普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本のTPP参加と私の意見

2011-11-02 11:09:19 | 菅内閣
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 前々回「米韓FTAとTPP参加・日本は自国の立場を貫けるか」を書いた時、引用した京都大学大学院工学研究科准教授の中野剛志さんが書いた「米国丸儲けの米韓FTAからぜ日本は学ばないのか」論文について部分的に私の意見を付け加えた後、最後に私は中野さんの論文を見てもまだTPP参加の良し悪しは判りませんが、唯一はっきりしているのは、もしTPP交渉に参加するのなら、千軍万馬の米国の交渉役に対して、日本の利益のために一歩も退かないタフ・ネゴシエイターを宛てるべきだと思います。と書いたのに、私のような小ブログに珍しく多くの貴重なそして厳しいご批判を頂きました。
 有り難うございました。
・論文をみてもまだTPP参加の良し悪しは判りらないならその理由を説明しろ
・歴史的に見ても日本にタフ・ネゴシエイターなどいるか

ということです。
[はっきり言えること・ある程度はっきりしていること]
・現在の経済環境

 今は円高や電力の不安などで産業の空洞化が進んでいます。
 民主党政権の初期では内需の拡大が言われていますが、小子高齢化の傾向が明らかになり、産業の空洞化が進んだいまこの声は殆ど聞こえてきません。
 経済成長も将来ともおおきな向上は望めないと言われています。
  経済学者で元気が良いのは円を刷れと言う人達ばかりですが、多くの経済学者からは見向きもされないようです。
 経済政策の解説や批判をする人はいても、どうすれば良いかと言う意見は殆ど聞こえてきません。
・日本経済を支えているのは製造業
 私は、土地も資源もない日本が他国並みかそれ以上の生活水準をキープするには、今米国で問題になっているように、金融・投資関係機関で頑張って貰うか、農業を含む製造業で付加価値のあるもの作って外国に売るしかないと思います。
 しかし日本は金融・投資など一番弱いところですから、頼りは製造業しかありません。 (逆説的に言えば堅実な前例固守の運営の日銀を含む金融機関のために円高になっています。)
 しかしその中核を担う工業製品の製造業は円高、電力の不安など空洞化、雇用の減少と言う大きな問題を抱えています。
・TPP問題に日本の安全保障の根幹となる日米同盟の在り方に大きな影響を及ぼしていること
a.鳩山さんの大失言→普天間基地対策の遅れの追求とTPP参加の要求が絡み合わされている
b.今回のユネスコのパキスタン加入に反対する米国に多分遠慮して日本は棄権するなど中国、北朝鮮、ロシヤなどに囲まれた日本として、日米同盟に特別な配慮をしなければならない時期にいる。
[これからは具体的な対案を考えた提案をするべき]
 そしてTPPと言う難題が持ち上がりました。
 私の意見はこのような時期だからこそ、具体的にどうすれば良いかの提案をすべきだと思います。
 中野さんの鋭い意見は的をついていますが、TPPに入らないとすれば、どうすればよいかの提案がありません
 TPP推進論者の池田信夫さんは工学研究科准教授の中野さんを「にわかエコノミスト」として切り捨てていますが、私は貴重な警告として尊重すべきとは思います。
 しかし彼の意見を見ただけで、TPP反対と言う訳には行かないと思います。
 何しろ現状でさえ、昨日と今日ののパナソニックの報道でも、韓国などの進出による、テレビ関係の事業から撤退、1万数千人のリストラ、今後の採用予定の7.5割は外国人と報道されているのですから。
 そして日本として今での一二を争う最大の輸出国の米国が韓国に関税を完全撤廃をしようとしているのですから。
 中野さんは少なくても工学研究の立場を活かして、少なくとも日本の製造業をいかに護るかくらいの対案を出すべきだと思うのですが。
[もしTPP交渉に参加するとしたら]
私はし日本がTPPに参加したとして絶対に譲れないものの例を書いてきましたが、長くなるのでその一例を上げます。
 金融、投資関係、日本の保険制度など日本の政治の根幹に関わるものは絶対にゆずらないこと
理由は、在日米国人の方の記事にもあるように、そして私が前から書いてきたように米国政府のコントロール外にある大資本のために、国の収入のシェアが「ボトム90%」が13%、「トップ10%」の人達が64%と言う社会は日本人、一人として望まないからです。
 しかし、自民党の小野寺さんの意見によると、米国のTPP推進の主力は農業関係以外の大企業だそうです。
 もし私の言うように金融・投資や日本の保険制度を護るには猛烈な米国側からの反発が待ちかまえているのを覚悟すべきでしょう。
 リーマンショックのときオバマさんは、投機資金の管理強化を言っていたようですが、現在FRBは金融緩和を進め、結果的には投機機関に資金に提供しています。
 オバマさんも奇麗事を言っていますが、所詮は民主主義のお蔭で大統領の地位を保つためには、ユダヤ勢力も、在日米国人の意見のように金融・投機を中心とする大企業の意見を無視するわけにいかないのでしょう。
[判らないことだらけのTPP]
・TPPの原文を見た日本人は誰もいない。外務省の人達が関係者に当たって拾い集めた情報だけ。
・だから医療関係は問題に対象になってないと言っても、米国に継ぐGDPを持つ日本が参加した途端に、米国がその問題を持ち出すとして、医療関係の人達が反対している
 自民党の谷垣さんですら代表質問で情報の全容を出せといっているほどです。
 今日の読売でも同じような政府からの情報の報道がされていますが、少なくとも慎重派では信じる人は殆どいないでしょう。
・途中で離脱できるかどうかも議論が別れている
・議論は中野さんの主張を含めて皆「もし、なら、たら、れば」の前提の議論ばかりです。
・もう一つの問題が交渉の体制です。
 例えば中野さんが上げた問題、それと私の意見の金融、投資・投機、健康保険の米国流の自由化は絶対阻止すべきだと思いますが、それこそ米国がTPPで日本に売り込みたいものです。
 その交渉は前に書いたように非常に難しくなると思います。
・そのために私が提案して批判の的となったタフネゴシエイターの適任者がいるか、いたとしてもそれを起用する程の決意と度量があるか?
・そして交渉に当たる人達のバックアップ体制が出来るか。
 今でも反対者の多い民主党が仮にTPP参加と決定しても、同じく反対の野党の人達として心を一つにして交渉陣をバックアップ出来るか?
 今までの例から考えると平和ぼけと言うか、他国との争いに慣れてないと言うか、他国と交渉中の交渉陣の脚を引っ張る主張のでる可能性が高いような気がしますが、果たして?
[私がTPP参加が是非が判らないと言う理由]
 設備保全が元専門の私は、情報不足ながらも、福島第一の事故の責任の殆どは東電が持つべきで、そのために事故の直接原因を早く明らかにすにすべきだと書いて来ました。多分そう大きな違いはないと思います。
・然しTPPには素人には(多分専門家や政治家にも)余りにも判らぬことが多すぎます。
・厳しい交渉が待ちかまえているTPPにたいして、大失敗をした鳩山さんは別にして、菅さん、小沢さん、野田さんなど、外国に行って良い顔ばかりをする民主党首脳部。
・政府の政策に対して野党から攻撃を受けているなかでも、おおっぴらに首脳部を批判する民主党政権下でのTPP参加には大きな不安があります。
 然し希望的観測ですが案外しっかり纏まって頑張るかもしれません。
 参加するかしないかのどちらにしても止まっておく余裕は日本にはありません。
 政権交代論者の私は、民主党政権ばかり批判していたかと思うと、突然自民党の批判で訪れた方を憤慨させ失望させて来ました。
 ものごとを平等にみることと、当たり前のことしか書かないのが、私のランキングが上がらない原因の一つかも知れませんが、公平にものを見る私の心配や提案が、案外に先見性をもっていることが判ることも時々あることに、私のブログも存在価値があると思っています。
 参加するか否かの議論が沸騰しているときに、私のブログのタイトルのように「普通のおっさん」の眼で見て、TPP参加可否が判らないと書いたことで、ご批判を受けるのは当然ですが、もしご不快に思われていた方がお有りならお詫び申しあげますとともに、これに懲りずにご遠慮ないご批判やアドバイスをお待ちしております。

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