同じ強弱のつけ方で(どちらかといえば おとなしく)
同じタイミングで息継ぎ、テンポ変化させて
音色・ペダリングも 同じにして演奏してくれました。

うーむ。
丁寧なのだけど、なんだか さみしい。

私「I ちゃん、あのね、
  西洋料理のフルコースを想像してみてくれる?
      
  基本的なコース料理の順番は
  前菜があって、スープが出て
  口直しの後、メインの魚料理・肉料理 
  最後にデザート。
      
  Iちゃんの演奏は、このフレーズを
  初めから最後まで、どちらかといえば『あっさりした前菜』風に
  4回出しているよね?これは コースとしてどうだろう?」

I「うーん、飽きそう。」 

私「でしょう?たとえ『カニ尽くしフルコース』みたいな
  同じ素材を使ったフルコースであっても
  刺身・てんぷら・焼き蟹・茶碗蒸し・鍋 みたいに
  変化させて出すから、まだ飽きないんだよね。
  …ちなみに、変化させて出すとしたら
  一番おいしい!って いう料理は
  4回のうち、どこで出したらいいと思う?」

I 「最後!」

私「でしょ?私も そう思う。
  コース料理って、つまりは
  わりと 量が少なくてあっさりしたものから
  だんだん しっかりした食べ応えのある料理になって
  最後に 甘いデザートで満足するようにしているのよね。
  これがもし、順番 逆に出てきたら、
  お腹は同じだけ食べて満腹になっても
  満足感は薄いと思うのよ。」

I 「ああ」(←納得した模様。)

その後 あれこれ相談して
前半のフレーズは テンポが揺れすぎないように
後半のデュナーミク(強弱)は より大きく歌わせる
レガートは 後の方をレガーティッシモに
それぞれの 終わり方に変化
と 調理方法を決めていきました。

本番の舞台で、お客様に
  おいしく味わっていただけますように。

頼むよ。

2008年09月01日 | 音楽教室
        
今年の8月は 晴れ続けたかと思えば
ゲリラ的な 大雨が降ったりして
いよいよ日本も 
熱帯化してきているなあと感じさせる夏でした。

本日より 9月。
2学期制の生徒さん達は 先週から学校でしたが
2学期制でない学校も
とうとう 夏休みが終わってしまいました。

夏休みモードから 学校モードへ。
今週から1週間は、切り替え中のため
生徒さん達は 体力的に大変そうです。

とはいえ
発表会も どんどん近づいてきています。
今月中には 暗譜して仕上げてもらわなくては。
一ヶ月なんて、あっという間です。

とりあえず
  台風が来ませんように。(←真剣)