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映画「イーストサイド・寿司」インデペンデント映画 2014年制作

2019-09-22 16:06:44 | 政治
                     
 カリフォルニア州オークランドでメキシコ系のシングルマザー、フォアナ(ダイアナ・エリザベス・トレス)は、フルーツの屋台の収入と中古店で働く父親の給料で一人娘を養っている。売りもののフルーツの仕入れが早朝のため、眠ったままの娘を抱きかかえ車の中に寝かせて、仕入れが終われば娘を学校に届ける。

 そのあとは、フルーツを食べやすい大きさに切ってプラスチックの容器に入れる。日中は屋台でそれを売る。フォアナは、こういう生活にいつ見切りをつけるかと悩んでいる。父親は新しいものに挑戦する意欲はとっくに失われ、屋台にこだわっている。

 そんな時、白昼二人組の男に現金を強奪される。いよいよ転職の時期と思ったフォアナは、職探しで街を歩き回る。ふと目にした求人広告が店先に貼られてあった。そこは日本料理の「オオサカ」という寿司店だった。

 フォアナはアルバイトで飲食店の経験があり、包丁の使い方も十分知っている。オーナーの奥さんの面接を経て、主に厨房で雑用をこなしているが、すし職人の寿司を作る手さばきをのれんの陰から観察するという熱心さ。家に帰っても練習の海苔巻きを家族にふるまう。まともに巻かれていない寿司ではあるが。

 しかし、それが徐々に上手になっていく。フォアナも寿司シェフになろうと心に決めている。そのフォアナをそれとなく応援するのが寿司シェフのアキ(竹内豊)。

  が、その前に立ちはだかるのがオーナー・シェフの吉田(大山ロージ)。昔気質の伝統を重んじる頑固な男。寿司シェフは男に限る。の信念はゆるぎない。ましてや外国人女性が。

 それでもめげないフォアナ。文化、人種、性別を天からの授かりものとして生まれた一人の人間が、どのようにそれぞれの壁を取り除きながら成功の笑みをもたらすのか。その壁を明示するとともに人間の相互理解が、いかに幸せを運んでくるかを映画は描く。

 ガツガツとした根性ものでなく、いわゆる日本の寿司そのものを取り入れながら、カリフォルニア・ロールのような創作寿司を日本人俳優とともに視覚を通じて想像の味覚にも迫るという意欲作。

 この映画は、監督のアンソニー・ルセロが自費で制作した自主制作映画。従って配給会社を見つけるのに苦労し、衛星・ケーブルテレビ局のHBOが放送権を獲得したのを始めソニーやサミュエル・ゴールドウィン・フィルムが続いた。しかし、映画情報サイト「allcinema」や「映画COM」などには詳しい情報はない。

 英語版のIMDb(Internet Movie Database)にはあるが監督や俳優の出自は載っていない。2017年5月12日にアメリカン・センター・Japan(南カリフォルニア大学と国務省が共同で運営)の「アメリカン・フィルム・ショーケース」で米国内外の賞を受賞した自主制作映画のイベントで紹介された。従ってアマゾン・プライムで観るしかない。
                      



                 
                 
監督
アンソニー・ルセロカリフォルニア州オークランド生まれ。「スター・ウォーズ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ハリー・ポッター」などの特殊効果を担当。

キャスト
ダイアナ・エリザベス・トレス出自未詳 

竹内豊
本人のブログには、6月生まれで岐阜県多治見市生まれとある。

大山ロージ
出自未詳ではあるが竹内豊のブログには、頑固な吉田を演じた大山について「実際の彼は大きな心を持った愉快なおじさんですが、この役では見事フォアナに負けない嫌われオーナーを熱演しています。そして彼は、五か国語を操る日系人です」とある。

コメント
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