日銀券を増刷して日本国を救う村島定行のBlog

①日本は世界最大の債権国、お金がなければ刷りなさい②英語を多用すると次第に馬鹿になる③靖国参拝は日本人の義務だ。

野口悠紀雄氏の「ついに国債破綻が始まった」について-破綻の兆候も見えないのに面妖な話だ

2010年03月12日 | 経済

 文芸春秋今月号の野口悠紀雄氏が書いた「ついに国債破綻が始まった」記事のコピーの一部を友人が送ってくれた。杜撰な記事である。国債破綻の兆候すら見えないのに何を血迷ったか言わざるを得ない。

 日本経済の問題はデフレと円高であると言う人が多い。しかし本当に恐ろしいのはインフレと円安である。デフレと円高は消費者にとって困った事ではない。もし給与の名目額が変わらなければ物価が下がれば実質的な所得は増えるのだから望ましいことだーーーー

 おかしな話だ現に労働者の平均給与は目に見えて下がっていることをご存じないと見える。さらにデフレは失業率が増大し、低所得層には大きな負担になると言うこともご存じないと見える。日本の問題はデフレスパイラルに入っていることでこれを防げば問題は解決する。インフレとか円安は架空の話である。全くインフレの兆候がないのにハイパーインフレの話に強引に持っていくという意味で馬鹿馬鹿しい記事と言える。

 終戦直後に政府は傾斜生産方式とよばれる国策を実施した。復興金融公庫債を発行し日銀に引き受けさせた。これは通貨の増発と変わらないから猛烈なインフレが生じた。45年から49年の間で物価は60倍になった。

 国債を増発するとこういうことが起こると言うのであるが戦後のインフレは米軍の爆撃で日本の工場が壊滅していて物が生産できなかったからである。通貨を増発したからではない。国債を増発して大幅な財政出動をすれば日本の産業は直ちに生産設備を増強し対応する。決してインフレは起きない。野口氏は物価が60倍になると言う。そんなことはあり得ない。例えば500万台の車が需要増で800万台になったとしよう。車の値段はあがるであろうか。自動車会社は直ちに需要増に対応して自動車の価格は据え置きのまま800万台を生産して対応するというのが一番あり得る話である。

 ニューヨークタイムスは「増加する国債は日本銀行への脅威」で将来円安とインフレが起こる危険を指摘している。いまの円高は「円の最後の熱狂」だと言うのである。

 外国の評価が当てにならないのはトリプルAの評価であったアイスランド国債やサブプライム関連の債券が紙くずになったことで明らかではないか。現在の円高が最後ではなく、デフレを止めなければ繰り返し円高は襲ってくると言うのが最もあり得る話である。

  現在の日本のように膨大な額に膨れ上がってしまった国債残高はインフレによってしか解消できない可能性が強いーーーーーーーーーーーーー

  インフレによって解消するにも現在が重度のデフレであるから先ずデフレを止めないといけない。その過程で膨大な額の日銀券の増刷をしなければならない。増刷した日銀券で国債を償還するのは誰でも思いつく方法である。
 国債の日銀直接引き受けか政府紙幣でもいい政府の借金にならない形で財源を調達して必要なことを行えばいい。日本の場合は通貨を増刷することで15年間苦しめられてきたデフレを止められるし、国債発行の累積を止めることができる。デフレが終わるだけでなく多少インフレに振れてくれれば万々歳である。15年続くデフレから脱却できて高成長が始まるのである。野口氏もどこかで高成長が実現できればすべてうまく行くどこかで書いていたがデフレから一気にハイパーインフレに行ってしまわないで緩やかな成長の時代があるとは考えられないのであろうか。

 国債の日銀引き受けや政府紙幣で通貨を増発して財源を調達すればハイパーインフレが起こるのではなく日本経済の二つの問題、デフレと財政赤字が解決され、日本経済が健全化する。野口氏は日本経済が健全化すれば経済学者が食いはぐれる、できるだけそういう事態は妨げたいと考えているかのような筋の通らない論文である。

 日本の10年ものの国債の金利は1.3%程度である。ずば抜けた超低金利で世界一の座は揺るぎそうにない。第二位の国(米国、カナダ、ドイツ)の国債と同じ金利(3%台)になるま金利が上がることが国債暴落の第一歩である。その第一歩もまだ始まっていない。その兆候すらない。国債が暴落すると言う話はその第一歩が実現してしてからでも遅くない。

 日本の経済と財政の破綻に対する海外の警戒観は急速に高まっている。ところが日本人だけが危機感をもっていない。現在の日本の状況は氷山に向かってタイタニック号の船上でダンスを踊り狂う人々そのものである。------

 日本人は下がる給与のもと毎日安いものを探して奮闘しているのが実情で、どうして踊り狂っているという表現になるのか理解に苦しむ。皆デフレスパイラルが何処まですすむのか、いつ大規模なデフレ対策を打ってくれるのかと固唾を飲んで見つめている状況である。デフレがひどくなって大恐慌に発展しないかという危機感はあるが野口氏が言うハーパーインフレへの危機感とは正反対のものだ。とにかく野口氏の記事には支離滅裂という印象を受けた。

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高橋洋一氏の誤り

2010年03月12日 | 経済

 今朝の新聞の広告を見ていたら「日本国破産」浅井隆著におどろおどろしい文字が氾濫していた。うわさによると浅井隆氏の職業は破綻ビジネスだそうで破綻をあおって本を売ると同時に、自分が薦めているファンドを売って金儲けするという。
 その裏のページには半分の大きさだが日本経済「ひとり負け」という高橋洋一氏の広告があった。これまで高橋洋一氏の主張には幾つか誤りを指摘してきた。私が指摘した誤りは

 1.霞が関埋蔵金は問題の解決にならない。

   彼は霞ヶ関埋蔵金の発見を大発見というがこの種の埋蔵金は日本だけでなく英国にも、フランスにもトルコにも韓国にもあるもので大発見と騒ぐのは誤りである。この埋蔵金は50兆円規模で、それぞれ必要があって存在しているのであって全部使えるわけではない。1回きりのものだ。日本の不足額1000兆円に対して、一桁以上額が小さいので解決にはならない。
   私はデフレ埋蔵金(デフレの中に埋蔵させた金、デフレを止めれば出てくる金)が日本経済を不況から脱出させると主張している。デフレ埋蔵金はデフレの定義にもよるが年間60兆円、15年累積させれば1000兆円になり日本の財政問題を解決できる。

 2.日本の現在の不況は百年に一度の経済危機ではない。

   高橋洋一氏は「日本経済を百年に一度の経済危機から救う会」なるものを結成しているがここに彼の誤りが明瞭に現れている。日本経済は百年に一度の経済危機にあるのではない。バブル崩壊からの立ち直りに失敗して、デフレに陥ってそのデフレスパイラルから脱出できていない段階でリーマンショックにぶつかったのである。日本の不況の原因を15年に上る長期のデフレであると正しく認識せずにあれこれ書いても取り留めのない話になるだけである。
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日銀は信用できない(3)-「デフレの原因は需要不足」か。

2010年03月12日 | 経済
 昨年末日銀はデフレであることを認めた。それもしぶしぶと「緩やかなデフレ」であることを認めたに過ぎない。その際「デフレの原因は需要の不足」であり、日銀に責任はないという意味のことを述べた。「じゃ需要の不足は誰の責任か。日銀に責任はないのか」といいたくなる。経済はすべて関連している。
 需要の不足はなぜ起こっているかと言うと公共事業が15兆円から3分の1ぐらいまで減少している。これは需要が減少したのではなく、減らされたのである。お金がないからといって減らされたのである。防衛費は5兆円を切っている。中国の軍拡を前にして10兆円程度にはしないとすまない。需要が少ないのではなく需要はいくらでもある。需要はないと思い込んでいるだけである。
 世の中には失業者が溢れている。みな働きたがっている。彼らに仕事を提供するだけの需要を大きくするのには誰もが賛成するはずである。需要を大きくするために日銀券の増刷をやればいいのである。デフレを止めるためには30兆円を刷って政府に提供する。これを受けて政府が従来の予算の執行に追加して公共事業費を15兆円、防衛費を10兆円、その他の事業などに金を出せばデフレは終わらせることができる。
 これは日銀だけの仕事ではなく政府が企画して日銀が協力して膨大な需要創出作戦を行うべきであろう。デフレは自然現象ではなく政府、日銀、財務省がデフレを選ぶのである。デフレを終わらせることも可能である。
 30兆円も刷って政府に渡して景気対策をやらせるなどとは無茶だと思われる人もおられるであろうが、個人金融資産1000兆円に3%の金利がつけば30兆円になる。毎年30兆円の金利が付くのが現在はゼロ金利によって奪われている。文字通りゼロ金利してこの30兆円を日銀は国民から奪っているのである。これを国民に返すのが30兆円の日銀券増刷である。「デフレの原因は需要の不足で日銀には責任はない」などと言う日銀は全く無責任で信用できない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする