仕事から帰ってきて、携帯を見たら、080で始まるナンバーから、3時間前に電話があった記しがありました。
業者からではないようですし、下4桁が知っているようなナンバーなので、掛けなおしました。(知っているナンバーなら、名前で記されますけれどね……)
そこから、おかしいのですが……。
相手はすぐに出ました。
「中部電力の〇〇です」、と応えました。
相手は出てから、慌てていたのか、「もし、もし」、というだけで、はっきりとは言わなかったのですが、そのあとに、「中部電力の……」と応えたのです。
私は、「三時間ほど前に電話を頂きました、○○です」、と答えました。(ここで名字を伝えています)
不思議に、中部電力の、と言われても、何も疑問に思いませんでした。
そこから、相手は、「電線が古くなっているため工事をします、期日は、まだ会議で決まっていませんのではっきりしたことは言えませんが、24時間停電しますので、お願いします」、と言ったのです。
私は、「ああ、そうですかと、わかりました」と応えました。
続けて「だけど、いつなのですか?」 と質問しました。
すると相手は、「まだ会議ではっきりしたことが決まっていません、だいたい、11月から3月の間で、工事になると思います」、と答えられました。
続けて、「ご近所の方にもお聞きしているのですが、いつなら、御都合がよろしいでしょうか」、と質問してきたのです。
ちょっとおかしくは思いました。
期日が決まっていないのに、なぜ、いつならいいのか、と訊くのかと……
「曜日とかありますから、お聴きしています」、とか、向こうは言います。
そこで、こちらとしては、「土日で停電は困るので、平日なら、かまいません」、と答えました。
相手は、「わかりました」と。
その後、少しお話をしたのですが、最後に、「期日が決まりましたら、ハガキでお知らせします」、と言われて、電話は切れました。
丁寧な受け答えで、こちらとしても、「ありがとうございました」、と最後に応えたわけですが……。
電話が終わっても、何も不思議に思いませんでした。
妻が帰宅しました。
妻に、先ほどの電話の話をしました。
「中電から電話があって、いつかわからないけど、24時間停電になるのだって」、と。
妻は訝った表情をしています。
「もう一度、最初から話して」とか言います。
面倒だなと思いながらも、詳細を話しました。
すると、妻は……
あんたはアホか、という顔をしました。
え? どうして?
「中電からなのでしょう?」 と。
「そうですよ」、と私。
「なんで、中電から、携帯で電話をかけてくるの?」
「まあ、そういう社員もいるでしょう」、と、わたし。
「それなら、なんで、あんたの携帯に電話が来るの?」 と妻。
そこで私は、はっ! と、気がつきました。
中電には固定電話で契約していると、携帯の電話は伝えていないことを。
……
ズドーン、と落ち込んでしましました。
まさか、私が、詐欺の電話に引っ掛かってしまうなんて。
なにを抜き取られたのかはわかりません。
住所は伝えませんでした、だけど、名字は伝えました。
個人情報は、まあ、すべて筒抜けでしょうがね、この電話の対応ではたいしたことは話していません。
だけど、まったく、疑いませんでした。
中電の社員から電話がかかってきた、と信じ込んでしまいました。
後から考えれば、おかしな点が多いのです。
まず、こちらが電話を掛けた時に、向こうは出て、しばらく、「もし、もし」、とこちらを伺う反応をしていました。
24時間停電するのに、そのお知らせなのに、会議で決まっていないために期日はわからない、などということは絶対にありません。
今なら、そう断言できます。
それなのに、疑うどころか、なんと親切な人なんだと、思ってしまいましたからね……
期日が決まったらハガキで送りますなんて……この電話にお掛けしても答えられません、って、言っているじゃないですか。
もう、驚きです、何がって、自分のお人好し加減です。
こうやって、人は詐欺にかかるのです。
自分だけは絶対大丈夫だと信じていますが、あっけないものです。
みなさんも、お気をつけなされやー!