○オアシス「ディグ・アウト・ユア・ソウル」(CD+DVD)(2008)
オアシスを語る時、「今のオアシスに期待なんてしてないけど、どうしても新譜が出ると聴いちゃうんだよねー」といったような、過去の自分に自虐的になりつつも「そんなオアシスが今でも好きな『自分』が好き」みたいな匂いを漂わせる言い方に、いい加減うんざりしてきた今日この頃ですが、もちろん私もそのひとりです。 -「nettyu」2008年10月10日分より引用 |
ははははは。思わず笑ってしまいましたが、俺も間違いなくそのひとりです。
ついでにいうと、「スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ」(2000)以降のアルバムはさっぱり頭の中に残っていなくて、新譜が出るたびに「あれ?前のアルバムとか前の前のアルバムってどんなんだったっけ」と聞きなおすのが儀式のようになっております。リリース当時はそれなりに誉めたりしてたくせに。責任とれよ俺。
さて、今回の作品、アキウさんもおっしゃるとおり、3曲目まではものすごくいいんですよ。日本盤帯に「作りたかったのは『聴く』音楽ではなくて、『体感』できる音楽だった」というノエルのコメントが掲載されていますが、なるほどこういうことかと納得しそうになりました。
しかし先行シングルである4曲目になると、急にグルーヴが薄くなっちゃってあれれ、次のリアム作のバラードで少し持ち直すものの、そのあとは一進一退。終わりの方でまとめてやってくる、ゲムおよびアンディ・ベルが各々書いた曲にとどめをさされます。
ゲムの曲なんて、ベースのリフが「タックスマン」で、シタールがびよんびよんなってますが、かっこだけ「リボルバー」してもしょうがなかろう、と思ってしまうのでした。アンディ・ベルの曲もどこがよくて収録したのかさっぱりわからない。リアムの歌い方だけでなんとかもっているような曲で。印税配分の関係ですか?
なお、おまけDVDに収録されたアルバムのメイキング映像はくせものです。
収録曲について、曲順どおりにメンバーが解説してゆくのですが、チラリと流れる各曲のさわりが、なぜかアルバム本編で聴くよりずっとかっこよく、魅力的に聞こえるのです。これだけ聴く(見る)と、思わず名盤誕生!と勘違いしそうになります。(いやむしろそう勘違いできたらどれほど幸せだったか…)
収録曲から1曲といわれればこれ↓かな。ラストのリフは「ディア・プルーデンス」だよね?
▼OASIS - The Turning
けっこうキツめの感想を書きはしましたが、オアシスだからこそ、そう書いてしまうというところもありますね。期待の裏返しというか。
聴いてもまったくピンとこないアルバムも多い中、一瞬でも自分の血を燃え立たせてくれたことには感謝してます。まだまだがんばってほしいというのも本音です。
ちなみに前のアルバム、ひさびさに聞き返してみたらけっこう今も好きでした。当時、各音楽サイトでは評価ズダボロでしたが、感じ方は人それぞれですよね。
今作について批判的な文章になってしまったのも、これまで雰囲気だけで適当に聴いてた分の自戒をこめて、という感じだったので、取り上げていただいて嬉しく思いました。リンクから大勢いらっしゃってるみたいで、ちょっとビビりましたが(笑)。
ますます求めるオアシスとかけ離れては行きますが、サウンドは心地よいですね。
思わずぽんとひざを打ってしまうレビューを書いておられたので、引用してしまいました。ありがとうございました。
前作については当時支持派だったのですが、今回聞き直したら、そのときとは違う印象を持ちつつもやっぱり好きでした。時間がたってみないとわからないことってありますね。
名声にあぐらをかかず、いまだにいろいろと試行錯誤しているのは、素直に偉いなあと思います。
>(=゜ω゜)ノぃょぅRさん
もうひと花咲かせてほしいですよね。
「こんなの俺が求めるオアシスとは違う!でもすげーいい」みたいな作品を今後も期待します。