伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

競技者をたたえる

2008年08月16日 | Weblog
曇り空で湿気があります。盆の送りにはいいかもしれません。

オリンピックも陸上競技が始まり、毎日成績を確認する程度のわたくしも
100メートルくらいは興味があります。
競技はいくらスポーツといっても、やはり争いのひとつです。
勝者と敗者という結果が出てしまいます。
日本の選手にはどうしても勝ってもらいたいという“欲”が出てしまうからには“苦しみ”も出てしまいます。
メダルに執着すれば、執着からまた“苦しみ”が生まれます。
期待された競技者が不本意な結果に終わったときのレポーターの誠意の感じられないコメントを聞かされるのがとてもいやです。

佛教は勝ち負けを超えた教えを説きます。だれかに勝つ必要もありません、誰かに負ける必要もありません。
『聖者は、勝ちも負けも乗り越えて平安に住む』とお釈迦様は説かれました。
勝ち負けを争うのでなく、自分の能力を発揮することに努めることが大切なことなのです。
一位の人も、最下位の人も、その人の、その時の自分の能力を発揮したのです。
勝ったのでも負けたのでもありません。
観る私たちも欲と執着を離れ、すべての競技者をたたえることが大切なのだと思います。