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遺伝する家族性アルツハイマー病「アリスのままで ’14」劇場公開2015年6月

2016-01-14 18:30:17 | 映画

             
 ネットで「家族性アルツハイマー病」として検索すると、20代後半から50代前半に起こる若年性アルツハイマー病があるが、そのうち遺伝によるものは家族性アルツハイマー病と呼ばれる。
 完治しない病気で進行を遅らせる薬物による対処療法しかない。予後は6年から10年といわれる。

 この病気にかかったのはコロンビア大学言語学教授のアリス・ハウランド博士(ジュリアン・ムーア)だ。夫ジョン(アレック・ボールドウィン)、長女アナ(ケイト・ボスワース)とその夫、長男トム(ハンター・パリッシュ)次女リディア(クリスティン・スチュワート)はオーデションで欠席。家族に囲まれたレストランで、50歳の誕生日を最高の幸せとともにワイン・グラスで乾杯。

 ところが講演会で「ほとんどの子供は4歳前に何の苦労もなく自然に母語を習得します。なぜそうなるのでしょう?……ここでは私の最新の研究をお話します。研究するほどアカデミズムの罠に陥り無意味な知識が増えるだけかも。しかし、幼児が最初の第一歩を踏み出す……(次の言葉が出てこない)……シャンパンがいけなかったわと冗談でつなぎ、“単語の集まり”への第一歩を観察することで記憶と思考の関係について極めて重要な情報が得られます」

 講演を終わってタクシーの中で“単語の集まり”が“語彙”だったわ。 と思い出す。別の日、いつもの道をジョギング中に迷って2時間もうろついた。こうなると単なる物忘れとは言えない。

 診断は家族性アルツハイマー病だった。アルツハイマー病の進行には初期、中期、末期があり映画は中期で終わっている。末期ともなると自発性が消失し日常生活を送ること自体が難しくなる。映画としては末期まではムリだろう。

 映画の中で時代だなあと感じたのは、アリスが病気の進行したアリスにメッセージを残す。yahooボックスのようなところへアップロードしておく。中期の段階でその動画を見る。

 元気なアリスが言う。「一人だと確認して寝室に行く。箪笥の一番上の引き出しに錠剤が入ったビンがある。それを全部飲むこと。そしてベッドに横たわる」自殺を画策している。(これは現実に使える)

 ところがいざ飲もうとしたとき、玄関で大きな声がした。びっくりして薬が全部床の落ちる。細かい配慮の行き届いた映画だった。

 それとメールの文章。Where are you? をWhere r u?と打っていた。どこの国でも同じだなあ。言葉の短縮。いずれにしても、映画からいろいろなことが分かるのも面白い。それにお涙頂戴映画でないのがいい。

 ジュリアン・ムーアは定評のある女優で、ようやくこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞した。
       
       
       
       

監督
リチャード・グラツァー1952年1月ニューヨーク市クイーンズ生まれ。2015年3月63歳で他界。こういう映画を作る人がと思うと惜しい気がする。

キャスト
ジュリアン・ムーア1960年12月ノース・キャロライナ州生まれ。
アレック・ボールドウィン1958年4月ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。
クリスティン・スチュワート1990年4月カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。
ケイト・ボスワース1983年1月カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。
ハンター・パリッシュ1987年5月ヴァージニア州リッチモンド生まれ。

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