ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

538話 LV5.5番地 ニューカマーランド  (インペルダウン編-16)

2016年12月28日 | 頂上戦争編




イワさんは、麦わらボーイの治療を受けたが、それは過酷を極めるものであった。

ルフィがこの先生きるであろう10年分の寿命を使って、死ぬべき運命に抗う。
ただし、その10年分の命を使っても助かる保障があるわけではなく、助かる可能性0%から、生きられる確立を2~3%与えるだけ。そこから助かるか、助からないかは、ルフィの"気力"にかかっていた。
ルフィが死ねば毒の勝ち、命を残せばルフィの勝ちという、まさに命を賭けた勝負を制さねばならない。



ルフィにそこまで説明するとイワさんは「じぁあ行ってらっしゃい、死の淵へ!!」と言ってその指をルフィの脇に突き刺して【エンポリオ・治癒ホルモン】を施した。





イワさんが施したのは解毒ではなく、ルフィの潜在する"免疫力"を過剰に引き出し、猛毒と戦える体に改造しただけ。
あとは本人の「気力」と「ホルモン」による、"自己免疫力"で自分で自分を治すしかない。
ルフィの体内では、異常な速度で破壊と再生が繰り返され、その苦しみに耐え抜くことが出来た時のみ、命を取り留めることが出来る。
治療はその体を縛りつけて、絶え間なく襲い続ける激痛に最低2日は耐え続ける必要があった。




ボンちゃんは、ルフィの苦しみを見ておられず、イワさんにルフィを助けてあげてと泣きついたが、イワさんはボンちゃんを叱りとばした。 「やかましいっ!!!命ナメんじゃないよ!!!一度は死ぬと決まった運命に逆らう事がどれ程の事かヴァナタわかってんの!!?ヴァターシは神や仏じゃないんだよ、"奇跡の人"なんて冗談じゃない。
他人にすがりつくだけのバカを救えたことはない。奇跡は諦めない奴の頭上にしか降りて来ない!!!!"奇跡"ナメんじゃないよォ!!!!」





エンポリオ・イワンコフは【ホルホルの実】を食べた「ホルモン自在人間」であった。
性別、体温、色素、成長、テンション、人間の内部から改造する事ができる、人体エンジニア。



ここに居る者達は、そんなイワさんの下、性別を超越した"新人類(ニューカマー)"の集まりであった。




そしてここは、大昔に幽閉されていた囚人に【穴掘り】の能力者がいて、レベル5とレベル6の中間にある巨石に穴を掘って、囚人達の楽園を築いたスペースであった。
針地獄の中、業火の中、死体置き場、極寒の中・・・インペルダウンのあらゆる場所に「楽園の入口」はあり、そこを通って行き来しては様々な物資を調達していた。
看守のモニター室の映像電電虫も1匹調達している為、監獄内の情報は全て筒抜けでキャッチ出来る状態であり、史上初の侵入者や、脱獄囚達の活躍は皆でつぶさに見ていたのだと言う。

そして、ボンちゃんは囚人達の多くが知らないインペルダウンレベル6の存在も教えてもらった。

少し前までは、このインペルダウンにはマゼラン署長と、「雨のシリュウ」と呼ばれる看守長の巨大戦力の2毎看板で監視していた。だが、気の向くままに囚人を惨殺する「シリュウ看守長」に手をやいたマゼランが、危険人物としてレベル6に幽閉したのだ。もしも、ルフィの侵入が少し前であったなら、もっと厄介な事になっていただろうと推測された。


レベル6には、そうした凶悪、残虐すぎて新聞にもその情報が出ない、伝説級の面々が幽閉されている。
・元インペルダウン看守長、「雨のシリュウ」
・史上最悪の女囚、「カタリーナ・デボン」
・巨大戦艦、「サンファン・ウルフ」
・大酒の「バスコ・ショット」
・バロックワークス社長、Mr0こと「クロコダイル」
・元七武海、「海峡のジンベエ」
・白ひげ海賊団二番隊隊長、「火拳のエース」ことポートガス・D・エース


イワさんは、麦わらボーイが万が一にも命を取りとめたとしても、毒から回復した頃には、既に兄エースの処刑は終わっている頃だと言う。ここまで頑張って、そして奇跡的に生き返ったとしても、哀しい現実をルフィは見なければならない・・・。


ボンちゃんはじっとしていられず、一人麦ちゃんの部屋の前で声を張り上げて応援を続けた。
ルフィが痛みに耐えかねて叫ぶ悲鳴に負けないように、声を張り上げ、ボロボロの体から血が噴出しても、喉が擦り切れて血を吐いても、それでも応援をやめなかった。3時間・・・5時間・・・6時間・・・。
「頑張れーーーー!!!麦ちゃーーーーん!!!頑張れーーー!!!生きろーーー!!!・・・・・」



そのボンちゃんの熱意に、初めは冷めて見ていた楽園の住民達も、いつしか声を張り上げて応援していた。



治療を始めて20時間、応援を始めて8時間が経過した午前8時、叫び声が止まり、洞窟部屋が静まりかえった。
「治療の途中で激痛が止まることはない。つまり途中で声が途絶えたってことは・・・・」とイワさんはこの後の言葉を呑みこんだ。最後まで言わずともわかることだ。


静まり返った洞窟部屋からは、ドクドクと大量の血が流れ出ていた。



涙を堪えることが出来ないボンちゃんは、洞窟部屋のドアが内部の声に音にハッとした。
「メーーーーーーーーーーーーーーーーーーシィーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」



ルフィは生きていた!!!!最低2日かかる治療を、その気力で僅か20時間で制したのであった。














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