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「バリー・シール/アメリカをはめた男」銃やコカインの密輸で一時は家に入らないくらいの札束にまみれた男

2018-03-10 15:28:45 | 映画

            
 これが実話ということで、こんな男もいるんだと感心しきり。バリー・シールをトム・クルーズが嬉々として演じているのが面白い。

 1970年代のバリー・シールは、航空会社TWAの腕利きのパイロットとして働いていた。夜間の自動操縦は退屈とばかり、手動に切り替えて急旋回や急降下をやって客室の酸素吸入器をすだれのようにぶら下がらせる。「乱気流に入りました」とアナウンスして平然としている。

 こんな男に目をつけたのがCIA(アメリカの中央情報局)。CIAのエージェント、モンティ・シェイファー(ドーナル・グリーソン)が「中米や近隣諸国に潜む武装組織の空中写真を撮ることだ」と言う。2000ドルと言う報酬で承諾。対象をハッキリと撮るには低空飛行しかない。低空飛行は、武装組織の銃撃にあう危険がある。それでもいい写真を届けるシール。

 そんなことをしているうちにパナマの独裁者ノリエガとCIAを仲介していた。その立場を利用してコロンビアの犯罪組織メデシン・カルテルのコカインをルイジアナ州に密輸する。その手法も場所を指定して空中投下で取締当局の目を逃れる。

 さらにニカラグアの親米反政府組織、コントラに武器を密輸する任務も請け負う。ところが、コントラが本気で政府を倒す気がないと確信したシールは、その武器をコロンビアの犯罪組織メデシン・カルテルに横流ししてさらに儲けていった。

 裏組織の取引は現ナマだから札束は家を覆い尽くした。銀行に預けたり、地中に埋めたり、倉庫を建てて納めたり、今のようにマネーロンダリングでケイマン諸島やスイス銀行という手がなかったのかも。

 しかし、いいことは長続きしない。暴走を続けるシールをCIAは見捨てて地元警察とDEA(麻薬取締局)とFBI(連邦捜査局)とATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)が逮捕するのを黙認した。逮捕されたシールには、ホワイトハウスが求めているニカラグアの左派武装勢力であるサンディニスタ民族解放戦線が麻薬の密輸に関与している証拠を求められ司法取引として釈放される。それはメデジン・カルテルを裏切ることになる。そうはいってもとる道は一つ。証拠を当局に渡し自由の身となった。

 モーテルを転々としながら、車に爆弾を仕掛けられていないかとエンジンをびくびくしながらかける。これがいつまで続くことやら。

 おおよそこんなストーリーを中年を過ぎたトム・クルーズが、まるで「トップ・ガン」のパイロット役のように楽しんでいる。それもそのはず、映像の飛行機エアロスターはトム・クルーズが操縦しているとのこと。観る私も楽しんだ。

 ちなみにこの映画、評論家の評判がよく製作費5千万ドル、興行収入1億8千万ドルで黒字。観て損は無いというところ。2017年制作 劇場公開2017年10月
  
監督
ダグ・リーマン1965年7月ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。製作総指揮が多い。ハリウッド映画では2004年「ボーン・スプレマシー」他。テレビ映画では「コバート・フェア」「SUITS/スーツ」など。

キャスト
トム・クルーズ1962年7月ニューヨーク州シラキュース生まれ。
ドーナル・グリーソン1983年5月アイルランド、ダブリン生まれ。
サラ・ライト1983年9月ケンタッキー州ルイズヴィル生まれ。
コメント
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