「フランク史 10巻の歴史」

2020-10-12 07:07:25 | 

を読み終える。印象深いのは・・・。

 ユダヤ人に対する迫害は、6世紀からあった。クレルモンの司教が、ユダヤ人にキリスト教への改宗を迫る。「いやなら町から出て行け」、と(5、11)。結果、500人が改宗し、少数がマルセイユへ去った。
 改宗も退去も拒否したら、ユダヤ人はどうなったのか。考えるだけで恐ろしい。

 魔女狩りも行われていた。王子を呪い殺した疑いをかけられた女たちが、拷問の末、扼殺、火あぶり、歯車の刑(歯車に絡ませて背骨を砕く)にかけられた(6、35)。これと同じことが、以後1000年以上も続くのだった。

 当時の軍隊には、「軍規」というものがなかった。ヒスパニアを目指したフランク軍は、途中の自国内で殺人、放火、略奪を繰り返す。教会も標的になった(8、30)。

 血なまぐさい現実の一方で、キリスト教の三位一体についての議論もある。この両者の間を著者グレゴリウスの視線が揺れ動くのが、おもしろい。
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