Wind Socks

気軽に発信します。

読書「訣別The Wrong Side of Goodbye」マイクル・コナリー 2019年7月刊

2020-08-04 09:33:24 | 映画
 ハリー・ボッシュ。元ロサンゼルス市警刑事、現在サンフェルナンド市警で無給の嘱託刑事として出勤自由という気楽に見える勤務態様を受け入れ、別途私立探偵としての収入を確保している。

 今は独り身で「マディ」という大学生の娘がいる。「網戸切り」と呼ばれる性的暴行事件を追う傍ら、富豪のホイットニー・ヴァンスから、ヴァンスの青春時代にメキシコ系の女性と愛し合ったが、その女性を探し出して欲しいという依頼も受けていた。
 
 ボッシュが一番気にかけているのは、「網戸切り」という網戸をナイフで切って部屋に侵入してレイプする事件。なぜなら娘のマディが一軒家を同級生数人でシェアしているからだ。犬用の水飲み皿を置いて偽装するくらい心配している。

 そんな状況の中、どこにでもある組織内の人間関係が絡み、ときには腹を立て、時には失望しながらも富豪ヴァンスの相続人を見つけ出す。 が、ヴァンスの死が伝えられ事件性を帯びた様相を見せ始める。

 一方、レイプ事件捜査のパートナー、ラテン系の女性刑事が行方不明になる。

 ロサンゼルスを舞台にマイクル・コナリーお得意のまるで観光案内のように、街の風景を描写しながら余情のあるエンディングに向かう。

 マイクル・コナリーの作品を読む楽しみは、物語の展開もさることながら、ボッシュのジャズ好きの曲やプレイヤーの記述、実在する店の紹介などにもある。「バーバンクのマグノリア出口を降りて、〈ジャメラ〉でサブマリン・サンドイッチを購入した」とあって、ここも実在するのだろう。しかも美味しいサンドイッチ。

 今回は、スマホに入れてある着信音に娘マディが好むロック・グループの曲になっている。それは、デス・キャブ・フォー・キューティ(Death Cab for Cutie)の「ブラック・サン」だ。

 1998年にデビュー・アルバムを発表した デス・キャブ・フォー・キューティは、アグレッシブなメロディと叙情的な歌声と切なく儚げなギターサウンドが特徴とウィキメディアにある。

 それと、妻を亡くして独身生活を送るボッシュに、素敵な女性が現れないかと秘かに期待している。マイクル・コナリーは、どうするかな!

それでは、デス・キャブ・フォー・キューティの「ブラック・サン」をどうぞ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする