イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

塗り絵

2015年05月18日 | イコン
昨晩の情熱大陸、
山口晃さんが 衆生来迎図を描けなくて
苦しんでおられる姿が映されていました。

水戸の個展会場を何かで観たときに
ああいう現場制作を見せる展示なのかしら?
と思っていましたが
個展までに描けなかった、ということだったのですね。

私は山口さんの鳥瞰図は大好きで
好きな理由は、
絵が素直だから、なんです。
山口さんも「塗り絵になる」とおっしゃっていたのですが、
「塗り絵のどこがいけないのか?」と私は思います。

絵って、全て塗り絵から始まっていますので
塗り絵で全然よくて、
山口さんはそのまま
あの絵を貫かれたらいいと思いました。

描けなかった衆生来迎図は
無理矢理、絵にしようとしていた気がしました。
これも、別に来迎しなくても
元々、山口さんは持っているんだから
来迎図を描く必要はなかったんじゃないか?
と思いましたね。

あの衆生来迎図を観たときに
すぐに横尾忠則さんのブッダとか天使とかを思い出しました。
横尾忠則さんは「イッちゃって」て
サラサラと描いたように思いましたが、
山口さんはまだそこまでイケてないように感じました。
全く違う画家の絵を比べるのは失礼なんだけど
宗教の絡んだ絵を描くときに
その画家の宗教感、宗教観、深層心理がモロリアルに出てくるので
その時の画家の状態がわかりやすいのです。

無理矢理、来迎図にする必要なかったんじゃないの?
というのが私の感想です。

イコンを描いてみてください、と
私はこのブログに書いているけれど
宗教画って、描く人の本性がモロに出ますから
欲だとか、願望だとか、はっきり現れますので
それに描いた本人が気づくのかどうかがまだあるのですが、
ですから、
今まで書いてきたような
白石孝子さんのようなイコン画家が「私は立派な画家なんだから私を敬いなさい」だとか
「私たちの美術館があってもいいはずだ。
岡山の人間は私たちの美術館を作らないバカばかりだ」とか言っていたりするのを聞いていると
描いたイコンでさえ、ペラペラに見えてきました。
「あんな塗り絵を高い値段つけて売ってるなんて」と言われた人もたくさんいました。
私は塗り絵でもいいけれど
普通の常識がなくては
宗教を知らない人には理解できないだろうなと思いました。

白石さんのイコンは気持ち悪いので
もう捨てたという人にも会ったので
宗教画家と名乗るには
やっぱり、精神修行がいるものだと思いました。
母は白石さん本人に
もらう必要のない聖人を間違って描かれた気持ち悪いイコンは
送り返しました。
イコンを気持ち悪いというのは不謹慎なのでしょうか?
気持ち悪いものは、気持ち悪いのです。
バカと言われながら、美術館を作る人がいるかしら?
いたらお会いしたいものです。
今度、白石さんにお会いしたら
「イコン画家のどこがすごくて、敬うところなんですか?」
と、聞いてみようと思っています。
私はイコン画家は、
普通の人にしか見えませんので
白石さんには、何か特別なものがあるのかもしれません。
だから、特別なイコン画家と自分で言われているのでしょう。

山口さんは頭の中に衆生来迎図は完成しているのだと思います。
ただ、絵に現れるまで
まだまだ時間がいるのだと思います。
本当に素直な絵、
まだ少年の心を持っている絵だと思いました。

塗り絵でいいじゃないの。
山口晃さんの絵を描いていってほしいです。
山口さんの塗り絵を貫かれたらいいんです。

イコンも塗り絵が脈々と続いてきた絵ですから、
それを特別扱いして
高額販売しているというのは
非常に奇妙な話です。
ですから、普通の人でも描けます、
と私は言っているんです。
塗り絵ですから、
子どもたちでも描けます。








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