戸惑い八景

見たり聞いたりしたモノを独自に味つけしました。
飛騨の高山から発信しています。

メリケン狙撃手

2015年09月30日 | 想うこと

『アメリカン・スナイパー』を、ビデオで観ました。

イーストウッドですから、達観しているというか、ある意味、残酷なまでにお互いの事情をリアルに描いた感じがありました。

なんとも作品を見終わった印象が中途半端になってもいます。

例えば・・・

連邦軍のエースパイロットである、救世主と崇め奉られてもおかしくない、アムロ・レイが、ジオンサイドからすれば、『白い悪魔』であるように、描かれるでしょう。

であるにしても、動機が単純すぎて、それゆえ熱狂的な情熱に変わりやすいでしょうが、私なんかは、イラク側に同情してしまいます。

教育のせいでもありますが。

エンディングロールの映像は、その単純さに迎合しているようで、それも意図しているのかもしれませんが、複雑な気持ちを起こさせます。

さすが、『許されざる者』を、出演しながら撮った監督でもあります。

紆余曲折の末、これは、スピルバーグが、『プライベート・ベンジャミン』を撮ったのと同じ臭いがしますが、到達した域なのでしょう。

戦争には正義も悪もない、あるのは虐殺だけ。

破壊だけ。

人間性の喪失だけ。

そもそも人間性さえ疑わしい、と。

それゆえ美しい・・・

世界が崩壊していくさまを傍観するような怖さもあります。

 

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