伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

素直な目

2008年05月23日 | Weblog
風のない穏やかな朝です。鳥のなき声しか聞こえません。

昨日は地元小学校の2年生が“学区探検”という授業で午前中お寺にやってきました。
お天気がよく、気温も高いなかでしたが境内でいろんな発見をしていました。
やはり子どもの感性と目線が低いせいか大人では気が付かないことばかりに目が行くようでした。
大人は知識という視点で物を見ますが子どもは知識以前の素直な目で動くものや見たことのないもの(それがなんであろうが)聞いたことのない音(それがなんであろうが)などなどを自分に取り入れようとします。
きっと自分の引き出しにいろんな物を入れているのかもしれません。それが子ども達一人一人の表現力や個性へとつながっていくのでしょう。

知識は生きていくうえでは欠かせないものですが、人と人をつなぐのは心です。
最後一人旅立つ時に持っていくことが出来るのも心だけです。
財産、名誉、権力、親しい人などすべては置いていくものです。
唯一離れずに持って行くことができるのは“心・人格”だけです。
自分以外のものをどんな目で見て、どんな気持ちで接して、どんな気持ちを持ったのか。
知識を除いた部分、その人をあらわす根幹は生きていく上でも、旅立つ時においても最も大切なもの、
役立つものであると佛教では見ます。

心を育てる上で素直な目で物事をとらえる子どもの時期というのは貴重な時です。
しかもあっという間にその素直な目線を失っていくかもしれません。
一人の親として子どもと過ごすことが出来るこの時期を、この瞬間を、無駄にしてはいけないんだなと改めて思いました。