ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

里山の

2016-12-11 04:41:16 | 







里山の 紅葉すたれて 冬来る     夢詩香






*今日は軽く、情景描写の練習といきましょう。

俳句は17文字の芸術ですから、一つの言葉で大づかみに痛い表現ができなくてはなりません。

それにはいろんな動詞を知っている方がいい。

里山の紅葉がそろそろ終わってきている、という季節の動きを短い言葉で表そうとすれば、どういう言葉がいいかと考える時、「すたる」という言葉を思いついたのです。

前に「夏去りぬ」の句では、「おとろふ」という言葉を使いましたが、似ていますね。どちらも、何かが小さくなっていくという動きだ。こういう響きの似ている言葉は、感覚としてとらえておいたほうがいい。

そうすると、状況の描写を的確にすることができます。

この句では三文字の動詞がいいので、「すたる」にしましたが、四文字でいいのなら「おとろふ」を、二文字しか余裕がないのなら、「退く」や「褪す」などを使ったでしょうね。「里山の紅葉は退きて冬来る」にすることもできますが、「すたる」のほうが感覚的にぴったりするのでそっちにしました。「ほろぶ」もありますが、それだと少々きつくなる。

いろいろな人の句や歌を読んでみると、漢語を多用している人が多いですね。それもいいですが、和語のほうが面白味があってよい。漢語は意味が強く、限定的になる。含めることのできる意味が狭い。句や歌を深めるためには、和語のやわらかで広やかな響きが良い。

小さくなっていくという動詞のほかにも、感覚的に、大きくなっていくという感じの動詞も集めてみましょう。

「上がる」、「満つ」、「ふくる」、「ひろぐ」、いろいろとあります。「高まる」もありますね。

「ちごもずの声高まりて夏来る」などという詠み方もできますね。ちごもずは夏鳥です。

感覚的につかんでおいて、文字数に応じて使い分けると、おもしろい表現ができます。

こういう基礎的訓練は大事です。







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