音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Walking on a Wire

2007年09月07日 | 歌詞・訳詞
私はあなたに すべてをあずけた
でもあなたは いつもの決まり文句を返すだけ
私は綱渡りをしている 綱渡りをしている
そして落ちていく

今夜あなたを喜ばせてあげたいと思うけれど
私の薬はうまく効かないみたいね
私は綱渡りをしている 綱渡りをしている
そして落ちていく

あまりに多くの 踏まねばならない手順
あまりに多くの 解かねばならない呪縛
あまりに多くの 眠れない夜
ほかでもないあなたが
砥石が刃物を削るように 私を消耗させていく
あなたの爪が私を引き裂く
いつまでも私を利用し続けないで
私にとっては 長すぎる時間なの

正しいことや まともなものはどこにあるの?
すべての苦痛はこちらがわにあるというのに
私は綱渡りをしている 綱渡りをしている
そして落ちていく

あまりに多くの 踏まねばならない手順
あまりに多くの 解かねばならない呪縛
あまりに多くの 眠れない夜
ほかでもないあなたが
砥石が刃物を削るように 私を消耗させていく
あなたの爪が私を引き裂く
いつまでも私を利用し続けないで
私にとっては 長すぎる時間なの

風がどちらへ吹くのかすらわからないのは
とても恐ろしいことでしょう
私は綱渡りをしている 綱渡りをしている
そして落ちていく

私は綱渡りをしている 綱渡りをしている
そして落ちていく

- Richard & Linda Thompson「Walking on a Wire」(1982)
   (Translated by Andy@音楽観察者)

 もう1曲、リチャード&リンダ・トンプソンのアルバム「Shoot Out The Lights」から。

 このアルバムは、リチャード&リンダの夫婦関係が破綻しつつある時期に作られたものだが(実際、デュオとしてのアルバムはこれが最後となり、二人は離婚する)、この曲もそんな状況を直接的に連想させる内容になっている。

 リードヴォーカルをとるのはリンダであり、詞も女性の視点で描かれているように思える。しかし実際に詞を書いているのは夫リチャード・トンプソンだ。
 壊れつつある夫婦関係における妻の気持ちを吐露する詞を夫が書き、そしてそれを妻に歌わせる。この自虐的にも思えるねじれ具合がなんともたまらないですね。

 原詞はここ

 1982年5月、アルバムリリース直後の映像。この曲を二人並んでライヴでやるってのも…。