普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

前月号鑑賞」「恐いのは昨夜の喧嘩より無言」

2018-08-18 15:52:33 | 川柳
川柳くろがね」2018年8月号より
前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評

「恐いのは昨夜の喧嘩より無言」    橋口ひろこ
 全く同感です。喧嘩は相手を認めているけど、無視はもう認めていない。居場所がなくなる気がします。

「誤字脱字あって嬉しや孫メール」   古川 次郎
 本当に嬉しそう。誤字脱字があろうとなかろうと、なんだって嬉しいおじいちゃんなのです。

「三人の孫やんちゃです誇りです」   本田さくら
 そうです。元気が一番。目を細めて見守っておられるさくらさん。もしかして一人娘さんのお孫さん?

「五月晴れ今日の主治医は元気いい」  坂本美代子
 ぶっと吹き出してしまった。常連になると先生の健康診断をされるのですね。待合室も明るい笑い。

「これからのドラマ始まる無人駅」   大庭 堅司
 無人駅から「何か」へ向けて旅立つ。広がる未来。辛くなったら帰っておいで。駅はいつでもここに。

「よいしょのしょ」階段上がる応援歌  八木 幹子
 素晴らしい感性。かけ声は応援歌だったのだ。私も元気をもらった。大さな声で、よいしょこらしょ!

くろがね抄 吉富 廣 選
            大牟田  山下 華子
ひらがなで話す人間らしくなる
梅雨の雷何かが我を解き放す
のほほんと貧乏神の傍に居る
人間が絡んで和む酒の席
茶柱が立ち機嫌よく家を出る
            能本  黒川 孤遊
ぬかるみのど真ん中やっと雨あがる
八月の重い日ごとに軋む肯
かぽちゃ飯父子孫孫の終戦目
立ち騒ぐ命そのまま忠魂碑
患絶えた蝶に命があこがれる
            横須賀  阿部 文彦
保護色になってこの世を生さ延びる
藤豆が白く咲こうとした不覚
亡き母の言葉真空保存する
昭和史に火薬の匂いまだ残る
町起しシニアパワーが闊歩する
            札幌  桶山 聖柳
原点に戻ってボタン掛け直し
シースルー女の野心まで透ける
賢人は声なき声も聴いている
娘と孫に笑いもらっている余生
風の絵師夏に一本朱を入れる
            八幡西  虞永 雅彦
ありがとう素直に言えた日の温み
終着駅が見えて人間らしくなる
神様が教えてくれぬ着地点
気持ちだけ妻よリー歩前を行く
百薬の長をカルテは語らない

川柳・人気ブログランキングへ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿