『アメリカン・スナイパー』を、ビデオで観ました。
イーストウッドですから、達観しているというか、ある意味、残酷なまでにお互いの事情をリアルに描いた感じがありました。
なんとも作品を見終わった印象が中途半端になってもいます。
例えば・・・
連邦軍のエースパイロットである、救世主と崇め奉られてもおかしくない、アムロ・レイが、ジオンサイドからすれば、『白い悪魔』であるように、描かれるでしょう。
であるにしても、動機が単純すぎて、それゆえ熱狂的な情熱に変わりやすいでしょうが、私なんかは、イラク側に同情してしまいます。
教育のせいでもありますが。
エンディングロールの映像は、その単純さに迎合しているようで、それも意図しているのかもしれませんが、複雑な気持ちを起こさせます。
さすが、『許されざる者』を、出演しながら撮った監督でもあります。
紆余曲折の末、これは、スピルバーグが、『プライベート・ベンジャミン』を撮ったのと同じ臭いがしますが、到達した域なのでしょう。
戦争には正義も悪もない、あるのは虐殺だけ。
破壊だけ。
人間性の喪失だけ。
そもそも人間性さえ疑わしい、と。
それゆえ美しい・・・
世界が崩壊していくさまを傍観するような怖さもあります。