コーランを読む 3

2020-10-27 17:02:23 | 

 「我ら(アッラー)が以前に啓示した文句を取り消したり、わざと忘却させたりする場合には、必ずそれ以上か、それと同等の代りの文句を授けるようにしておる」(2、100)。「我ら(アッラー)が或る文句をやめて他の文句に替えるようなことがあるとーアッラーは勿論全部意識して啓示しておられるー彼らは早速、『どう見てもお前(マホメット)が自分で捏らえているに違いない』などと言い出す。実は、大抵の人間はなにもわからないだけのこと」(16、103)。

 というわけでアッラーは、平気で前言撤回する。コーランの内容は矛盾だらけだ。井筒俊彦先生によると、「コーランは長い年月にわたって少しずつ成立していったものなので、世の状態の変化やマホメット自身の内的成長につれて、以前の言葉を後に啓示された言葉が否定するような箇所が次第にふえて来た」のだ、という。たとえば・・・。

 「神聖月があけたなら、多神教徒は見つけ次第、殺してしまうがよい」(9、5)。だが、同じ章に違う言葉がある。「されば、この期間(神聖月)には汝らお互いに害しあってはならぬぞ。だが、多神教徒は徹底的に攻撃するがよい」(9、36)。はて、神聖月に多神教徒を殺してもいいのか、どうか。それすらもわからない。

 こんな調子だから、イスラム教徒どうしの争いが絶えないのだ。

 
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