音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Paint It, Black

2008年04月23日 | 歌詞・訳詞
赤い扉を見ると 黒く塗ってしまいたくなる
どんな色もすべて 黒に変えてしまいたい
女たちが 夏服に身を包んで通り過ぎていく
俺は顔をそむける 心の闇が消えてなくなるまでは

列をなして走っていくクルマは みんな黒に塗られている
花も 俺の恋人も もう二度と戻ってはこない
俺を見るなり みんな目をそらしてしまう
赤ん坊が生まれるのと同じように こんなことは毎日起きているんだ

自分自身を見つめてみる 俺の心は真っ黒だ
俺の部屋の赤い扉は もうすでに黒く塗られている
俺は この世から消えてしまうかもしれない
そうすれば現実を見なくてもいいから
自分の世界が真っ黒なとき それに向かいあうのは簡単なことじゃない

海の色は もうこれ以上深くなることはない
こんなことがおまえに起きるとは 想像したこともなかった
沈みゆく陽を 俺がじっと見つめていたら
俺の愛する人は 朝がくる前に 俺と一緒に笑ってくれるだろう

赤い扉を見ると 黒く塗ってしまいたくなる
どんな色もすべて 黒に変えてしまいたい
女たちが 夏服に身を包んで通り過ぎていく
俺は顔をそむける 心の闇が消えてなくなるまでは

黒く塗りたい 塗りつぶしたい
夜のように黒く 炭のように黒く
太陽が空から消えてなくなるのを見たいんだ
黒く塗りたい 塗りつぶしたい

- The Rolling Stones「Paint It, Black」(1966)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 ストーンズの新しいライヴアルバムを聴いていたら、この曲を訳してみたくなった。
 でも誤解していたな。
 社会に対して不満と反感を抱いている男が、「なんでも黒く塗りつぶしてしまえ!」と攻撃的に歌っている内容だと思っていたのだ、これまでずっと。
 大切な人を亡くした男が、深い悲しみの中で呻いている曲だったとは。

 原詞はここを参照。

 1966年エド・サリバン・ショー映像。