音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Lips That Would Kiss

2008年10月07日 | CDの感想
   
○「オトゥール・レーベルズ: レ・ディスク・デュ・クレプスキュール」(2008)
○「オトゥール・レーベルズ: ファクトリー・ベネルクス」(2008)
 クレプスキュールやファクトリー・ベネルクス音源の再発を続けているLTMによる新編集盤。僕が入手したのは、輸入盤にディスクユニオンが帯と解説を付けて販売しているもの。

 パンクの嵐が去ったあとの寂寥感とシニシズムに、モノトーンのロマンティシズムがブレンドされた匂い。多くの曲に通底する仄暗さ。
 聴いていると、強い郷愁をおぼえると同時に、なんだかほっとしてしまう。おかしいな。そんな種類の音楽ではないはずなのに。

 すべての曲が名曲というわけでもなく、今の耳で聞くと、いささか単調だったり、無駄に長かったり、深みに欠けたりするものもあるのだけど、自分にとってはいまだに必要な音楽だ。たぶんこの手の音からは一生逃れられないんだろうね。

 以下にトラックリストを記載しておく。

◆Auteur Labels: Les Disques Du Crepuscule 1980-1985
01. MICHAEL NYMAN / Mozart
02. MARINE / Life In Reverse
03. THICK PIGEON / Subway
04. JOSEF K / Sorry For Laughing
05. REPETITION / A Still Reflex
06. BILL NELSON / Dada Guitare
07. PAUL HAIG / Running Away
08. TUXEDOMOON / Ninotchka
09. IKE YARD / Night After Night
10. DURUTTI COLUMN / Party
11. THE NAMES / Life By The Sea
12. STEVEN BROWN / Waltz
13. RICHARD JOBSON / Autumn
14. THE FRENCH IMPRESSIONISTS / Pick Up The Rhythm
15. ISOLATION WARD / Lamina Christus
16. ANTENA / Camino Del Sol
17. THE PALE FOUNTAINS / (There Is Always) Something On My Mind
18. MIKADO / Par Hasard
19. ANNA DOMINO / Land Of My Dreams
20. BLAINE L. REININGER / Mystery And Confusion
21. DEVINE & STATTON / Bizarre Love Triangle

◆Auteur Labels: Factory Benelux 1980-1985
01. THE DURUTTI COLUMN / Lips That Would Kiss
02. SECTION 25 / Je Veux Ton Amour
03. THE NAMES / Calcutta
04. MINNY POPS / Time
05. CRISPY AMBULANCE / The Presence
06. CRAWLING CHAOS / Breaking Down
07. STOCKHOLM MONSTERS / Miss Moonlight
08. THE WAKE / Something Outside
09. LIFE / Dites-Moi
10. SWAMP CHILDREN / You've Got Me Beat
11. QUANDO QUANGO / Love Tempo
12. NYAM NYAM / Fate/Hate
13. SIMON TOPPING / Prospect Park

 収録曲の中からこのナンバーを。ドゥルッティ・コラム「Lips That Would Kiss」。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この手の音 (spondee)
2008-10-07 18:24:28
>自分にとってはいまだに必要な音楽だ。たぶんこの手の音からは一生逃れられないんだろうね。

まさに、僕も同じです。大学生の時に、いわゆるパンクに飽き始めたときに、クレプスキュールは「これだって、というか、これこそパンクだ!」的な存在感がありました。バカみたいに毎日聴いていましたね。

この手の音・・・まさにPalm Of My Hand。
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Palm Of My Hand (Andy@音楽観察者)
2008-10-07 21:58:38
賛同していただけてマジで嬉しいです。

リアルタイムで聴いてきたもの、自分がいた時代の空気の中で鳴っていたものは、自分の体の一部になってしまっているんでしょうね、やっぱり。良し悪しは別として。
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空気 (タイコウチ)
2008-10-07 23:21:06
私も大学の頃に聴いていたクレプスキュールものは、住んでいた部屋の空気感とともに、からだにしみついているようです。特定のミュージシャンに入れこんで、アルバムを集めるなんて聴き方ではなかったけれど(The Pale Fountainsくらいかなあ)、あったがままに肯定したい音楽体験ですね。
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おお、 (Andy@音楽観察者)
2008-10-07 23:44:00
タイコウチさんもそうでしたか。

たしかにクレプスキュールやファクトリー・ベネルクスには、個々のアーティストを聴くというよりレーベルを聴く、という感覚で接していたように思います。
それがまた「空気感」として記憶されるのかもしれませんね。
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