(有)村田牧場通信

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【セレクションセール №114】ゼフィランサスの2017(牡 父キズナ)

2018年07月05日 | セール上場馬





前回のファーストチェアの2017につづき、今回もセレクションセール上場馬のゼフィランサスの2017を紹介したいと思います。

なお、本馬の牝系解説文はこちらをご参照ください。

7月4日時点での測尺は以下のとおりです。

【体高】155cm  【胸囲】173cm  【管囲】20.5cm





母のゼフィランサスにとって3番仔になる本馬ですが、これまでの仔出しを見る限り、彼女は父似の産駒を出す傾向にあるようです。

母はそれほど体高はないものの張りのある好馬体の持ち主で、将来の繁殖牝馬として残す意味もあって、当場の馬主名義で競走生活を送りました。

ゼフィランサスの2017はその母の1歳時よりも馬格があり、一方で素軽さを感じさせる馬体であることから、父のキズナの雰囲気が出ていると思います。

この世代はキズナの初年度産駒でありますが、当場を訪れる調教師の先生やオーナーサイドの方々の話しを聞くと、そういう素軽さを残したディープインパクトの血を感じさせる馬が多いとのこと。

同じディープ系種牡馬でも、ディープブリランテの産駒は比較的幅もあるしっかりとした馬体が多い印象を受けることから、キズナはどちらかと言えば彼の父ディープの雰囲気を伝える種牡馬なのかもしれません。

2月生まれということもありますが、ゼフィランサスの2017も前回紹介した上場番号2番ファーストチェアの2017同様、他の1歳馬たちより立派な馬格をしています。

気性的にピリッとしたところがあり、この気性はモガミヒメの牝系らしいと言えます。

馬体的にある程度距離をこなすイメージがありますが、気の強さが前面に出るようならば、この牝系らしいスピードに秀でた馬に出るかもしれません。

ゼフィランサスの2017は、父こそ違いますが、半兄のダンケシェーン(父ヘニーヒューズ、現2勝)に血統的特長が似ています。

このきょうだいに共通しているのは、父がStorm Catの血を持っている点であり、このStorm Catがゼフィランサスの2代母モガミポイントと相似クロスを形成するのが特長です。





Storm Bird≒NijinskyというNorthern Dancer系×Bull Page系の組み合わせがあるほか、Secretariat≒ボールドラッドによる4分の3同血クロスもあるなど、Storm Cat≒モガミポイントは血統的に相似性が高い関係だと言えます。

ゼフィランサスの2017のもう一つの血統的特徴としては、ディープインパクト≒キングヘイローの相似クロスも挙げられます。





いずれの血脈もHalo、LyphardそしてSir Ivorを持つ関係であり、相似性の高さを窺わせます。

ディープインパクトとキングヘイローの両馬は、馬体的にそれほど大きくはなく、そのためこれらの特徴がストレートに反映されると小柄な馬が生まれる可能性もあるかと思います。

しかしながら、キズナのようにディープの血を引く馬ながら馬格に恵まれた種牡馬との配合においては、キングヘイロー牝馬との相性も良いはずだと考えました。

結果として、当場の狙い通りに立派な産駒として生まれてくれたのがゼフィランサスの2017です。


同じくセレクションセールに上場予定のファーストチェアの2017とは放牧地も同じで、僚馬と言える存在です。

セールでは2頭とも購買者の方々に評価していただけるように、セール当日までしっかりと管理していきたいと思います。

なお、本馬に興味のある方は当場HPを通じてご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。




【セレクションセール №2】ファーストチェアの2017(牡 父ヘニーヒューズ)

2018年07月04日 | セール上場馬
今年のセレクションセールには、当場から2頭上場予定です。

今回は上場番号2番のファーストチェアの2017を紹介したいと思います。

なお、本馬の牝系解説文はこちらをご参照ください。







7月4日現在の測尺は、以下のとおりです。

【体高】155cm  【胸囲】180cm  【管囲】20.0cm





本馬は1月生まれということもあり、当歳時から同期に比べて立派な馬体をしていて、冬期の昼夜放牧にも問題なく対応して現在に至っています。

もともと普段から扱いやすい馬でしたが、セリ馴致が進むにつれてどっしりとした面がさらに増した感があります。

母のファーストチェアがジャングルポケット×サンデー牝馬ということで馬体的に柔らかい面がありますが、その特長が本馬にも受け継がれて、ヘニーヒューズ産駒のなかでも柔らか味のある馬体に出たと感じています。

本馬の半姉であるヴァフラーム号(父ハービンジャー)は、先月のG3マーメイドSで4着するなど芝の中距離路線で活躍中です。

一方で、昨年の札幌の2歳新馬戦では半姉のコンダクトレス号(父ホワイトマズル)がダート1700という舞台で勝ち上がるなど、このきょうだいは芝・ダートどちらでも対応できそうな力強さを備えた馬体が特長的で、その点は本馬にも受け継がれています。

父のヘニーヒューズは、本邦初年度産駒が明け3歳を迎えていますが、その3歳世代からダートを中心にコンスタントに勝ち馬を出している人気種牡馬です。

今年の配合権利も早々に満口となり、彼自身も非常に忙しい種付シーズンを過ごしています。

産駒は勝ち上がるだけではなく、ドンフォルティス(Jpn3北海道2歳優駿、伏竜S)やプロミストリープ(浦和桜花賞)といった重賞勝ち馬や2勝以上している馬も数多くいます。

当場生産馬で現2勝のダンケシェーンもその一頭です。

ヘニーヒューズ産駒の血統的特徴として、ヘニーヒューズが持つWar Relic≒Eight Thirtyの相似クロスを継続強化する配合を試みると、産駒は活躍傾向にあるようです。





これは前述したドンフォルティスやプロミストリープ、そしてダンケシェーンにも当てはまる血統的特徴です。

そして、ファーストチェアの2017もその血統パターンを踏襲しています。

具体的には、本馬の3代母ケイティーズファーストがRelancee=ポリックの全きょうだいクロスを経て、War Relicを2本持つ血統構成になっています。





この血を持つことで、血統的にはヘニーヒューズの長所を活かせる配合になったと考えます。

また、この血統傾向を強化する狙いを込めて、ヘニーヒューズの2代母Shortleyとファーストチェアの3代母Katiesの組み合わせも意識して配合しています。





いずれもRelic系×Nearco系の配合をしていて、このような血を近い世代で組み合わせるのも有効な手法ではないかと考えています。

ファーストチェアの2017のもう一つの血統的特徴として、ヘニーヒューズ×Haloを持つ牝馬という配合パターンが考えられます。

前述3頭のヘニーヒューズ産駒はいずれもこのパターンに該当しますが、Haloの息子であるサンデーサイレンスの血が繁栄している現在では、この配合パターンは今後も増えていくでしょう。

この配合で特徴的なのは、ヘニーヒューズが持つTom Catの血とHaloの母Cosmahによる相似クロスができることです。





いずれもPharamond系種牡馬×Mahmoud牝馬という配合です。

本馬の母ファーストチェアもサンデーサイレンスを経てHaloの血を持っているので、ヘニーヒューズとは相性が良いはずです。


最近は悪天候が続いているために予定通りのセリ馴致ができない日もありますが、それを除けばここまで順調に来ていると思います。

本馬に興味のある方は当場HPを通じてご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。