普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

中国の実力診断

2008-05-07 12:06:10 | 国際社会

 中国の胡錦濤・国家主席がチベット問題や毒入り餃子問題、ガス田開発なの色々な問題がある中で来日した。
 そこで改めて中国の実力を考えてみた。
 勿論素人の私が書く事だから、数字的、科学的の裏付けは殆どなし、殆ど定性的な分析であることはごあらかじめご了承頂きたい。

「シンガポールでの経験」
 シンガポール
はご存知の方多いと思うが社会主義政党(PAP)の一党独裁の国だ。
 同国は社会主義に市場主義原理を採用して小国なのに、素晴らしい発展を続けている。

 私は同国には約1年半出張していたがそこでの印象は、
・清潔な政治?
  首相のリー・クアンユーさんが敬虔なキリスト教徒であることから、清潔な政治を行ったという評判を得ている。
 然しこれには裏があり、金に絡んだ選挙違反などの嫌疑で野党は投獄や国外追放などの厳しい弾圧にあい、議会には僅か数名しかいない現状で、文字通りの一党独裁状態が続いている。
 その反対に政府は地域ごとに定期的の集会を開催し、食事提供のもとに京劇などを行い後は政府の方針などのPRに努めている。
 私など外国人から見れば、政府の方針はPAPの方針であり、食事提供など明らかに選挙違反と思ったのだが。

・経済政策の成功
 世界が認めるように、その経済政策が成功して国として発展を続けており国民の間は経済的な不満がないことだ。
 最近でも、世界的な物価上昇に際して政府系ファンドの収益金から国民に特別の金を配当したそうだ。

・独裁政治の現実の例
厳しい言論統制

  政府批判の新聞は殆ど廃刊状態に追い込まれ、残るのは完全な政府機関紙になっている。
強引な都市開発
 政府から都市開発の計画ば発表されると、日本と同じように反対する住民が出る。
 それで気がついたのだが、その後決まったように火災が起こる事だ。 
 このことを現地の人に話すと、わざと作ったような裏話を聞かせてくれたが、伝聞なので省略する。

教育制度
 全国で定期的に統一試験が実施され、その成績で小学校4年生から工員や店員向け、エリート向けなどの進路が決まり、以後も試験の結果上級校への進路が決まってしまう。
 まことに合理的だが、日本では考えられない制度だ。

 同国は学校は自由に選べることになっているが、政府や企業などで高い地位にある女性の出生率が低いのに悩んだ政府はその女性の子供に学校選択の優先権を与えた。
 つまり一口で言えば優秀な女性の子は優秀の子の確率が高いのでその人口に占める割合を殖やそうと言う訳だ。

・実利的な中国系の国民
 政府は多民族の融和策の一貫として、中国語、英語、マレー語を主体とした学校を設けていたが、英語系の学校の卒業生が就職に有利なことなどの条件から次第に、英語主体(小学校から全ての学科を英語で教える)の学校の人気が高まり、他の系列の学校は頭の悪い生徒ばかりなどの評判がたった。
 そこで驚いたのは、その生徒たちの家庭での話を全て英語で通させる父兄が続発したことだ。
 小学校への英語の導入さえ大問題になる日本では考えられないことだ。

・勤勉、手先が器用、そして優秀な中国系の人達
 これは皆さんご承知のことと思うので、省略する。

 私はシンガポールでこのような状況を見て、当時まだ未開発だった中国が、同じ中国系の国のシンガポールを見て、共産主義のしがらみを脱却すれば、その人口から見て、大変なことになると思っていたが、小平さんがこれに気づいて共産主義のもと市場主義経済を導入してから私の懸念が現実のものとなってしまった。

[中国の実力]
 中国の実力のを考えるに当たって、問題点を明らかにするために、日本の現状との比較も書いてみた。

・漢民族の特徴
 日本人と同様に勤勉、手先が器用、優れた頭脳を持っている。
 有人人工衛星の発射、米国ペンタゴンの防衛システムに侵入できるIT技術。
 徹底した実利主義→これが各種の偽ブランド品の制作などに繋がっている

・ハングリー精神を持つ
 旺盛な勉学意欲、出世、金儲けの意識。
 日本:将来の希望をきかれても「別に」と答える生徒、ニートなど無力な若者。

・潜在的な経済力
 膨大な低所得の優秀な国民
 日本の経済力の推移:中国に比して高い所得→競争力の低下→非正規授業員の雇用→所得の低下→社会格差の発生→日本全体の貧困化

・独裁国家だから出来ること
厳しい言論統制
 チベット問題の対応など政府の思う通りの情報を流して、世論を操る。
 
経済の発展の制御
 人民元の為替レートの国際圧力無視
 強引な開発、北京オリンピックで環境問題で工場の運転や建設の一時停止
日本:プラザ合意の結果、発表の翌日にはドル円レートは1ドル235円から約20円下落し、その1年後のには120円台まで落ちた、日本の経済に大打撃を与えた。
 小泉さんに代表される米国の指示通りの経済、金融改革など余りにも外国を意識し過ぎる。

政府の思い通りの政策
 地域の反対を押し切り住民の犠牲を無視しての強引な工業、インフラ開発計画の実施
日本:石油資源枯渇に対する切り札の原発計画さえ地域の反対で政府の意のままにならない。

人口問題
 人口爆発を防ぐために一人っ子政策と言う個人の価値観にまで立ち入るような政策の実施。
日本:少子高齢化に対してその場凌ぎの政策しか取れず、その影響が医療、福祉、労働人口の減少、果ては経済の縮小など深刻の状態になるのを放置するしかない?

海外政策
 実利主義に徹して、内政不干渉の名の元で、スーダン政府の非人道的行為には眼を瞑り、発電所、ダム建設など支援事業を行い、同国人からの評価を得るとともに、その資源の権益を確保し、多数の中国人労働者を派遣し、労働者の本国への送金で外貨を稼ぐとともに、同国に中国人のコミュニティーを作った。(某民放の報道より)
 然しこれらに対する国際的批判は国民に届かない仕掛けになってい。
日本:スーダン政府の非人道的行為に対する諸外国の批判に遠慮して、井戸堀り、工業の基礎技術を教える学校の建設など人道援助に限り、同国人でも日本の援助を知っている人は少数と言う成果しか上げていない。

[中国の弱み]
 有識者の中には経済発展に伴い、生活レベルの向上、意識の変化で独裁体制はいつかわ、崩壊するだろうと言う人が多い。
 中国の政府の人はそんなことはとうに知って、そうならない様にシンガポールなどの先例をみて、時に応じて国民の管理を徐々にゆるめたり締めつけてりして行くと思う。

政権の腐敗
 それより問題なのは政権の中枢の人達の腐敗だ。
 現在でも地域の幹部の腐敗が摘発され、処罰されているが、もしそれがトップにおよんだ時は政権の危機になる。

 北朝鮮のように、親から子へ、ロシヤのようにボスから腹心の子分へなど指導者の交代がその腐敗の前兆となる。
 然し江沢民さんから少し路線の違う胡錦濤さんへ交代する内はまだ政権は健全だ。
 私は中国の首脳はシンガポールの成功の一つの理由は清潔な政権にあったことを学んでいると思う。
 また政権が仮に崩壊して一時的な経済の低下はあっても、国としての基本的の国際競争力が落ちることはない。

国際競争力の低下
 もう一つは日本が中国の台頭で経験した、経済発展→国民所得の増加→国際競争力の低下の問題がある。
 然しこれも膨大な低所得層がそれなりの所得を得ることで競争力が世界的に飽和状態になるのは、同じ条件を持つインドやロシヤの発展の時期と言う長い時間を要する。

[日本が考えねばならぬこと]
 
中国の発展に対して日本がどのように対処するかは次のことが考えられる。
・製造、金融などの技術力を高めることで中国に劣らぬ競争力を持って、前記のような競争力低下→貧困化の一連の道を脱する。
 これには教育制度の充実、国民のハングリー精神の復活など難しい問題を伴う。
・賃金の安い外国人労働者を入れるなどして、平均賃金を下げて競争力の強化をはかる。
 然し日本人が人種間の社会格差社会に堪えられるかが問題となる。
・現状をできるだけ改善して、出来ない所は「貧乏だが、豊かな心と生活」など他に満足感を求める。
 そんなことで今の日本人が耐えられるかは問題で、まず不可能だろう。

 このように、非常に難しい問題だが、いずれは避けては通れない問題として、日本は研究して行く必要があると思う。

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