【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

東京が来た!

2019-01-14 09:06:25 | Weblog

 京都で昨日開催された都道府県対抗女子駅伝、熱戦でしたが、実況アナウンサーが妙に東京に肩入れをしているのが気になりました。選手紹介で東京の選手は妙に熱心に詳しく語るし、たすき渡しの時には、他の府県のときは平静に「○○県が来た」とかあるいはあっさり無視なのに、東京の時だけはどの中継地点でも「東京が来た!」と5〜10デシベルくらい大きな弾んだ声で叫んでいるのです。
 個人的に肩入れするのは自由ですが、NHKの全国中継だ、ということを忘れているのではないかしら?

【ただいま読書中】『超音速漂流』(改訂新版)ネルソン・デミル、トマス・ブロック 著、 村上博基 訳、 文藝春秋(文春文庫)、2001年(02年2刷)、705円(税別)

 太平洋上空の亜宇宙を東京目指して超音速で飛ぶ巨大旅客機ストラトン797。ところがその機を、秘密軍事訓練で発射されたミサイルがヒットしてしまいます。ミサイルに弾頭は搭載されていなかったので機体が引き裂かれただけですが、多くの乗客は機外に放り出され、機内にとどまれた人たちも酸素欠乏で次々死んでいきます。しかし生存者が少数いました。ほとんどは酸欠で脳に障害が生じていましたが、奇跡的に健常な状態で生き延びている乗客もいたのです。しかしアメリカ軍は、事件を隠蔽することにします。実験そのものが国際条約に違反しているから秘密にしておかなければならないことと軍の不始末を公表したくないから。
 事故を知った航空会社の方も情報を隠匿することにします。これには複雑な社内政治と金の問題が絡んでいました。
 死にかけている人たちを救おうとする人もいますが、彼らには「力」がありません。事態を動かせない人たちは情報の流れを自分に都合良く動かそうとします。そして、事態を動かす力がある人は、生き残った人の死を望みます。
 生き残った乗客(映画だったら“ヒーロー")は小型機の操縦だったら経験がありますが、大型機なんて初めて。しかも自分たちを殺そうとする人たちに狙われ、機内には脳障害を持った人がごろごろといる、という状態で、一体どうやったら生き残ることができるでしょうか? いやあ、はらはらドキドキの2時間、じゃなかった、一冊です。