普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

性善説に立った規制緩和と地方分権・教育の大切さ

2012-05-08 17:00:12 | 日々雑感
・「陸援隊」バス事故の意味するもの・非正規社員と企業の姿勢・地方分権と原発・総ては義務・責任の軽視と愛国の否定
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・「陸援隊」バス事故の意味するもの
 最近車による大事故が頻発しています。
 その内最大なものは、関越自動車道で乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負う事故を起こしたバス会社「陸援隊」のバスの事故です。
原因は運転手に」と社長 違反36項目、被害者に謝罪  によれば、バス会社「陸援隊」の針生裕美秀社長が6日、東京都内で記者会見し、国土交通省の特別監査で36項目の法令違反を指摘されたことを明らかにした。しかし、これらの違反行為が事故を招いたとの見方は否定し、あくまで事故原因は、運転手個人の居眠りによるとの見解を示した。
この事故の遠因は小泉さん時代の規制緩和であり、それが産んだバス会社間の競争の激化だとされています。
 規制緩和の目的は自由競争による業界の活性化、バスの増加や料金の低下による乗客の利便を目指したものでした。
 そしてその前提はバス会社が適正な運営をし、且つ安全な運転をすると言ういわば性善説に立ったものでした。
 小泉さん始め緩和の実現に携わった人達も「陸援隊」が36項目の法令違反するし、それを個々に調べて是正するために、緩和による官庁の手間が省ける以上の多くの手間を要するなど考えもしなかったのでしょう。
・非正規社員と企業の姿勢
 規制緩和に関しては、非正規社員の製造業への導入がありました。
 これは明らかに中国の台頭に伴う、低賃金の非正規社員の導入による賃金の低下、競争力の回復を狙ったものです。
 そしてリーマンショックにより彼らの大量解雇。
 派遣先の企業は「生産削減を決めただけで、解雇したのは請負・派遣会社だ。政府は早く景気回復対策を講じ、セイフティネットを整備すべきだ」などの発言です。
 そして路上に放り出された人達の年末を控えての地方自治体や国の彼らの救済に対しては知らん顔、経営者からの寄付金などはゼロ?、とくに当時の経団連会長が率いるキャノンの非正規社員の取り扱いは世の中の批難を浴びました。
 当時の、元伊藤忠商事の丹羽宇一郎さんの発言の「企業は株主、従業員と地域のもの」、「企業は儲けだけでなく社会の為に存在する」など昔ながらの日本流の考え方が多くの企業の経営者の頭にあれば、違った方向に進む筈だったのに。
 丹羽さんは今の企業経営者で「企業の社会責任」を考えいない経営者はいるかも知れないが、ごく少数だと言っていましたが、他の企業の経営者に遠慮しての発言です。
「陸援隊」パス事故、非正規社員問題で共通する問題は性善説に立った規制緩和の条件であるべき、企業の非正規社員と言う名の従業員、社会、国に対する責任感の無さにです。
 後半の件で経営者はリーマンショツクの所為だといいますが、素人の私でも米国の不動産バブルに見る米国経済の劣化の傾向に就いて書いて居ましたし、製造業と密接な関係のある日本の金融機関はショツクを何とか乗り切ったのを見ても、企業経営者たちは自分達の失敗認めるべきでした。
とにかく自分のことを棚に上げて他人や国の責任を追求するのは困ったことです。
・地方分権と原発
 この点で言えば今盛んに言われている地方分権もそうです。
この前提は地方の住民・公務員・議員は皆やる気で、物事を計画・実施するにも国のことを考えていると言う性善説に立っています。
中には小沢さんたちのように、外国人も日本人と変わらぬ意識を持って日本のことも考えていると言う人達もいます。
やる気の問題ですが、マスコミの批判に曝され安い国家議員や霞が関の公務員達より遥かに意識の低い人達も多いようで、頑張っているのは全体の3分の1に満たないような気がするのですが。
 北九州市の隣の中間市で北九州市との合併の住民投票により協議が始まりましたが、北九州市から大幅な定数削減の条件を突きつけられて、市議員の方が住民の正式の代表だといって拒否してしまいました。
 この程度の意識の低い地方の人達も多い地方自治体も多くあると思うのですが。
 やる気満々の橋下さん率いる大阪府・市にも問題があります。
 関西電力との大阪府・市のエネルギー戦略会議を見ても大阪維新の会の代表の古賀さんと言い出さんは相手の返答の言葉尻を捉えて文句を言うだけ。
 これで物事は進みません。 (それが目的なら致し方ありませんが。)
 大阪府・市側も何らかの前向きの対案を出して、関西電力の案と突き合わせて、お互いに拙い所を修正するのなら前に進むのですが。
 また維新の会もそれとは別に彼らの主張による地域内の企業活動にどのような影響を与えるかも検討し企業側と調整すべきだと思います。
 会議の様子を見ると維新の会側の関西電力の責任の追求だけ。
 自分達の主張の負の部分に就いての責任はどこにも見えない。
 原発維持の足を引っ張って大阪や国の経済がどうなるかの考え方も聞いたことがありません。。
 橋下さんは原発推進を進める民主党打倒と言っていますが、打倒の後の方針に就いては橋下さんの発信力からしても殆ど報道されて居ないのは何故でしょうか。
・総ては義務、責任の軽視と愛国の否定の教育から
 昭和50年ころでしたか、本屋でたまたま中学の社会の教師用の指導書を見ていると、「憲法には権利の記述はあるが、義務の記述は全くないのである」と書いてありました。
 指導書には上の線に添って、権利に就いては詳細に書いてあるのに、義務の項目には権利の濫用をしないことと、権利を社会のために活用することしか書いて居ませんでした。 これには驚きましたが、巻末にその頃教科書裁判で勇名を馳せた家永さんの推薦の言葉を発見しなるほど頷いたこととを覚えています。
 この線で日教組が子ども達の教育を始めたようです。
 権利があれば当然にそれに伴う義務や責任があるのに、権利重視、義務・責任軽視の教育が少なくも半世紀以上続いてきたのです。
 それが自分の責任は棚に上げて人の所為にする、特に政府の責任にする。
義務や責任は回避し、他人や相手の団体や政府などに要求するものとする風潮が国中に蔓延してしまったような気がします。
 それと日教組-朝日新聞ラインが進めてきたのは、国を愛することは戦争に繋がると言う考え方です。
それがグローバル化のムードに乗った国民から、国として個人や企業がどうあるべきかと言う考えをなくして仕舞いました。
 以上僅か3例だけ挙げましたが、権利と義務・責任、国・社会のキーワードで総て象徴される、考えさせられることばかりです。

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1 コメント

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Unknown (貼り付け)
2012-05-08 18:09:08
外人住民票記載について、一部保守が騒いでいる。
しかも民主党ガーと騒いでいるが、この法案は自民党が成立させ既に公布されているもの。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyouse...
自民党が成立させたのに民主党ガーっておかしいだろ?

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