thirteen party

題詠ホークス背番号004

『サマー/タイム/トラベラー』より。

2009-08-31 22:49:58 | 引用文
「――だって、どこかに誰かが居てくれる、ってことでしょ?」

居てくれる。

そう。そんなふうに、口にするのは恥かしいけど、口にしなくちゃ伝わらないことを、さらりといってのけるのが悠有なんだ。
誰かが居てくれる。
この宇宙のどこかに。
たとえ姿は見えなくても。声は届かなくても。はるかに隔絶して、交信もできないローカルな系になってしまっても。
居てくれる。遠い誰かが。
そして、ぼくらのことを想ってくれている。

‐‐‐‐‐‐‐‐

悠有というのは名前

どこにでもいるけど
どこにもいない少女

時をかける少女になってしまったのは
いってしまったのは
2003年

悠有がいた夏
かえらない夏


私達の前からいなくなってしまったが
会えなくなってしまったけれど

いてくれるような気がする
気のせいじゃない

うん。


新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー 1 2』(ハヤカワ文庫)読了。

2009-08-30 20:28:26 | 夏休み小説
なにかがおこるんだ

予感をはらんで進行する物語

夏/時間/跳び越えてゆく者

鶴田謙二のカバーイラスト及びタイトル文字列にひとめぼれ購入ブックオフ。


夏休み最後の日曜日
期限有効のパスを手にとんぼ返りの客となる。


往きは一巻
帰りは二巻

晩夏の鉄路に「時」を刻む。


いってしまうなつが
やむをえないそれは



私は時間跳躍者ではない。
飛べないアヒルは各駅停車。

「かなしからずや空の青」


終着駅から終着駅へ

読み了えて帰着。


上野駅は雨だった。

神宮球場も横浜スタジアムも雨の中。。。。

「しょうがない 雨の日はしょうがない」

投票を済ませて選挙速報を聴く日曜日

「明日はどっちだ」



『中公新書の森 2000点のヴィリジアン 1962‐2009』(中央公論新社)を読む。

2009-08-29 00:30:53 | 読了
179人に聞きました[思い出の中公新書]アンケートを中核に。


岡田暁生「面白い本というのは色々あるだろうが、このように何か得体の知れない力でとり憑いてくるような本というのは、そうあるものではない。」


金森修「全く予備知識なしに電車の中で読み始め、あまりに面白くて乗り過ごしてしまったあの日が懐かしい。」


竹内洋「〈はじめに〉を読めば巻を措くあたわず。明快で闊達、ユーモアもある、すごい本。」

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書店に向かって走れの曲が脳内リフレイン


偶数手にした冊子がもたらす新世界。

文庫党ナツイチ派の私にとっては
縁が遠かった新書の森


手引きを得た。


森の生活を夢見て眠る盃。