当会は、12月3日付けで、お二人の知事選候補者へ公開質問状を配達証明付きで郵送しましたので、以下にアップします。
2020年12月3日
山形県知事選候補者
殿
村 山 民 俗 学 会
会 長 岩 鼻 通 明
山形県の県立博物館に関する公開質問について(依頼)
当会は山形県村山地域を中心とする、かけがえのない豊かな民俗文化を探求すべく調査研究活動に取り組んでいる団体で、来年度で創立35周年を迎えます。
民俗学は在野の先人により開拓された学問であり、高校の地歴公民分野のカリキュラムでは学習の機会が限られており、県内の大学においても民俗学の開講は多くはありません。
自然・人文系総合の県立博物館創設以来、人文系分野の一部門である民俗学担当の学芸員が県内の民俗文化の調査研究に重要な役割を担ってきました。しかしながら、県立博物館における民俗分野の学芸員は、多くの場合、高校の地歴公民分野の教員が担当しており、必ずしも民俗学を専門的に学んだわけではありません。
一方、各都道府県において、近年は新たな都道府県立の博物館が新設もしくは拡充整備され、それぞれの分野に大学院修了の専門学芸員が配置される動向がみられます。また、新設された博物館は内外から多くの観覧客を集める重要な役割を果たしております。
現在の県立博物館は開館以来、50年近くが経過し、施設の老朽化が進み、なによりも霞城公園の史跡指定により、近い将来に移転を迫られております。このような状況から、県立博物館の移転・新設を求める県民の声は日毎に高まっております。
当会はこのような状況の中で、近く行われる山形県知事選挙に重大な関心を持ち、貴殿がこの度の知事選挙に立候補なされるとお聞きし、貴殿より山形県の県立博物館に関してのお考えを伺いたく、下記事項について質問をいたします
ご多忙のところ恐縮に存じますが、ご回答は12月24日まで、一問につき二百字前後で回答をいただきたいと思います。回答は郵送・FAX・電子メールのいずれかで、お願いいたします。
なお、いただいた回答は編集、印刷して当会会員に周知すると共に、報道機関にも公表いたしますので申し添えます。この件に関する問い合わせは下記の団体にお願いします。
「村山民俗学会」
〒990-0055 山形市相生町2-10 岩鼻 通明
TEL&FAX 023-623-5687
Mail:imichiaki@mail.goo.ne.jp
質 問 事 項
1 令和2~6年度の第4次山形県総合発展計画において、「社会的ニーズを踏まえた県立博物館の機能強化の検討」と記されていますが、この点について、あなたはどのように考えますか。
2 近年、日本国内における世界遺産登録が進められ、また東京五輪の外国人誘客を踏まえた日本遺産の認定や文化観光推進法が施行される中で、山形県でも「山形県文化基本条例(平成30年施行)」および「山形県文化推進基本計画(平成31年策定)」において、文化を活用した社会づくり・経済の活性化・観光振興を目指すことを明記しており、文化財を地域資源として活用する方向性が政策的にも重要になりつつあります。あなたはこのような状況をどのように考え、どのような対応が必要と考えますか。
3 新たな県立博物館の移転・新設は、教育効果に加えて、文化財保護や自然保護、歴史的地理的郷土認識の深化などの多面的な効果が期待されます。博物館の展示のあり方もまた、この数十年で大きく進歩・変化しております。今や博物館は観光資源としても重要な位置を占め、県外および海外からの集客の拠点となる可能性を秘めております。移転先としてコンパクトシティをめざす上からも山形市の中心市街地が適地かと思われます。あなたはこのような状況をどのように考え、今後どのような対応が必要と考えますか。
4 山形県はかつて「最上川と出羽三山を世界遺産」に登録する取り組みを進めていました。最上川と出羽三山は山形県民にとってかけがえのない、まさに「母なる川と山」であり、世界遺産の国内候補が再び補充される可能性が高まる中で、世界遺産として登録されることを大いに期待したいと思います。
そのためには最上川と出羽三山の過去を歴史・文化的に検証するだけでは不十分であり、特に河川・山岳文化の基盤である自然環境について、これまでいかに生物多様性を破壊してきたかを反省し、かろうじて残る清流環境の保全、失われた自然環境の復元も含め未来にどのような最上川と出羽三山についての未来像を創造するか、という視点が必要と思われます。この夏の風車問題には、そうした視点が欠けていたことから生じたとも思われます。以上のような認識のもとに、このことを研究実践しうる専門学芸員を有する新博物館は中心的役割を担うことが期待されます。
そうした時代に登録される世界遺産について、あなたは「世界遺産に登録する取り組み」の可否を含め、今後どのような取り組みが必要と考えますか。
以上、4項目についてよろしくお願いします。
2020年12月3日
山形県知事選候補者
殿
村 山 民 俗 学 会
会 長 岩 鼻 通 明
山形県の県立博物館に関する公開質問について(依頼)
当会は山形県村山地域を中心とする、かけがえのない豊かな民俗文化を探求すべく調査研究活動に取り組んでいる団体で、来年度で創立35周年を迎えます。
民俗学は在野の先人により開拓された学問であり、高校の地歴公民分野のカリキュラムでは学習の機会が限られており、県内の大学においても民俗学の開講は多くはありません。
自然・人文系総合の県立博物館創設以来、人文系分野の一部門である民俗学担当の学芸員が県内の民俗文化の調査研究に重要な役割を担ってきました。しかしながら、県立博物館における民俗分野の学芸員は、多くの場合、高校の地歴公民分野の教員が担当しており、必ずしも民俗学を専門的に学んだわけではありません。
一方、各都道府県において、近年は新たな都道府県立の博物館が新設もしくは拡充整備され、それぞれの分野に大学院修了の専門学芸員が配置される動向がみられます。また、新設された博物館は内外から多くの観覧客を集める重要な役割を果たしております。
現在の県立博物館は開館以来、50年近くが経過し、施設の老朽化が進み、なによりも霞城公園の史跡指定により、近い将来に移転を迫られております。このような状況から、県立博物館の移転・新設を求める県民の声は日毎に高まっております。
当会はこのような状況の中で、近く行われる山形県知事選挙に重大な関心を持ち、貴殿がこの度の知事選挙に立候補なされるとお聞きし、貴殿より山形県の県立博物館に関してのお考えを伺いたく、下記事項について質問をいたします
ご多忙のところ恐縮に存じますが、ご回答は12月24日まで、一問につき二百字前後で回答をいただきたいと思います。回答は郵送・FAX・電子メールのいずれかで、お願いいたします。
なお、いただいた回答は編集、印刷して当会会員に周知すると共に、報道機関にも公表いたしますので申し添えます。この件に関する問い合わせは下記の団体にお願いします。
「村山民俗学会」
〒990-0055 山形市相生町2-10 岩鼻 通明
TEL&FAX 023-623-5687
Mail:imichiaki@mail.goo.ne.jp
質 問 事 項
1 令和2~6年度の第4次山形県総合発展計画において、「社会的ニーズを踏まえた県立博物館の機能強化の検討」と記されていますが、この点について、あなたはどのように考えますか。
2 近年、日本国内における世界遺産登録が進められ、また東京五輪の外国人誘客を踏まえた日本遺産の認定や文化観光推進法が施行される中で、山形県でも「山形県文化基本条例(平成30年施行)」および「山形県文化推進基本計画(平成31年策定)」において、文化を活用した社会づくり・経済の活性化・観光振興を目指すことを明記しており、文化財を地域資源として活用する方向性が政策的にも重要になりつつあります。あなたはこのような状況をどのように考え、どのような対応が必要と考えますか。
3 新たな県立博物館の移転・新設は、教育効果に加えて、文化財保護や自然保護、歴史的地理的郷土認識の深化などの多面的な効果が期待されます。博物館の展示のあり方もまた、この数十年で大きく進歩・変化しております。今や博物館は観光資源としても重要な位置を占め、県外および海外からの集客の拠点となる可能性を秘めております。移転先としてコンパクトシティをめざす上からも山形市の中心市街地が適地かと思われます。あなたはこのような状況をどのように考え、今後どのような対応が必要と考えますか。
4 山形県はかつて「最上川と出羽三山を世界遺産」に登録する取り組みを進めていました。最上川と出羽三山は山形県民にとってかけがえのない、まさに「母なる川と山」であり、世界遺産の国内候補が再び補充される可能性が高まる中で、世界遺産として登録されることを大いに期待したいと思います。
そのためには最上川と出羽三山の過去を歴史・文化的に検証するだけでは不十分であり、特に河川・山岳文化の基盤である自然環境について、これまでいかに生物多様性を破壊してきたかを反省し、かろうじて残る清流環境の保全、失われた自然環境の復元も含め未来にどのような最上川と出羽三山についての未来像を創造するか、という視点が必要と思われます。この夏の風車問題には、そうした視点が欠けていたことから生じたとも思われます。以上のような認識のもとに、このことを研究実践しうる専門学芸員を有する新博物館は中心的役割を担うことが期待されます。
そうした時代に登録される世界遺産について、あなたは「世界遺産に登録する取り組み」の可否を含め、今後どのような取り組みが必要と考えますか。
以上、4項目についてよろしくお願いします。
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