トニー・スコットの自宅の電話が鳴る。
トニー 「はい、映画・ドミノで自分のキャリアもドミノ倒しになったトニーです。昨日、娘とラブandベリーをやっていたら『お父さんのラブandベリーは西村知美とか森尾由美の私服みたい!』と言われました。意味はわかんないけど落ち込んでいます。ご用のある方はピーという発信音のあとにメッセージを…」
ブラッカイマー 「おいおい、トニー? 俺だよ、ブラッカイマーだよ?」
トニー 「あぁ、ブラッカイマー? 何の用ですか?」
ブラッカイマー 「映画撮らない?」
トニー 「いいですけど、マイ・ボディガードで微妙にコケて、ドミノでドミノ倒しにコケて…」
ブラッカイマー 「まぁ、そんなこともあるさ」
トニー 「最近、キャメラマンと相性が悪いんですよ? マイ・ボディガードも画面が揺れているだけだったし、ドミノなんて画面が揺れるわ、色調も無茶苦茶だわ、シナリオも無茶苦茶で…」
ブラッカイマー 「だからさぁ」
トニー 「 (無視して) そもそも、ドミノのキャメラマンとは相性が悪すぎたんですよ? DVDのインタビューでは『今度は匂いつきの映画を撮りたい』とか言っていたんですよ? そんな人を組んでいい映画ができるわけがな」
ブラッカイマー 「大丈夫! 今度はいい脚本だ!」
トニー 「そう?」
ブラッカイマー 「うん、俺がウソをついたことあるか?」
トニー 「 (小声で) あんたの映画って勢いだけでウソばっかりだと思うけど…」
ブラッカイマー 「何か言った?」
トニー 「いえ、何も」
ブラッカイマー 「じゃあ、脚本を送るね。30ページずつ送るから」
トニー 「何で30ページずつ?」
ブラッカイマー 「トニーの映画は、脚本の辻褄があわなくなるから現場で混乱を防ぐために予防策なんだ、我慢してくれないかな?」
トニー 「はい、わかりました…」
そして、映画はクランクイン。現場に陣中見舞いに来るブラッカイマー。
モニターチェックをしてトニーに話しかけるブラッカイマー。
ブラッカイマー 「トニー? ちょっとこっちきよし?」
トニー 「何でしょうか?」
ブラッカイマー 「相変わらずトニーのキャメラ移動と音楽はマッチしていていいね?」
トニー 「でしょ?」
ブラッカイマー 「でも、このテンポだとお客さん眠くなるから駄目!」
トニー 「わかりました、テンポ変えます…」
そして、二度目の陣中見舞いのブラッカイマー。
ブラッカイマー 「 (モニターをチェックしながら) うん、これなら大丈夫だ!」
トニー 「ブラッカイマー? ちょっと話したいことが?」
ブラッカイマー 「何?」
トニー 「この脚本って、矛盾がありすぎると思うんですけど?」
ブラッカイマー 「そう?」
トニー 「多次元宇宙論や、相対性理論とか知らないと意味不明だし、画面にレーザーポインターを当てるとことか…」
ブラッカイマー 「それは…、勢いで何とかしようよ?」
トニー 「勢いだけで分かりますかね?」
ブラッカイマー 「大丈夫なんじゃないの? カーアクションとガンアクション入れとけば、そんな細かいこと…」
トニー 「細かくはないと思うんですけど?」
ブラッカイマー 「些細なことは気にするなよ?」
トニー 「 (小声で) 些細なことですまないと思うけど…」
ブラッカイマー 「何か言った?」
トニー 「いえ、何も」
ブラッカイマー 「じゃあ、俺これからお笑いタレントの新庄と打ち合わせがあるから」
立ち去るブラッカイマーにトニーが声をかける。
トニー 「ブラッカイマー、最後に一言言わせてもらっていいかな?」
ブラッカイマー 「なに?」
トニー 「この映画って、デジャヴじゃないと思うんですけど…」
ブラッカイマー 「 (最後の台本を渡しながら) その答えはここにある!」
台本を読み呆然とするトニー。
トニー 「あのー、これって…」
ブラッカイマー 「なぁ? デジャヴだろ?」
トニー 「やっぱり、これはデジャヴじゃないのでは…?」
ブラッカイマー 「大丈夫、俺が手がける映画を観る人って、そんな些細なことを気にする人いないと思うよ?」
トニー 「些細じゃないと思うんだけどなぁ…」
トニー 「はい、映画・ドミノで自分のキャリアもドミノ倒しになったトニーです。昨日、娘とラブandベリーをやっていたら『お父さんのラブandベリーは西村知美とか森尾由美の私服みたい!』と言われました。意味はわかんないけど落ち込んでいます。ご用のある方はピーという発信音のあとにメッセージを…」
ブラッカイマー 「おいおい、トニー? 俺だよ、ブラッカイマーだよ?」
トニー 「あぁ、ブラッカイマー? 何の用ですか?」
ブラッカイマー 「映画撮らない?」
トニー 「いいですけど、マイ・ボディガードで微妙にコケて、ドミノでドミノ倒しにコケて…」
ブラッカイマー 「まぁ、そんなこともあるさ」
トニー 「最近、キャメラマンと相性が悪いんですよ? マイ・ボディガードも画面が揺れているだけだったし、ドミノなんて画面が揺れるわ、色調も無茶苦茶だわ、シナリオも無茶苦茶で…」
ブラッカイマー 「だからさぁ」
トニー 「 (無視して) そもそも、ドミノのキャメラマンとは相性が悪すぎたんですよ? DVDのインタビューでは『今度は匂いつきの映画を撮りたい』とか言っていたんですよ? そんな人を組んでいい映画ができるわけがな」
ブラッカイマー 「大丈夫! 今度はいい脚本だ!」
トニー 「そう?」
ブラッカイマー 「うん、俺がウソをついたことあるか?」
トニー 「 (小声で) あんたの映画って勢いだけでウソばっかりだと思うけど…」
ブラッカイマー 「何か言った?」
トニー 「いえ、何も」
ブラッカイマー 「じゃあ、脚本を送るね。30ページずつ送るから」
トニー 「何で30ページずつ?」
ブラッカイマー 「トニーの映画は、脚本の辻褄があわなくなるから現場で混乱を防ぐために予防策なんだ、我慢してくれないかな?」
トニー 「はい、わかりました…」
そして、映画はクランクイン。現場に陣中見舞いに来るブラッカイマー。
モニターチェックをしてトニーに話しかけるブラッカイマー。
ブラッカイマー 「トニー? ちょっとこっちきよし?」
トニー 「何でしょうか?」
ブラッカイマー 「相変わらずトニーのキャメラ移動と音楽はマッチしていていいね?」
トニー 「でしょ?」
ブラッカイマー 「でも、このテンポだとお客さん眠くなるから駄目!」
トニー 「わかりました、テンポ変えます…」
そして、二度目の陣中見舞いのブラッカイマー。
ブラッカイマー 「 (モニターをチェックしながら) うん、これなら大丈夫だ!」
トニー 「ブラッカイマー? ちょっと話したいことが?」
ブラッカイマー 「何?」
トニー 「この脚本って、矛盾がありすぎると思うんですけど?」
ブラッカイマー 「そう?」
トニー 「多次元宇宙論や、相対性理論とか知らないと意味不明だし、画面にレーザーポインターを当てるとことか…」
ブラッカイマー 「それは…、勢いで何とかしようよ?」
トニー 「勢いだけで分かりますかね?」
ブラッカイマー 「大丈夫なんじゃないの? カーアクションとガンアクション入れとけば、そんな細かいこと…」
トニー 「細かくはないと思うんですけど?」
ブラッカイマー 「些細なことは気にするなよ?」
トニー 「 (小声で) 些細なことですまないと思うけど…」
ブラッカイマー 「何か言った?」
トニー 「いえ、何も」
ブラッカイマー 「じゃあ、俺これからお笑いタレントの新庄と打ち合わせがあるから」
立ち去るブラッカイマーにトニーが声をかける。
トニー 「ブラッカイマー、最後に一言言わせてもらっていいかな?」
ブラッカイマー 「なに?」
トニー 「この映画って、デジャヴじゃないと思うんですけど…」
ブラッカイマー 「 (最後の台本を渡しながら) その答えはここにある!」
台本を読み呆然とするトニー。
トニー 「あのー、これって…」
ブラッカイマー 「なぁ? デジャヴだろ?」
トニー 「やっぱり、これはデジャヴじゃないのでは…?」
ブラッカイマー 「大丈夫、俺が手がける映画を観る人って、そんな些細なことを気にする人いないと思うよ?」
トニー 「些細じゃないと思うんだけどなぁ…」