音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

初回特典

2008年08月11日 | DVDの感想
 初回盤CDに付いてくるおまけDVDをまとめて見たので、感想をメモ。
 ちなみに、どれもまだCDの方はきちんと聴けていません。


   
○MEG「STEP」(2008)
 「MAGIC」「HEART」のPVを2ヴァージョンずつ計4曲収録。収録時間約16分。
 中田ヤスタカ制作物のなかで、MEGはひときわ素材感が強いですね。Perfumeやコルテモニカにはまだ歌い手のキャラくささがあるんだけど、MEGさんは歌うアンドロイドみたい。PV見てもぜんぜんセクシーでもチャーミングでもないし。
 なお、Dance Clipたらいう二つの映像は、曲にあわせて猫の着ぐるみがゆるくダンスするもので、猫ものには相当甘い自分でも「これはねーだろ」と思うようなブツでした。


   
○元ちとせ「カッシーニ」(2008)
 2007年12月、渋谷オーチャードホールでのコンサート本編をまるっと収録。全16曲84分。
 バックにはバンドのほかに、ストリングセクションとコーラス6人。
 ちとせ嬢は、緊張からか、最初少し力んでいるように見えました。余裕がなさそう。
 しかし5曲目「ミヨリの森」あたりからペースをつかんだのか、ぐんぐんとよくなります。「声の力」みたいなものがひしひしと伝わってきます。
 特に「ひかる・かいがら」~「恐竜の描き方」~「ワダツミの木」という流れは素晴らしい。
 バックのアコースティックサウンドとの調和もよくとれていて、特にコーラス6人との絡みは理想的。
 ラスト「あなたがここにいてほしい」の終わり方もとても美しく、堪能しました。これは単体でリリースしても十分通用する映像でしょう。


   
○羊毛とおはな「LIVE IN LIVING '08」(2008)
 「LIVE IN LIVING」の2008年版がリリースされてたんですね。ジャケのデザインが2007年版と似ていたので、単なる新装版かと思ってあやうくスルーするところでした。
 で、買ったのはタワレコだったんですけど、レジに持っていったら初回購入特典としてDVDをもらいました。「LIVE IN LIVING '08 Special Sampler」というタイトルの。
 内容は、2008年カフェ・ツアー千秋楽から「手のひら」「おまもりのうた」のライヴ映像と、「手をつないで」PV。そしてリビングルームライヴの再現で「ララルラ ラルララ」。その間に二人のおしゃべりがはさまるというかたちで計24分。
 千葉はながライヴで歌うところを初めて見たんですが、レコーディングされたものよりずっと生々しい手触りがよかったです。歌う姿もチャーミングだし。
 ピックアップされているのが名曲ばかりなので、そういう点でも満足度が高いです。これはなくなる前に入手しておくべきだと思いますよ。


 ということで、羊毛とおはな「ララルラ ラルララ」を。'07年12月の演奏。

ジャップロック サンプラー

2008年08月10日 | 本の感想
  
○ジュリアン・コープ著「ジャップロック サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-」
 セイント・ジュリアンが書いた日本ロック黎明期の研究書。
 これ、かなり困った本でした。いろんな意味で。

 いきなり黒船来航(!)から第1章が始まっているんだけど、そこから近代日本の歴史をたどって日本ロックの原型といえるグループ・サウンズの時代に到る記述が、もうなんていうかむずがゆい。生理的にダメだ、とネットで感想を書いていた人がいたが、それもうなずける書きぶり。

 そして事実関係の誤認がかなり多い。名前や地名などの固有名詞の読み違いならまだしも、加山雄三の映画「若大将」シリーズを、「若い将軍」が活躍する時代劇だと思っていたり(だから「エレキの若大将」は、ショーグンがライバルとギターバトルをする映画ということになる)、永島慎二のマンガ「フーテン」が映画化されて「男はつらいよ(フーテンの寅さん)」になり、映画を観た青少年がフーテンに憧れ続々と家出をした、てな記述に遭遇するともう笑うしかない。

 この翻訳版には詳細な脚注が付けられて、律儀に事実関係の誤りを訂正してあるのだが、それがまたなんともストレンジなおかしさを醸し出している。小林信彦がW.C.フラナガンになって書いた「素晴らしい日本野球」「ちはやふる奥の細道」を思い出してしまったよ。
 
 で、肝心の日本ロック黎明期に関する記述の方はどうかというと、こっちも同様に事実関係の間違いが多いようだ。 
 しかも、著者独自の論理・歴史展開の肝になる部分に誤りが多いのだから困ってしまう。ジョー山中がロックミュージカル「ヘアー」に出演していたことから人脈が広がっていったことになっていたり(実際は出演していない)、ポリドールのディレクターだった折田育造氏が、ありとあらゆる重要な和製ロックアルバムの制作に関わったことになっていたり。(これについては折田氏本人が、日本版巻末のインタビューで明確に否定している。)
 とあるアルバムについての記述では、事実関係を無視して、まるまる妄想と思い込みに基づいて書かれていたりもする。

 本の帯に「日本ロック創成期の空白を埋める奇書、遂に邦訳!」とあるんだけど、そのとおり「奇書」だな、これは。いったい聖ジュリアン氏は、どこからこれだけの情報を引っ張ってきたんだろう。

 しかし。しかしである。それでもこの本を読んでいると、ここに紹介されている日本ロック初期の「音」を、どうしようもなく聴きたくなってしまうのだ。著者の極端に熱を帯びた書きぶりにひきずられるように。
 これまであまり興味を持たずにきたジャンルなんだけど、このあたりの音源を求めて、今後中古盤屋めぐりをしそうな予感が。これまた非常に困るんだが。

 それにしても、この本をそのまま翻訳だけしてポンと投げ出さずに、くどいくらい詳細な訂正脚注を付けたり、事実関係を確認するために折田育造氏にインタビューをしたり、解説がわりに近田春夫とマーティ・フリードマンの対談を掲載するなどして日本版を編集した白夜書房は偉い。えらいね。
 その労に報いるためにも、本屋でみかけたら一度は手にとってあげてください。ぜひ。


 ジュリアン・コープの日本ロックベストワン。フラワー・トラベリン・バンドの「SATORI」。バトルズ「アトラス」はこれのパクりかも。

Pop Go The Beatles

2008年08月08日 | 音楽関連ニュース
  
◆レア&ライヴトラックを含むビートルズのラジオショーCDが発売(What Goes On)
 いったいなんですかこれは。

 ブツの詳細はここにあるんだけど、CD45枚組、ライヴトラックやオルタネイト・テイク&ミックス、BBCラジオ出演音源、インタビューなどを合計40時間以上収録。

 さらにポールのローマでのアコースティックライヴ音源などボーナスディスクが3タイトル付属して、値段は147ドル。

 で、そのうえ違法物件ではないと言い張っております

 うーん。勇気のあるひと、誰か買ってみて。感想聞かせて。


 1963年ロイヤル・ヴァラエティ・パフォーマンスでのビートルズ。宝石じゃらじゃら。

Joe’s Garage

2008年08月07日 | ザッパ関連
◆「ジョーのガレージ」がミュージカルに(Playbill News)
 ザッパが1979年に発表した"ロック・オペラ"アルバム「ジョーのガレージ」をベースにしたミュージカルが、9月に米国で上演されるそうです。ただしブロードウェイでなくサンタモニカで。
 記事によるとミュージカルのストーリーは、

 これはガレージ・バンドの無邪気なギタリスト、ジョーの物語である。
 彼は音楽業界の悪夢のような闇の世界にひきずりこまれていく。裏切りや病気、狂気によって彼は堕落していくのだが、このストーリーの語り手である中央監視官は、ジョーの没落の原因は音楽そのものにあると主張し、それゆえ、音楽こそが「悪」そのものであると断言するのであった。

 ということなので、原作に忠実な作品にはなるようですね。Zappa Family Trust公認だし。

 で、ステージ上で「びしょ濡れTシャツコンテスト」やったり、「Why Does It Hurt When I Pee?」(イテてて…)を歌いあげたりするんでしょうか。


 では「ジョーのガレージ」から、名曲「Watermelon In Easter Hay」をどうぞ。

Donkey

2008年08月06日 | CDの感想
 昭和の雰囲気を色濃く残すパン屋の商品を食い尽くすブログ「サカエパン」が楽しいです。私の友人がやってるんですけどね。見るたびに「喰いてぇ…」と思ってしまうのでした。


    
○CSS「ドンキー」(2008)
 まっとうにパワーアップした。しすぎておもしろくない。
 世間的にはたぶんこれが正しい道なんだろう。でも俺的にはがっかり。
 ファーストにあったへなちょこさを愛していたんだけどなあ。どこかへ行ってしまいました。

 パワーアップ



 パワーアップ


 ビデオクリップの脱力ぶりは相変わらずなんだがな…。

Point of Know Return

2008年08月05日 | 音楽関連ニュース
◆U2が、行う予定のないライヴのチケットが売りに出されているとして、オフィシャルサイトを通じてファンに警告を発する(bounce.com)
 ニュースリリースはこれ。ちょっとぞっとしませんか。

◆スーパーでロジャー・ダルトリーのパスポートが見つかる(BARKS)
 スーパーで、ってとこが庶民派ぽい。

◆R.E.M.、オタクのステータスに満足(BARKS)
 「オタク」は「クール」の反対語。

◆カンサスの作品群が紙ジャケ化!ライヴ盤『偉大なる聴衆へ』はレガシー・エディションで(CDJournal.com)
 CDジャーナルの方にも情報出ました。ぜひ日本盤帯を復刻して欲しい。

◆高品質CD「SHM-CD」と通常CDとの聴き比べが税込1,000円でできるロック・サンプラー第2弾!(CDJournal.com)
 第1弾は2万5千枚も売れたのか。僕も買いました。聴き比べた感想ですが、極端な音質向上は感じなかったものの、SHM-CDの方がナチュラルで聴き疲れしない音のように感じました。どうせならこの素材をデフォルトにしてくれるといいのに。

◆ジョビン、衝撃の映像(HMV Japan)
 見てみたい。字幕なしでも大丈夫だろうか。

◆電話機のプッシュ音で音楽を奏でるムービー(GIGAZINE)
 努力は認めるけど…。


 では、カンサス紙ジャケ化を記念して「帰らざる航海」

Let It Be

2008年08月04日 | 音楽関連ニュース
 カンサスの紙ジャケ化が決まったようです。9/24発売予定。

◆巨星、堕つ!追悼 赤塚不二夫先生 (ディスクユニオン)
 ナイスな写真。R.I.P

◆つじあやの新作でm-flo、嵐を大胆ウクレレカバー(ナタリー)
 「COVER GIRL 2」かあ…。安易な二番煎じにならないよう、がんばってほしい。買うから。
 
◆ニュー・オーダーの作品群がコレクターズ・エディション化!リマスター+レア・ディスク付き(CDJournal.com)
 ボーナスディスクのトラックリストあり。

◆UKメディアで最もプレイされた曲トップ10は?(doops!)
 うちにひとつもCDなかった。

◆UKチャート、アバがトップに(BARKS)
 今何世紀だっけ?

◆クラッシュ全盛期のライヴアルバム、発掘リリース(UNCUT)
 '82年にザ・フーのフェアウェルツアー前座をつとめたときの音源だそう。発売は10/6を予定。同じ日に、リリースが既にアナウンスされていた未発表ライヴ集DVD('82年中野サンプラザ公演映像を含む)も発売。

◆「レット・イット・ビー」DVDはリリースされる……いつか(UNDERCOVER)
 そりゃそうだろよ。なんかよくわからない記事だけど、どうやらポールとリンゴがDVDのリリースを拒否しているという報道への反論らしい。
 

 つーことで映画「レット・イット・ビー」から「トゥ・オブ・アス」を。
 ちなみに、YouTubeには映画全編もアップされておりますね。

Bathtub Man

2008年08月03日 | ザッパ関連
  
○Frank Zappa「One Shot Deal」(2008)
 煽るだけ煽っておいて、感想を書いてませんでした。申し訳ない。

 一言でいうと「物足りない」。
 アルバム単体としては、よくできていると思います。でも、使われている音源が中途半端。ハイライトが'81年ハロウィン「イリノイの浣腸強盗」と、'73年シドニー(ロキシーバンドによるスタジオ初期テイクという情報は誤り)での「イエロー・スノウ」メドレーだけでは…。

 たとえば、この間紹介したMuxtapeで使われているような音源が入っていれば、もっと満足度は高かったと思うんだけど。

 まあでもそう言いきってしまうのも贅沢かなあ。70年代の音源を中心に編集されているのはありがたいし、「Bathtub Man」など、楽しませてくれるテイクがいくつかあるのも確かなんだから。
 ZappateersとかEzTorrentとかで音源を漁りすぎて、不感症になってしまっているのかもしれませんね。まだまだ出すべき音源あるだろよ、と思ってしまうので。  

 蛇足ですが、曲目クレジットが非常に見づらいデザインになってます。そんなとこで意地悪せんでもいいでしょ(被害妄想気味)。


 1973年12月ロキシーでの「モンタナ」。そういやこのビデオも、出す出すといいながらちっともリリースされんな。

Won’t Get Fooled Again

2008年08月02日 | 歌詞・訳詞
俺たちは街頭で戦う 子どもたちを足元に置いて
やつらが崇めていたモラルは 消え去るだろう
煽動者たちは 反対派を裁判にかけ
判決を下すとすぐに ショットガンが火を吹く

新体制ってやつには 敬意を払うよ
新しい革命ってのにも 礼を尽くすさ
あたりの変化にも 微笑んでみせるよ
ギターをとって 弾きはじめよう
昨日とまったく同じように
そしてひざまずいて 祈るんだ
もう二度と騙されはしないぜって

この変革は 来るべきもの
そんなことは みんなわかってる
俺たちは束縛から解きはなたれたんだ それだけのこと
そして 世界の様子は以前と同じ
歴史は変わってないんだ
だって 次の戦争でも あの旗は揚げられるのだから

新体制ってやつには 敬意を払うよ
新しい革命ってのにも 礼を尽くすさ
あたりの変化にも 微笑んでみせる
ギターをとって 弾きはじめよう
昨日とまったく同じように
そしてひざまずいて 祈るんだ
もう二度と騙されはしないぜって

俺は家族を連れて 逃げるよ
幸運にも 生き残ってさえいればね
あり金を集めて 青空に笑ってみせる
催眠術をかけられた人間が 嘘をつけないことくらいわかってるけど
そうだろ?

通りには なにもありゃしない
何が変わったのか 俺にはわからない
掲げられたスローガンが 取り替えられただけのこと
進歩派を名乗っていたやつらは 今や保守派になってる
そして一晩で ヒゲはのび放題だ

新体制ってやつには 敬意を払うよ
新しい革命ってのにも 礼を尽くすさ
あたりの変化にも 微笑んでみせる
ギターをとって弾きはじめよう
昨日とまったく同じように
そしてひざまずいて 祈るんだ
もう二度と騙されはしないぜって

新しいボスに会ってこいよ
前とたいして変わらないボスに

- The Who「Won't Get Fooled Again」(1971)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 内閣改造に寄せて(ウソ。でも半分はホント)

 アルバム「フーズ・ネクスト」のラストを飾るナンバー。
 ピート・タウンゼントが抱いている世界観・社会観がよく表れた詞だと思う。
 「無法の世界」という邦題は、ちょっとハズしているような気がするが。

 原詞はここを参照。

 映画「キッズ・アー・オールライト」における演奏。




JAPROCK

2008年08月01日 | 音楽関連ニュース
◆「ジャップロック サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-」 (amazon.co.jp)
 ジュリアン・コープが書いた日本ロック黎明期の研究本、翻訳されたんですね。このあたりのバンドには疎くて、外道と村八分くらいしか聴いたことがないんだけど、これはちょっと読んでみたい。

◆New Order コレクターズ・エディション(HMV Japan)
 おお。やっとアルバム単位でリマスター化されると。ディスク2の詳細を早く知りたいなあ。

◆Oasis ニュー・シングルの一部をYouTubeで公開!(vibe-net)
 これ。歴代名曲と並べるとは、それだけ自信があるということか。確かにこれだけ聞く分には悪くないが。

◆約30分に渡るTHE BEATLESの未発表音源が発掘される、8月にはオークションに出品される予定(bounce.com)
 元ネタ記事はこれかな。かつて音楽業界で働いていた父親の遺品の中から見つかったテープだとのこと。音源の中には「Don't Put Me Down Like This」という曲のカヴァーもあるらしいが……半信半疑。  

◆スミザリーンズのビートルズ・カヴァー集第2弾!「ラヴ・ミー・ドゥ」のドラマー、アンディ・ホワイトも参加(CDJournal.com)
 今度はシングルB面曲がメイン。あの粘っこいヴォーカルは好き嫌いが分かれると思う。
 
◆スパークス 語る(CDJournal.com)
 あ。新作まだ聴いてないや。

◆トッド・ラングレン、4年ぶりのソロ・アルバムを発表(CDJournal.com)
 新曲「MAD」、けっこういいやんか。
 
◆ボブ・ディランのブートレッグ・シリーズ第8弾!未発表音源の無料DL配信も実施中(CDJournal.com)
 ブートレッグ・シリーズもついに80年代以降に突入、と。 

◆続々と登場するDS-10メインの楽曲から、超変化球のタイトル2つ (やじうまWatch)
 ははははははは。子泣き爺とお風呂で石鹸踏まない。 


 ではジャップのロックってことで、外道「香り」をどうぞ。