あれこれ考えても悪あがきになるだけで「なるようになる」と考えて腹をくくる以外にない。そこへある呪術師が日本対カメルーン戦は2:0で日本が勝つと予言したという報せがきた。決勝トーナメントにも出場できるというおまけつきである。思わずうれしくなる予言であるがサッカーは何が起こるかわからないと言う意味で期待しよう。
がんばれ!日本!
ギリシャ危機に関連して日本の将来のことを心配する記事を多く見る。菅首相でさえギリシャのようにならないために来年度の国債発行を44兆円まで減らすと発言した。
ギリシャは観光産業とワイン産業ぐらいしかない欧州の三流国家である。欧州共同体にだって2年遅れて裏口入学したような国である。その国と同じ程度のひどい国と日本を考えるのは余りにも自虐的ではないだろうか。日本人はギリシャのことはあれこれ心配しているが欧州最強国のドイツの将来を心配していない。昔(20年前)日本はそのドイツより経済的にはるかに強かったのである。現在でも日本の国としてのバランスシートの純資産は250兆円で世界一である。それに対して二位のドイツの純資産は50兆円である。日本はドイツの5倍もお金持ちなのである。
この日本を欧州の最弱の小国と同じに見るのは余りに心配性である。病的でさえある。この過剰な心配性が日本の重度のデフレの原因になっている。
これで話は終わってもいいのだがまだ分からない人のために具体的にギリシャと日本の違いを挙げよう。
1.ギリシャの国債の半分は外国人が買っている。外国人から金を借りてまで贅沢をしていると言える。これに対して日本は95%が国内でまかなっている。さらに金が余っていて不要なFRBの国債を80兆円ほどもっている。その上円借り取引で大量の円を新興国や資源国等の外国に貸している。日本は無茶苦茶、お金が余っているのだ。
2.ギリシャの国債はユーロ建てであり、ギリシヤはユーロの発行権を持っていないから、増税して返さなければならない。
3.日本の国債は発行額が多いと言われるが金余りであることや超低金利であることを考えるとまだまだ発行できる。年間80兆円の国債を発行しても十分消化できる。
4.国債が消化できなければ日銀が国債を直接買うこともできる。これはお札を印刷することを意味するが印刷するとデフレ阻止ができるため国民生活にプラスである。これは日本の債務が円建てであるからできることである。言うまでもないが日本の外国からの借金はゼロである。
5.公的債務は国が豊かになれば増え続ける性質のもので返済している国は一つもないと言う意味で返済する必要はない。
6.ギリシャの公務員は労働者の25%、此れに対して日本の公務員は労働者の5%である。日本の少なすぎる公務員を減らす必要は全くない。
日本は心配しすぎであり、まともな経済論議が行われていない。日本がやっていることは列挙すると
○公務員が世界一少ないのにさらに公務員を減らそうとする
○税金の無駄遣いは殆どないのに無駄使いを一掃しようとする
○返す必要のない公的債務の返済を考えて勝手に滅入っている
○世界一金余りなのに節約して自分の首を絞めることを考える
○世界一の債権国であるのに欧州最弱のギリシャより弱いと心配する
このように並べてみると日本人が病的に自虐的な神経症にかかっていることが明らかである。この病気にかかっているという認識が日本人には必要である。そうでなければ正しい経済政策を選ぶことができない。