音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

’Til I Die

2007年09月21日 | 歌詞・訳詞
僕は 大海原に浮かぶコルク 荒れ狂う波に 漂っている
この海は どれだけ深いのか? この海は どれだけ深いのか?
進む道を 見失ってしまった

僕は 崩れた山の岩 斜面を 転がり落ちていく
この谷は どれだけ深いのか? この谷は どれだけ深いのか?
僕の魂が 死んでいく

僕は 強風の中の一葉 すぐにどこかへ 吹き飛ばされてしまう
この風は いつまで続くのか? この風は いつまで続くのか?

死ぬまで 続く こんなことが
いつまでも終わらない 自分が死ぬまで 終わらない

- The Beach Boys「'Til I Die」(1971)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 アルバム「Surf's Up」に収録されている曲。当時絶不調で、「死」にとりつかれていたというブライアン・ウィルソンが、その心境をそのまま吐露した詞らしい。(参考資料
 
 まあ、ほんとにただのつぶやきのような歌詞だ。起承転結でいえば「起」と「結」しかない。詞としてはあまり上等な出来とはいえないだろう。
 
 でも美しいメロディーやコーラスワークとあいまって、妙に聴く人の胸をうつんだよね。それはたぶん、なんの飾りもないストレートな言葉が連なっているからだと思う。
 
 個人的にはいま特に沁みますね、この曲はね。骨の髄まで、ね。
  
 原詞はここ

  

Silently

2007年09月20日 | CDの感想
  
○Blonde Redhead「23」(2007)
 日本人女性1名+イタリア人双子兄弟によるユニット。
 それなりに活動歴の長いグループのようだが、僕はいままで聴いたことがなかった。
 
 でも、「S-killz to pay the .¥」の9/11付エントリ「駄目PV100選 5」を読んで気になってMySpaceで試聴してみたら、あっという間にやられてしまったと。

 印象を述べるならば。耽美。退嬰。混沌。飛翔と下降。メランコリー。ノイズ。ポップ。フレンチ。審美的な歪み。音楽にそぐわない奇妙なジャケ。
 といったところか。少々鼻につくところもないではないが、基本的には好きなタイプのサウンド。

 試聴はここで。

 「23」PV。アルバムの中でこの曲がいちばん好きかな。
  

I like London in the rain

2007年09月19日 | CDの感想
  
○「music diary - september - travel」(2007)
 あいかわらずひっそりとリリースされ続けている「ミュージック・ダイアリー」シリーズ。9月は「旅」がテーマ。

 CDのタスキには「70年代のシンガー・ソング・ライターたちの『名盤』と呼ばれる作品を中心に小野郁夫さんが選曲しました。」とあるけれど、これがなかなかくせものの選曲。なんといっても1曲目がヴェルヴェッツ、しかもモーリン・タッカーがリードヴォーカルをとる「アフター・アワーズ」なんだから。

 それ以外にも、ニック・デカロやブロッサム・ディアリーが収録されていたり、ラリー・カールトンのヴォーカル曲があったり、デヴィッド・グリスマンによるインスト曲がさりげなくはさまっていたりで、「これシンガーソングライター集ちゃうやろ!」という内容になっているところが楽しい。
 しかもそれでいて、全体を通して聴くと実に気持ちが良いという…。
 カエターノ・ヴェローゾやニック・ドレイクが収録されているのも好みですね。
 
 全トラックリストは以下の通り。

01. After Hours / The Velvet Underground
02. Rodeo / Livingston Taylor
03. Stay / Severin Browne
04. Devlin' / David Grisman
05. Oh My Darling / Lambert & Nuttycombe
06. Happy In Hollywood / David Batteau
07. Hey Hey Hey, She's O.K. / Alzo & Udine
08. And You Never Knew / Howdy Moon
09. Easy Evil / Larry Carlton
10. While The City Sleeps / Nick DeCaro
11. Ask Me Now / Ben Sidran
12. London, London / Caetano Veloso
13. Little Italy / Stephen Bishop
14. I Like London In The Rain / Blossom Dearie
15. Pink Moon / Nick Drake
16. Second Story Window / Marc Benno
17. Long Hard Climb / Ron Davies
18. The Drifter / Pisano & Ruff

Pretty Hate Machine

2007年09月18日 | 音楽関連ニュース
    
◆NINE INCH NAILSのTRENT REZNORが、ファンに対して自身のCDを盗むよう提言
 トレント・レズナーですら自分の作品の値段を決めることができない、と。

◆THE SEX PISTOLSが11月にロンドンで1回限りのお祭りライヴ
 前にも同じようなことさんざんやってましたがな。

◆ツェッペリン秘話、13年かけて到着した伝書鳩!?
 インタビューアがからかわれただけの話とちゃいますのん。

◆原田知世、デビュー25周年記念作を発表!「時をかける少女」のセルフ・カヴァーも
 これは買うかも。それにしても25周年……(遠い目) 

Happiness

2007年09月18日 | 歌詞・訳詞
「幸福」ってのは過大評価されすぎてる
いつも ひどい気分にさせられるよ
あんなものは 人為的にふくらまされているだけ
彼女は浮気娘 いつもぼくをひどく怒らせる
「幸福」なんてのはただの夢 そんなものありゃしないんだ

「幸福」はぼくの心をばらばらにした
でも君は そのかけらをぜんぶ受け止めてくれたね
もうこれで すべてだと思ったけれど
君の愛は もっと深いものだった
たとえぼくの人生が めちゃくちゃだとしても
君のことを愛してる 「幸福」よりもずっと

でもそのことに気づく前に 二人の関係はもう終わってしまっていた
さよならのキスもなしに
ハート型のキャンディやバラは もういらない
胸から払い落とさなきゃ もう「幸福」とは手を切ったんだから

なぜこんなに頭から離れないんだ? なんの印象もなかったのに
この「幸福」のおかげで 打ちのめされてるよ

- Eleventyseven「Happiness」(2007)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 古い曲ばかり訳しているので、たまには新しい曲を。この日記でもとりあげたイレヴンティセヴン「Galactic Conquest」から。

 恋愛がうまくいかないことで世を拗ね、自暴自棄になり、そのくせ「幸福になりたい」という思いを捨て切れずにいる、若者らしいじたばた具合がよく現われている詞だと思う。

 で、おっさんの俺がそんなものに共感してていいのか。
 
 原詞はここ

  

ポリリズム

2007年09月17日 | CDの感想
  
◆Perfume「ポリリズム」(初回限定盤)(CD+DVD)(2007)
 オリコンデイリーランキング4位だそうで。まずはめでたい。

 でも、正直言って「ポリリズム」って曲、あまり好きになれないのです。最初にあったサビを強引にふくらませた感じの楽曲で。そのふくらませ方は、かなり野心的なものだとは思うけど。

 これでブレイクしちゃって、代表曲がこの曲になっちゃったりするのはちょっと勘弁してほしいなあ、というのが個人的感想。PVもいまいち地味でおもしろみに欠けるし。「エレクトロ・ワールド」や「チョコレイト・ディスコ」でブレイク!っていうのなら、諸手を挙げて喝采を送るんだが。

 しかしその不満をおぎなってあまりあるのが、カップリング曲「SEVENTH HEAVEN」。これはいい。ほんとにいい。意表をついたピアノによるイントロ、最初の声が入ってくるときのインパクト、全体にただよう透明なせつなさ。ただただ素晴らしい。

 こういう驚きがあるかぎり、僕はまだPerfumeを聴き続けると思う。
 
「どれだけ キミのこと 想い続けたら/やわらかい 言葉じゃなくて キミに届く/もしもね この願いがちゃんと叶うなら/はじけて 消えてもいいよ」("SEVENTH HEAVEN")

 ちなみに「Seventh Heaven」ってのは、もともとユダヤ教とかキリスト教とかでいう「最上天」(神と天使がいる場所)のことですね。転じて「至福」「最高の幸せ」という意味で使われるようになったと。(参考資料

I’m not there

2007年09月16日 | 音楽関連ニュース
◆ボブ・ディランは "女" だった(what's my scene? ver.7.2)
 女優ケイト・ブランシェットが演じるボブ・ディラン。
 この映画「I'm Not There」(トッド・ヘインズ監督作品)は、ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞と優秀女優賞を受賞したらしい
 いったいどんな映画なのか?という疑問に答えてくれる記事はこれ

 予告編。He is everyone.He is no one.
  
 ボブ・ディランという人が、かの国でどれだけ重要視され、巨大な文化的アイコンとなっているかが垣間見えるよう。この国ではあまり実感できないけど。

◆英国ロック界デザイナー・シリーズ第3弾・キーフとは?(CDJournal.com)
 見事な統一感。好きなジャケット多いなあ。

◆60'sライクなガールズ・バンド、ザ・ピペッツのデビュー・アルバムが国内盤で登場(ディスクユニオン)
 新曲2曲を含むボーナストラック3曲に、PVも2曲収録されるらしい。米盤のジャケもなかなかいいね。

◆大人気!マイルス オン・ザ・コーナーBox(HMV Japan)
 欲しい?

Here ( in your arms )

2007年09月16日 | CDの感想
  
○Hellogoodbye「Zombies! Aliens! Vampires! Dinosaurs!」(2006)
 「チョコミントモカ2.0」でイレヴンティセヴンが紹介されていた時に引き合いに出されていたバンド、ハローグッバイ。気になったので去年出たアルバムを聴いてみた。

 おおなるほど、これはイレヴンティセヴンに似てるな。ポップパンク/パワーポップをベースに、エレクトロ風味を大胆に導入してナイスメロディを聴かせるというスタイル。こっちの方がいくぶん内省的な印象を受けはするけれど。

 あ、時系列的にいうとイレヴンティセヴンの方が後発なんだから「イレヴンティがハローグッバイに似ている」というべきか。

 いずれにしろ気に入って繰り返し聴いてる。ここ一週間ほどは、出勤時にイレヴンティ聴いてテンションあげて、退勤時にハローグッバイ聴いてクールダウンするという感じ。

 試聴はここで。

 PVも貼っとくか。「Here (in your arms)」。ナードの夢。
  

 誰が作ったのか知らないけど、この曲にはゲイVer.の映像がある。これ
 実は最初にこっちを見ちゃったんだよね……というわけで、この曲に関して僕の頭の中では、こういうイメージがべったりと。はは。それにしてもよくできてる。

Walls and Bridges

2007年09月15日 | 音楽関連ニュース
     
◆ジョン・レノン紙ジャケ・コレクション(HMV Japan)
 紙ジャケ化されるのはとりあえず嬉しいんだけどさ、「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」はオリジナルのままの音源で出してくれないと意味ないよ。
 現行CDのどこがどう駄目なのかについては、旧日記過去ログをどうぞ。

◆ファースト・バーバリアンズ『ライヴ・フロム・キルバーン』DVDについてのお知らせ
 9/12のエントリで取り上げたバーバリアンズCD+DVDについて、日本発売元のMSIから以下のメールが届いた。
お世話になっております。

弊社11月10日発売予定のファースト・バーバリアンズ『ライヴ・フロム・キルバーン』(MSIG 0421/2)のDVDのサンプルをチェックしましたところ、非常に画質が悪いことが判明いたしました。
具体的には
1)途中で映像が乱れる部分が多数存在する。
2)画像が白黒になったりカラーになったりして安定していない。
3)マスターの劣化による色の滲みが顕著である。
などの点があります。
発売元であるロニー・ウッド自身の会社、ウッデン・レコーズに問い合わせたところ、ロニー・ウッドの息子、ジェシー・ウッドから、この映像のマスターが見つからないためロニー・ウッド自身が所有していたビデオ・テープをマスターとして使用しているので画質が悪いのだが、映像の歴史的価値を考えてこのリリースを決定したとの回答がありました。
弊社としても日本での発売を断念も考えましたが、彼らの意思を尊重して発売することにいたしました。
したがいまして、ご購入に際しては以上のことを念頭に入れてご検討をされる事と、画質が悪い旨、予め御了承していただきたく思います。

今後とも宜しくお願いいたします。

MSI/ミュージック・シーン株式会社
〒161-0034 東京都新宿区上落合 1-29-13 NBEビル3F
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発信者:MSI(Music Scene Inc.)
    ミュージック・シーン株式会社

ブートビデオ並か…。