普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

米国から米国追随の梯子を外された?日本

2009-06-21 11:23:38 | 経済・財政

  私は昨日のブログで「日本の将来像」などと大きなことを書いた中で、「素人のエントリーなので書き漏らしなどがあるか判らない」と言い訳をしていましたが、早速友人から[国は今までの規制緩和、自己責任という放任から、適度なブレーキを効かせた緩やかな政府の介入に方針転換する」と書いているが、金融政策に就いてのどう考えるかの記述が抜けているという指摘がありました。
  私は友人の指摘に応えたいのですが、金融や経済は全く素人なので、森本紀行さんの「HC asset from HC」の中の金融危機にみる日本型金融モデルの理念と小泉改革の功罪
の記事から抜き書きで要点を拾ってみました。 (基本的に私は森本さんの考えとほぼ同じです。)

・オバマ大統領の意図する改革はレーガン大統領の「平均から格差へ」の改革の逆転で、「格差から平均へ」へ向かうものだ。
・日本では、ここまで遅れたならば、むしろやらないほうがずっと良かったという時期になって、小泉内閣が「構造改革」と称して打ち出した(平均から格差への)路線だ。
*深刻な金融・経済危機の中、オバマ大統領がで過去30年間の路線の転換を始めようというときに、その少し前に、20年以上も遅れて、小泉内閣が「構造改革」の名の下に、一世代前の古い理念を打ち出したことは、結果的に随分と時間の巡り合わせが悪かった。
・小泉改革は、郵政民営化に象徴されるように、金融制度改革に大きな力点を置いた。
*小泉内閣は戦後復興型の金融モデルが、それなりの機能では満足しなかったか、放っておくと機能不全に陥るリスクを認識したかで、「改革」を断行することにしたのだろう。
改革後の日本の金融システムは、この危機に有効に機能しているのだろうか。少なくとも、日本の外では、危機の原因を作ったともいわれるだけに、抜本的改革なしには、機能し得なくなっているようだ。
・現在の金融システム公的介入によって、かろうじて機能しているのが現状だ。
・今の日本の金融は、小泉改革の成果により、危機(時期の間違い?)を失した改革の結果として、機能が低下しているのではないか。
・戦後日本において、世界に誇るべき経済成長を実現するについて、日本の金融システムが、きわめて重要な役割を演じた。
*1980年代以降の低成長経済へ移行する過程では、何らかの本質的な改革が必要だった点については否定できないでい。
・日本型の金融システムの基本は、徹底した所得の平準化によって大衆消費需要の拡大を志向するという、経済政策の結果であり、また推進力でもあった。
 即ち、小口な預金を限られた数の金融機関へ集積して巨大な資金の塊を形成させ、それらの金融機関が投資主体となって、産業界へ投融資を行うという仕組みで、保険もそうだ。旧郵政省の郵便貯金と簡易保険もまったく同じ仕組みだ。
*民間の金融機関についても、資本の集積を優先させるあまり、規制という名のもとにおける過大な保護政策がとられている点に、小泉改革の穂先が向かったのだ。
*日本型金融システムは、1980年には、戦後復興という役割を終えていたので、その改革を断行した小泉内閣は間違ってはいないのだろう。
・問題は、なぜ20年遅れなのか、そこまで遅れたならば、別の改革路線を検討すべきではなかったのか。
・低経済成長への移行に伴う産業界の資金需要の後退と、旧来と変わらない金融機関の強力な資金調達の仕組みとの間に、大きな不適合が生じ、巨額な余剰資金が不動産へ向かったのだ。
・10年前の金融危機、小泉改革を経てさえも、日本の金融機関には変わらない「強み」がある。それは、日本の金融システムの個人貯蓄の支配力だ。個人金融資産1500兆円といわれるが、その過半が預貯金と保険だ。
・金融の規制緩和や、ペイオフの解禁などによって、いかに政策的に貯蓄から投資への転換を進めようとしても、国民の貯蓄に関する志向は変わらないので現実だ。
・それなら、全く別な視点から、強みとしての価値をこそ、見出すべきなのではないか
・金融制度改革は、経済システム全体の改革の中で行われることだ。
*小泉改革も、金融改革をはじめとした経済の全体的な構造改革を志向した。今後の改革路線を徹底すれば、貯蓄構造も変わり、最終的には、金融の構造も変わっていくのかもしれない。そのためには、 (竹中さんの言う様に)改革を徹底する必要があるが、今は、そのような改革を徹底するときだろうか。
*1980年代以来の改革路線が、完全な行き詰まりをきたし、オバマ大統領が路線の転換を宣言した今このときに、旧路線の改革を徹底するのだろか。
・日本の金融システムは、貯蓄における銀行預金の比重が大きく、米国に比較して、社債等の直接金融市場が、著しく小さいことが日本の特色だ。今回の金融危機は、この市場金融を直撃したので、その比重の小さい日本の銀行の損失が相対的に小さいのは当然だ。
・今、この日本の金融の強みを、改めて見直すことが必要なのではないか。日本の金融は、その強みを生かした活躍ができているのか。もしも十分な活躍ができていないとしたら、それは、小泉改革が不徹底だからではなく、本来の強みを忘れていることにある。
・日本の金融機関が、強力な貯蓄市場での力を背景に、投融資型の積極的な資金供給を産業界に行っていた時代、金融が経済とともに成長し得た時代に、今と将来を考える重要な鍵があるはずだ。
・古いシステムに戻ることはできないが、方向感覚を失ったとき、常に参照すべきは、古き良き時代の理念だ。

[私の感想]
・ネット上では小泉改革は米国の年次改革要望書に忠実に従っただけだと言う批判の多い中で、冒頭に(*)を付けてある文章にある様に筆者は小泉改革の意義をそれなりに認めていることから、逆に筆者の小泉改革への批判の公平さが判るような気がします。
・筆者が言うように、また昨日のブログでも書いたように、日本は日本の環境に合った改革を行うべきだし、日本の古き良き時代の理念を、古いとして一概に捨て去るだけでなく、いつもその良い所を参照すべきだと思います。
・18日共同によれば、米上院は18日、オバマ大統領が提案した金融規制改革案について初の公聴会を開き、大手金融機関の監督を一元的に担うことになる連邦準備制度理事会(FRB)の権限拡大の提案をしたそうです。

 私は前にも書いたのですが、
・世界の列強の植民地化が飽和状態になったとき、日本が国土の拡張をし(但し合法的)→関東軍の暴走→第二次世界大戦勃発→結果的に日本が世界的な植民他開放の引き金を引く→その日本が侵略国の汚名を着せらる
・小泉さんは経済環境の変動期に米国型の金融・経済改革路線を取る→米国型の金融政策の破綻→世界で一番安定した金融機関を持つ日本が世界一の経済的打撃を受ける→オバマさんの路線偏向で米国一本槍路線の梯子を外される
という二つの大きな動きと重ね併せて考えて仕舞うのですか。
・機を見るに敏な小泉さんは情勢の変化を察知して?さっさと引退して仕舞った後、残った中川秀直さんや竹中さんがいまだに経済成長や小泉改革推進を唱えています。

 何度も書く様に、日本は日本の環境に合った政策を日本自身の頭で考え、日本自身の手で実行するほかないと思うのですが。

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6 コメント

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Unknown (小林 哲人)
2009-06-21 11:59:58
色々検索しておりまして、

世界経済で検索していたらここにたどり着きました。

とても興味深い記事を書かれていますね。

私の友人ですが、こちらも面白い記事を書いているので、是非遊びに来てくださいね。

http://blog.livedoor.jp/yume2323/

翻訳学問全盛 (クマのプータロー)
2009-06-21 12:48:02
日本自身の頭でで考えると言うところに落とし穴があるような気がします。とかく日本は外からどう見られているかに関心が集中するため、翻訳学問が隆盛を極めます。日本自身の頭で考える習慣がないのが現状ではないでしょうか。

Unknown (従来の日本)
2009-06-21 13:50:44
日本は従来、海外から色々なものを取り入れ、自分の国に合うように変化、調節をしていって、現在のような繁栄した経済大国になりました。鎖国などして、全く外のいいもの学び、取り入れないと発展はしないだろうし、他国のものをそのまままるっきり取り入れてしまうのも自国の環境と合わないためマイナス面が出てくるでしょう。
日本は、従来どおり、海外のいい部分を参考にし、日本独自の政策を作り上げていくということに力を注いだほうが良いですよね。
Unknown (ななし)
2009-06-22 01:02:07
 貴方が80才の恒例であるにも関わらず、このように頻繁にブログを更新しているのには感服しますが、貴方には認識の間違いがあります。
 まず第一に、小泉内閣では金融の制度改革などほとんどやってはいないのですよ。これを批判する人はたくさんいますが、根拠を示して批判する人はいないでしょう。郵政民営化を行ったから金融制度改革をやったと思っているでしょうが、郵政が本当の意味の民営化をするのは、まだまだずっと先の話で、今の段階では国営の時とほぼ同じなのですね。
 では、小泉さんは何をやったかというと、不良債権処理を行ったのですよ。そして、貴方はアメリカに梯子をはずされたと言っていますが、今現在アメリカがやっている不良債権処理は、まさに小泉さんが行った手法とほぼ同じことをやっているのですね。
 それから第二に、大抵の人が派遣労働を認めたから、非正規雇用が増加したように考えているようですが、それは全く違うのですね。貴方もご存じのように、日本の雇用慣行は、新卒一括採用、年功序列、終身雇用制ですね。このような雇用慣行では、中途採用はほとんど行われないのは解りますよね。
 つまり、このような雇用慣行では一度正社員の地位を失うと再び正社員として雇用されことが難しいと言うことは解りますよね。
 バブル崩壊後、リストラという首切り・新卒者が就職できない就職氷河期という時代があったのを覚えているでしょう。つまり、小泉内閣誕生時には、失業者と潜在失業者が戦後最高水準にまで達していたのですね。大量に発生してしまったこのような人たちが職を得る方法は派遣労働を認めるしかなかったのですね。このような事実をマスコミが伝えないのは、いまだ日本では正規雇用の方が非正規雇用よりはるかに多いいからなのです。つまり、非正規雇用が正規雇用として円滑に雇われるようにするためには、どうしても正規雇用の待遇の引き下げと非正規雇用の待遇改善を行って、正規雇用と非正規雇用の格差を縮小することが必要なのですね。ただ非正規雇用の待遇改善だけを行ったのでは、企業は存続し得なくなってしまうからです。つまりこれは正規雇用の既得権にメスを入れると言うことなのです。こんなことはマスコミも商売である以上報道しえないのですよ。
 それから、以前、貴方は同一労働同一賃金にすればよいと言うようなことを書かれましたが、同一労働同一賃金と年功序列賃金制は矛盾するとは思いませんか、どう考えても矛盾するでしょう。何故なら、正規雇用の社員同士であっても、同一の労働を行っているにもかかわらず、年功によって、賃金は違いますよね。
 このようなことを書くと私が日本型雇用慣行に否定的と思われるでしょうが、私は日本型雇用慣行にもよい点があると思っています。その利点は1、社員が企業に対して忠誠心を持つこと。2,雇用が比較的安定すること等の利点があると思います。雇用の安定は社会の安定に繋がりますからね。してがって、日本型雇用慣行の利点を生かしつつ、正規雇用と非正規雇用の待遇の格差をちじめるのが妥当だと思うのですがね。貴方はどう思いますか?
Re:米国から米国追随の梯子を外された?日本 (ロディ)
2009-06-22 02:05:32
ここのブログへの2回目の書き込みになります。

 引用されている森本紀行氏の経済・金融論ですが、私としてはいろいろと反論したい部分があります。まず、オバマの改革から20年も遅れてうんぬんとありますが、私の認識はむしろ逆で、アメリカの方が改革すべき方向から逆行しているのではないかと思っています。オバマ大統領の現在の政策は彼の支持母体である労働組合の保護に力点が置かれていて、本来なら破綻するはずの企業を公的資金によって保護するという政策です。(これはまるで日本の高度経済成長期に見られた護送船団方式を見るようです)

 世界中でヒト、モノ、カネが動く時代において、その国が厳しい国際競争に勝ち抜いて豊かな国を作り上げるためには、さまざまな規制緩和が必要であり、政治は民間の活力を削ぐような事があってはなりません。最近、小泉改革の負の側面ばかりを強調し、まるで小泉改革などしない方がよかったとでも言うような論調が散見されますが、私はそれは違うと思います。小泉改革とは、日本のバブル崩壊後の行き詰った世の中で、日本が生き延びていくために必要な改革を行ったのです。もちろん痛みも伴いながら。思い出してみて下さい、バブル崩壊後の危機的だった状況を。銀行は不良債権によって手足を縛られ、株価は低迷を続け、国の財政も赤字が膨らんでいくばかりでした。小泉登場前の日本の経済・金融情勢は暗いものでした。しかし、それらの課題を見事に乗り越え、戦後最長の好景気を実現したのが小泉内閣なのです。(いわゆるいざなぎ超え)現在の金融危機に直面するまでは、プライマリーバランスの健全化も順調に行われていました。

 長くなって申し訳ないです。言いたかったのは、オバマ大統領のやっている事は、本当に正しい事なのか?(この場合の「正しい事」の意味するところは、アメリカ経済が金融危機から脱却し、世界経済を牽引する強いアメリカを取り戻せるかということ) アメリカと日本の経済構造を単純に比較はできないと思うので、アメリカがどうだから日本がこうしなければならない、みたいな論調はちょっと違うんじゃないかと思い、書き込ませていただきました。

 最後に、私は現在の世界的な金融危機は日本にとってチャンスだと思います。今まで米欧が主導してきた世界経済ですが、彼らは金融危機で大ダメージを受けたわけで、日本は経済大国としてさらなる台頭が望まれると考えています。

 
Unknown (MaNa)
2009-06-24 00:07:08
自分としては貯蓄から投資へのシフトを促す。それにより国内経済を活性化させようとする、小泉路線は一定の評価をしています。
現状を見る限り、万能では無かったようですが…
小泉路線に踏み切ったにもかかわらず、景気が過熱しなかったのはバブルを経験し、注意深くなった邦銀の美点でしょう。(マスメディアは実感無き好景気だとか大企業だけ好景気等と言っていたようですが、日本全体がストックを蓄積し、荒波への備えを整えていたと考えています。)現在の世界恐慌は責任感の欠如、即ちモラルハザードが根本に有るのでしょうね。
また、時価評価を凍結し、簿外資産が山ほど不良債権になっているアメリカや、ストレステストを公表すらできない欧州の状態を見る限り、(昨年のG20で麻生首相が言っていた)格付け機関制度の見直しや、過剰なモーゲージ化の制限は必要でしょう。
いや、WW2直後は必要と思われ用意されていた規制を『規制緩和』で取り払っていったのが誤りなんでしょうね。

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