「桜を見る会」の追及が、いよいよ正念場になってきています。
ANAホテルの説明と総理の国会答弁との間に食い違いがあり、総理の答弁の信ぴょう性が大きく揺らいでいます。一流ホテルが空欄のある領収書を発行するのか、ANAホテルに嘘をつく動機があるのか――といったことから考えて、反証しなければならない立場にあるのは安倍総理のほうでしょう。
この件について、追及する側である野党を批判する声も根強くあるようです。いまは新型肺炎のほうが問題だろう、と。
しかし、この点については、それとこれとは話が別だろうといっておきたいと思います。
まず第一に、野党は新型肺炎の問題にもきちんと取り組んでいます。
前回の記事でも書いたように、野党側は1月24日の時点で厚生労働委員会を緊急に開催するよう要請していました。それに応じなかったのは与党の側です。
また、国会は別に桜問題だけを扱っているわけではありません。並行していくつもの問題を扱っています。そのために国会議員がおよそ700人もいて、いくつもの委員会にわかれているわけです。「桜を見る会」の問題は決してないがしろにできるものではないので、新型肺炎問題と並行してきちんと糺すべきところは糺す必要があります。
また、もっと大きな観点から、「野党は批判ばかりしている」という意見にも反論しておきたいと思います。
常々このブログで書いているように、民主的な社会であるためには、いつでも政権交代が起こりうるという状況が必要です。まずいことをやったら次の選挙で負けてしまう……そうであってこそ、政権与党にも緊張感が生まれるでしょう。
そして、政権交代が起こりうるためには、政権与党ではない政党、すなわち野党が必要です。
当然ながら、野党は、政権についていないのですから、政権運営に直接関与することはできません。政権についていない野党のするべきことは、与党側の政権運営をチェックし、問題があれば批判することです。
つまり、野党は、野党という立場である以上、批判するのが仕事なのであって……そのことをもって「野党は批判ばかりしている」という態度は、有権者として問題があるといわざるをえません。
有権者は、その批判が妥当かどうかを判断し、妥当であるなら与党側の政権運営を是正するように働きかける必要があるでしょう。
「野党なんか必要ない、一つの政党が政治をするほうが安定している」という意見もあるかもしれませんが、それについてはこのブログで以前一度書きました。戦前の日本は、その考え方が主流をしめて実現された結果、壊滅してしまいました。日本だけの話ではなく、一党独裁体制というのは、一時的にうまくいっているようにみえても、いずれ必ずどこかで行き詰ります。
“有権者”という言葉が示すように政治参加は権利ですが、それは同時に、きちんと社会をメンテナンスして次の世代に受け渡す義務もともなっているはずです。
いまの国会における与党側の答弁をみていて、この国の有権者はその責任を果たしているといえるのか。
この点に、私は強い懸念をもっています。








