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読書 スコット・トゥロー「極刑」

2006-07-08 13:58:28 | 読書
                        スコット・トゥロー
 究極の刑罰と言われる死刑執行を、2000年1月31日アメリカイリノイ州知事ジョージ・ライアンによって一時停止が宣言される。
死刑執行一時停止を宣言する際に、ライアン知事は「誤りに満ちている」と評した。その六週間後、イリノイ州の死刑制度改革に関して諮問委員会を設置、そのメンバーにスコット・トゥローが加わる。
 ライアン知事の言う「誤りに満ちている」点は、検察、警察の捜査、調査が十分でなく、被告人が無罪なのに死刑宣告されかねないというものだ。
 もともとスコット・トゥローは、死刑制度に対し不可知論者だった。しかし、この諮問委員会を通じて知りえた事実に驚き、現在の死刑制度を維持すべきか?の問いに「否」と答えることとなる。

 私は死刑制度賛成派に属すだろう。人の命を奪えば自分の命も奪われるのが当然というのがその根拠。死刑囚が自分の命惜しさに泣き言を言っているのを聞いたりすると腹立たしく感じる。
 トゥローもイリノイ州民が死刑制度を支持しているため、死刑制度そのものを廃止すべきとは言っていない。無実の人間の命を奪わない改革を提案した。
 日本でも冤罪事件があり、真剣な議論が必要だろう。この本を読んだあとは、短絡的に死刑だ!と判断できなくなりそうだ。
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