A Single Woman

洋画、本の完全ネタバレレビューブログ ※作品を観る前、読む前の閲覧厳禁※

フィフティ・シェイズ・ダーカー Fifty Shades Darker #1

2013年03月04日 | Fifty Shades
 アメリカ Fifty Shades Darker E L James (訳)池田真紀子 #1


 待望の第2弾が2月26日発売されました!Amazonで予約したら、到着したのが28日でちょっと出遅れましたが、またネタバレする前に以下、あらすじです。


 ■あらすじ■

 大学を卒業して、なんとか出版社に就職したアナだが、別れのショックで気分は晴れない。毎夜涙にくれ、グレイのことを想いつづけていた。彼をほんとうに愛しているけれど、どうしてもその性癖が耐えられない。グレイはアナに復縁を迫るものの、過去の女たちの存在がふたりの未来に暗い影を落とすのだった――。アナとグレイの身に危険が迫る!(早川書房Riviera『フィフティ・シェイズ・ダーカー(上)』より)

 かつてのグレイのサブミッシブはストーカーとなり、ミセス・ロビンソンの執拗な妨害もやまなかった。アナとグレイの試練はいつまで続くのか?それでもアナはグレイの悲惨な過去を理解して、彼の心の光りになろうと奮闘していた。やがてグレイもアナを心から愛するようになるが……。ふたりの愛は成就するのか?(早川書房Riviera『フィフティ・シェイズ・ダーカー(下)』より)



次の記事で登場人物紹介とネタバレをします。

インフェルノ Gabriel's Inferno

2013年02月08日 | 読書
 アメリカ Gabriel's Inferno Sylvain Reynard (訳)高里ひろ


 早川書房〈リヴィエラ〉から発売された『トワイライト』ファンフィクション第2弾を読みました。以下、あらすじと感想です。


 ■あらすじ■

 大学院に進学した女子学生ジュリアは、親友のハンサムな兄ガブリエルと思いがけない再会を果たした。彼は彼女をダンテ研究へと導いた人物だったが、ジュリアのことをすっかり忘れていて、冷淡で人を寄せつけない“教授”としてしか振る舞わなかった。偶然と誤解ばかりの散々な再会だったものの、それでもやがて、ふたりは惹かれあっていくのだった。教授と学生の禁じられた恋だとしても……。(早川書房Riviera 『インフェルノ(上)』より)

 六年前、高校生のジュリアがガブリエルと過ごした、林檎園での一夜。ダンテの恋人ベアトリーチェの話をしてくれた年上の男性とのはじめてのキス。あの優しかったガブリエルは夢の中の天使が目の前にいると気づき、みずからを解放することができるのか。それとも過去の悲劇や教授と学生といういましめに縛られるしかないのか。(早川書房Riviera 『インフェルノ(下)』より)


※※以下ネタバレを含みます※※


 ☆ 感想 ☆

 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』よりも最速の3日間で上下巻制覇しました(笑)美しいストーリー展開で、(お互いに)言えない秘密、過去を持っているという設定です。話題沸騰だった『フィフティ・シェイズ』に比べると地味な宣伝しかされていない『インフェルノ』。あらすじだけ読んでもまったく話が掴めないと思うのでもう少し詳しくお話します。

 主人公のガブリエル・オウエン・エマーソンは、33歳の謎めいていて冷淡な新進気鋭のトロント大学教授。専門はダンテ。教授とは思えぬほど魅力的な外見を備え、オシャレで裕福で、いつも高級ブランド品で身を包んでいる。
 ヒロインのジュリア・ミッチェルは、23歳の美しく聡明なトロント大学の修士課程へ入学したばかりの優秀な女子学生。ハーバード大学の修士課程にも合格したが、金銭的な問題で行くことが困難だったため、ガブリエルがいると知りつつ、トロント大学へと入学する。
 -6年前、当時高校生だったジュリアは、親友のレイチェル・クラークの家に遊びに行った際、当時ハーヴァード大学博士課程にいたガブリエルのオックスフォード大学時代の写真を見つけて一目惚れする。ある日、クラーク家に招かれた夕食に行くと割れたガラス片と血が渾然一体となっており、レイチェルとその彼氏アーロンは、「ガブリエルがスコット(ガブリエルの義理弟でレイチェルの兄)を病院送りにした。」と泣きながら説明し、ジュリアは唖然としたが、部屋の奥に誰かがいるのに気づき、入ると、そこには夢に見たあのガブリエルがいた。ジュリアはガブリエルを慰め、ガブリエルはジュリアを自宅裏の森にある林檎園へ連れ出す。ガブリエルは「君はまるでベアトリーチェだ」とジュリアを讃え、大学でダンテを専攻していることを話した。ガブリエルは天使のように優しく、そのときジュリアはガブリエルにキスされ、彼だけを待つと決めたが、ガブリエルに「地獄へ探しに来て」と言われてしまう。二人は再会までの6年の間にお互いに一生消えない傷痕と絶望を味わう。
 ジュリアが入学してすぐのゼミの後、ガブリエルはジュリアを呼び出したが、ジュリアが部屋へ行くとガブリエルが泣いていたため、メモを残して帰る。ジュリアが家に帰宅すると父から電話があり、レイチェルの母グレースが亡くなったと知らされ、花を贈った。2回目のゼミの後、再びガブリエルに呼び出されたジュリアは、前回来なかったことと家に花を贈ってきたことを責められる。ガブリエルはジュリアを覚えていなかった。ジュリアは傷ついたが、芯が強く、屈しなかった。
 ジュリアは初めてのゼミで、隣席したポールというガブリエルとは正反対の紳士的で優しく、正義感のある博士課程の青年と仲良くなる。二人の仲が縮まるにつれ、ガブリエルはなぜかポールに嫉妬し、ジュリアとは運命を感じはじめる。

 こんなストーリーです。ダンテ研究をしている二人が、まるでダンテとそのミューズであったベアトリーチェのような運命の再会を果たし、禁断の恋に落ちるというストーリーです。上巻の最初に出てきたガブリエルと謎の女性の関係、1年間行方が分からなくなるほどジュリアが恐れ、傷ついた大学時代の過去など、共に惹かれあいながらも自分の秘密を明かせば、どちらかが去るのではないかと怯えています。しかも、その秘密は明かされそうで明かされず、最後の最後まで秘密のままで…。ところどころヒントはあるんですが、全貌が分かるのは下巻の終盤。複数人の目線でストーリー展開され、男性目線の描写も凄く丁寧に書かれていて、ユーモアも多いです。イタリア・フェレンツェの虜である教授と学生の話なので、宗教、芸術、古典文学、フェレンツェとトロントの美しい景色などが、美しく書かれています。この作品は『Gabriel's』シリーズの第1弾で、(私も確信は持てませんが恐らく)ダンテの『神曲〈地獄篇・煉獄篇・天国篇〉』を土台としていて、今回は〈地獄篇〉です。

 ちなみに私が好きなキャラクターはガブリエルの義理の妹レイチェル・クラーク。家族思いで、ちょっとお節介で、彼氏や親友を家族と同じくらい大切にする心優しい彼女が好きです。あと、ガブリエルに色目を使いまくってる博士課程のセクシー系美女クリスタ・ピーターセンも(笑)

 完結できそうですが、続編『Gabriel's Rapture(原題)』が発売されるそうなので、楽しみです。

英国王のスピーチ The King's Speech #2

2013年02月01日 | 映画
 2010 イギリス The King's Speech 118分 #2


 ☆ 感想 ☆

 goo Wikipediaであらすじを調べたらまさかの初めから終わりまで書いてあって驚きましたが、そのまま引用させていただきました。補足で、元々記事を一つにまとめるつもりでしたが、やはり感想はきちんと書きたかったので二部に分けさせていただきます。

 この『英国王のスピーチ』は、コリン・ファースファンとしては見逃せない作品の一つです。なんといってもついにオスカーの栄光を掴んだのですから!おめでとう、コリン・ファース!今まで私が観てきたコリン・ファースは、『アナザー・カントリー』『真珠の耳飾りの少女』『ラブ・アクチュアリー』『マンマ・ミーア!』『シングルマン』の最高に魅力的なコリン・ファースや、『恋に落ちたシェイクスピア』『裏切りのサーカス』の嫌なコリン・ファース、『アーネスト式プロポーズ』『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの面白いコリン・ファースなど色々観ましたが、本作では今まで未開拓であった“可愛い”コリン・ファースが見れました。ジョージ6世はとても真面目な人で、ライオネルとの練習だったり、ライオネルに挑発されて怒ったりと、その真面目さが面白いというか可愛い!

 王妃エリザベスを演じたヘレナ・ボナム=カーターは『ファイトクラブ』や『レ・ミゼラブル』、ティム・バートン作品での特殊メイクの印象が強くて、まさか素顔がこんなにも綺麗だとは驚きでした(笑)この王妃の献身的な支えがジョージ6世としても吃音症を治して、家族のために国民のために胸を張ってイギリスを支えたいというやる気を起こさせます。この夫婦の絆がとても強くて、観ていて心が温まります。

 アルバート王子(後のジョージ6世)の専属言語療法士で生涯親友となったライオネル・ローグをジェフリー・ラッシュが演じています。大前提としてアルバート王子は出会った頃、ライオネルを見下しています。というのも、ライオネルはイギリス人ではありません。イギリスが植民地にしている国の一つであるオーストラリア人なのです。でもライオネルはイギリスが大好きで、アルバート王子を“バーティ”と呼びつけます(笑)ですがライオネルもアルバート王子の扱いに結構苦労していて、アルバート王子は「なんて失礼な奴なんだ!」と何回もライオネルのもとを去るのですが、ライオネルもまたどうしたら心を開いてくれるか探っているのです。でも兄デイヴィッド(後のエドワード8世)が即位してしまうことに不安を覚えたアルバート王子は、エリザベス妃に話すのではなく、わざわざライオネルのもとを訪れて、ついに自分の生い立ちについて話します。金属の矯正具を昼夜足に付けさせられたこと、左利きを無理矢理矯正させられたこと、乳母から虐待されたこと、三男ジョニーはてんかん持ちでわずか13歳で世を去ったのに両親は王家の恥だとして隠したこと、何より両親の関心が兄にばかり向いて自分に目を向けてくれなかったこと…。ここで初めて二人は先生と患者以上の友人関係となるのです。ライオネルを演じたジェフリー・ラッシュの豊かな表情や話し方が面白く、個性的です。もう一つライオネルについて。ライオネルは役者志望なんですが、老いすぎという理由で落選しまくります(笑)でも優しい息子たちが、「お父さん、『シェイク』やろうよ!」と言うと意気揚々と扉の外へ行くライオネル。こちらからすると〈『シェイク』って何だよ(笑)〉と思っていたら、末の息子が「『マクベス』かな~?」って言うんです。すると次男が「どうせ『オセロー』だよ」三男が「また~!?」と。〈『シェイク』はシェイクスピアか!〉と思っているとライオネル登場。肩に何か入れてる!(笑)次男がライオネルを見ずに「『オセロー』」ライオネル「たまたまだろ~」 -ピンポーン。「次の患者だからまたな!」ここでバーティ登場。バーティ「突然すまない。その…肩の詰め物は?」ライオネル「ああ!!息子たちと遊んでたんだ!(肩からブランケットを取る)」 。このシーン、大笑いしました(笑)愛すべきオーストラリア人ライオネル!

 コリン・ファースより年下のガイ・ピアースが兄デイヴィッドを演じているのですが、コリン・ファースのうるうるしたブラウンの瞳が普通にガイ・ピアースよりも年下っぽく見えました。

 優しくて、真面目で、気弱な王様は、ライオネルに心を開き、ライオネルは王様に自信を持たせ、最後はスピーチを完璧にこなして胸を張って国民に手を振ります。そして最後にジョージ6世はローグをドクターではなく『ライオネル』と呼び、ライオネルはバーティではなく『陛下』と呼びます。このシーンには本当感動しました。元々初めて出会ったときにお互いが呼んでほしかった名前を最後に呼び合っただけなのに…。

 今年感動で涙が溢れた二本目の映画です。一本は元旦に観に行った『レ・ミゼラブル』。そして二本目がこの映画です。どちらもトム・フーパー監督の作品ですね。結末は全世界の映画ファンみんながご存知だとは思いますが、この感動を味わっていない方は一度観ていただきたい作品の一つです。

英国王のスピーチ The King's Speech #1

2013年02月01日 | 映画
 2010 イギリス The King's Speech 118分 #1


 ■ストーリー■

 大英帝国博覧会閉会式で、ヨーク公アルバート王子(コリン・ファース)はエリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)に見守られ、父ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の代理として演説を行った。しかし、吃音のために悲惨な結果に終わり、聴衆も落胆する。

 エリザベスはアルバートを説得して、言語療法士であるオーストラリア出身のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)のロンドンのオフィスをともに訪れる。独自の手法で第一次世界大戦の戦闘神経症に苦しむ元兵士たちを治療してきたローグは、王室に対する礼儀作法に反してアルバートを愛称のバーティで呼びつけ、自分のことをローグ先生ではなくライオネルと呼ばせる。ローグの無作法に反発し帰りかけたアルバートに、ローグはシェイクスピアの『ハムレット』が朗読できるかどうか、賭けを持ちかける。ローグは音楽が流れるヘッドホンをつけさせ、アルバートには自身の声が聞こえない状態でその声をレコードに録音する。途中で腹を立てて帰ろうとするアルバート王子にローグは録音したばかりのレコードを持たせる。

 クリスマス恒例のラジオ中継の後、父王ジョージ5世は、アルバートの兄にあたる王太子デイヴィッド王子(ガイ・ピアース)は次期国王には不適格であり、アルバート王子が王族の責務をこなせるようにならなければならないと語り、厳しく接する。帰邸後、アルバート王子はローグから受け取ったレコードを聴き、自分の滑らかな発声に驚く。王子はローグの元を再び訪れ、口の筋肉をリラックスさせる練習や、呼吸の訓練、発音の練習などを繰り返し行う。アルバートはローグに吃音症の原因となった自身の不遇な生い立ちを打ち明け、二人の間に友情が芽生える。

 1936年1月、ジョージ5世が崩御し、デイヴィッド王子が「エドワード8世」として国王に即位する。しかし、新王はアメリカ人で離婚歴があり、まだ2番目の夫と婚姻関係にあるウォリス・シンプソン夫人(イヴ・ベスト)と結婚することを望んでいたので、王室に大きな問題が怒るのは明白であった。その年のクリスマス、ヨーク公夫妻はバルモラル城で行われたパーティで、国王とシンプソン夫人の下品な姿を目の当たりにする。見かねたアルバート王子が兄王に、英国国教会の長でもあるエドワード8世は離婚歴のある女性とは結婚できないことを指摘すると、王は吃音症治療は王位ほしさからなのかと責め、バーティの吃音をからかう。エドワード8世の醜聞を聞き出したローグは、代わりに即位するべきだとアルバート王子を説得するが、王子はそれは反逆罪に当たるとローグの元から去ってしまう。

 結局エドワード8世は、ウォリスとの結婚を諦めきれず、即位して1年も満たぬうちに退位し、アルバート王子がジョージ6世として即位することになる。アルバートは国王の重責に、自分は今まで海軍士官しか務めたことがないと妻エリザベスに吐露する。一方、大陸では、ナチス党政権下のドイツが台頭しつつあり、一触即発の機運となっていた。英国は国民の統一をうながす国王を必要としていたが、新国王の吃音症は依然として深刻なままで、王位継承評議会での宣誓は散々なものであった。ジョージ6世夫妻は再びローグを訪ね、謝罪して治療を再開する。

 戴冠式に備えるジョージ6世は、ローグにはなんの医療資格もないことを知る。カンタベリー大主教コスモ・ラング(デレク・ジャコビ)は、ローグを国王から遠ざけようと試みるが、ジョージ6世はローグを臨席させると譲らない。国王となることに未だに不安を覚えるジョージ6世の前で、ローグは戴冠式で使われるいすに座ってみせてジョージ6世を挑発する。激怒してローグを怒鳴り散らす国王は、自らの雄弁さに驚く。戴冠式での宣誓は滞りなく進行し、ジョージ6世はその様子をニュース映画で家族とともに観る。さらに、それに引き続くニュース映画のアドルフ・ヒトラーの演説を感慨深く聞く。

 チェンバレン首相(ロジャー・パロット)の宥和政策は失敗し、イギリスはドイツのポーランド侵攻を受けてドイツに宣誓布告。第二次世界大戦が始まる。同日、ジョージ6世は大英帝国全土に向けて国民を鼓舞する演説を、緊急ラジオ放送することになる。ローグと二人きりの放送室の中で、ジョージ6世は完璧な演説をこなす。放送室から出てきたジョージ6世は、家族とともに宮殿のバルコニーに出て、待ち構える大衆に手を振る。その様子をローグが満足げに見守る。

 スクリーンには、その後のジョージ6世の戦時演説にはローグが必ず立会い、二人は終生友人であったと字幕で説明される。


(引用:goo wikipedia「英国王のスピーチ」)

ゴーストライター The Ghost/The Ghost Writer

2013年02月01日 | 映画
 2010 イギリス・フランス・ドイツ The Ghost/The Ghost Writer 124分


 ■あらすじ■

 元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター(ユアン・マクレガー)。ラングが滞在する真冬のアメリカ東海岸の孤島に1ヵ月閉じ込められることと、締め切りまで時間がないことを除けば、おいしい仕事のはずだった。しかし、前任者のゴーストライターが事故で死んだという―。とにかく気乗りがしなかった…。仕事を始めた直後、ラングに、イスラム過激派のテロ容疑者を“不法”に捕らえ、拷問にかけたという戦犯容疑がかかる。しかし、この政治スキャンダルもまだ序章に過ぎなかった。はかどらない原稿と格闘していく中で、ゴーストライターはラングの発言と前任者の遺した資料との間に矛盾を見出し、ラング自身の過去に隠されたもっと大きな秘密に気づき始める。やがて彼は、ラングの妻ルース(オリヴィア・ウィリアムズ)と専属秘書アメリア・ブライ(キム・キャトラル)とともに、国際政治を揺るがす恐ろしい影に近づいていく…。


 ☆ 感想 ☆

 当ブログはネタバレレビューブログですが、本作に関しての詳細なネタバレはやめさせていただきます。というのも、上記に書かれたあらすじで充分であるということ、そして、あまりにも完成度が高い政治サスペンスなので、観て楽しんでいただきたいのです。

 主演は『スターウォーズ』シリーズのユアン・マクレガー。秘密を抱えた元英国首相ラングを『007』シリーズの5代目ボンド、ピアース・ブロスナンが演じています。専属秘書アメリアは、『SEX AND THE CITY』のサマンサでお馴染みのキム・キャトラル、首相の妻ルースは『17歳の肖像』でキャリー・マリガン演じるジェニーの先生をしていたオリヴィア・ウィリアムズです。コリン・ファース作品(『恋に落ちたシェイクスピア』『真珠の耳飾りの少女』等)によく出演しているトム・ウィルキンソンが謎の大学教授ポール・エメット、ラング家の顧問弁護士シドニー・クロールをオスカー俳優で人気ドラマ『レバレッジ』の主演ネイサン・フォード役のティモシー・ハットンが演じています。誰が主演でもおかしくない豪華俳優で脇を固め、ユアン・マクレガーとピアース・ブロスナンの駆け引きに魅入ります。

 ここ最近のユアン・マクレガーは、“かっこいいけど、ちょっと地味で、優秀で、巻き込まれる”役が多いですね。本作を含め、『僕が二度愛したS』『砂漠でサーモン・フィッシング』等なんかがそうです(笑)ユアン・マクレガー演じるゴーストライターは、特にこれっていうものがない人で、この仕事も正直面倒だと思っているんです。彼のマネージャー(『ウォーキング・デッド』で保安官のシェーン役だったジョン・バーンサルが演じています)から前任者に起こった不幸を聞いて、余計にこのいわくつきの仕事を拒むのですが、面接でまさかの合格。独身で、恋人もいなくて、政治にも興味はなく、作家になれるほどでもない。ただゴーストとしては、とりとめもない話を上手くまとめ、読者に自叙伝を書いた人の完璧すぎない人間らしい部分、心に訴えるものを書ける能力に秀ていて、何より仕事の速さを売りにしている。この何もないってところが陰謀を邪魔していなくてよかったです。秘密を抱えた首相ラングをピアース・ブロスナンが演じていますが、あのピアース・ブロスナンのセクシーさというか誰よりも素敵なルックスが、笑うと良い人、遠くから見ると悪い人っぽく映ってまた良いんです!

 とにかく、話が静かに静かに進んで、アクションシーンなんかは一切ありません。秘密に気づいた者と国際政治に関わる陰謀を必死に守る者との頭脳戦で、最後の最後までドキドキというよりはヒヤヒヤしっぱなしです。見終わってから初めて、裏で糸を引く黒幕の絶妙な登場加減というか、多く出演し過ぎても少なくてもなく、「ロマン・ポランスキー監督凄すぎます…!」と誰もが思うはずです。

 私はサスペンスを観るなら、クリフ・ハンガーがあり、時間をたっぷり使って陰謀を暴いていくドラマ派なんですが、これには脱帽です。2時間でこんなに素晴らしい珠玉のサンスペンスを製作することが可能だとは思いませんでした。観ないと損です!これは本当にオススメですよ♪