MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

ショパンじゃない?

2010年08月07日 | Weblog

ショパンの楽譜は、いろんな出版社のものがあります。

版によって中身はいろいろ
強弱やペダル、装飾音、フレージングが違うという事が
普通にあります。

             
なにしろ、昔はコピーもファックスもないので
いくつかの出版社に楽譜を送ろうとすれば
手書きで写すしかなく、微妙が違いが生まれることも

さらに、後から手直ししたりなどすれば
そこで新たなパターンの楽譜が生まれてしまうわけですね。

            
そんな「数多い楽譜」の中で
音楽を勉強する人に一番信頼されて使われてきたのが
パデレフスキ版でしたが
ここ数年、注目されているのがエキエル版

エキエル教授の研究から
「よりオリジナルに近く」と、まとめられた楽譜です。

まだ新しい版だけに、日本で売られているのは
ほとんどがポーランド語版英語版。しかも高い

            
最近エチュードを弾きなおしていることもあり
学生時代から持っているパデレフスキ版はボロボロですから
新しい楽譜として、エキエル版欲しいなあと思うのですが
通常売られている楽譜の軽く2倍はする価格。

そのうち日本語版でお安く出版されないものか。

            
ところで
ショパンの作品の中には、作品番号がなく
遺作」と示された曲があります。

その「遺作」の一つに、ワルツ 変ホ長調があるのですが

滅多に弾かれることのないその曲を
うちのクラスの生徒さんが「弾きたい!」と希望。
楽譜マニアでもあるので、
わざわざ高いエキエル版を購入したのです。そうしたら。

…載っていない?

載っていないのです。

どこかで「ショパンの作品ではないという説もある」
と書かれていた このワルツ。

エキエル教授に「これは違う」とはねられたのか
研究途中で、いつか出版されるのか。

気になります。