まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【カラダ探し】など

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カラダ探し 第一章 4巻 30話 「八日目-1」

2016年04月30日 | カラダ探し第一章(完)
8日目の朝、私は健司の事を考えていた。
あの変貌ぶり、小野山美子のこと、屋上から飛び降りたこと・・・あれは操られている、と確信した私は、学校に来ていない健司に会いに行くことを決意した。
高広と留美子も、私について来てくれた。

高広の自宅、杉本家は大きな敷地に、新築の家と、昔ながらの家や倉庫などがある旧家だった。
私達は新築の方の家を訪ねたが、応答がない。
高広と留美子は構わず勝手にあがって、健司の部屋を探した。

私達は、健司の部屋を見て絶句した。
部屋中、破壊されたように荒れ、赤いペンキがまるで「カラダ探し」の殺害現場のように撒き散らかされ、狂気と恐怖を感じて立ちすくんだ。




その中でうずくまっていた健司は、私達に気づいて「お前ら・・・何しに来たんだよ・・・」と言うと喚きだした。
「オレは何も知らない!分からない!!夜になったらオレがオレでなくなるんだ!!
とにかく美子ってヤツの為にお前らを殺したくなる、服を赤くしたい気持ちになる・・・!!!
オレにも意味がわからないんだよぉ!!!」
と言って、頭を抱えてぶつぶつと何かを喋っている。


私達はこれ以上健司本人に聞いても、何もわからない事を悟って健司の家を出た。
庭に健司のおばあちゃんらしき人がいて、おばあちゃんは母屋の方へ招き入れてくれた。
ここで私達は、重要な情報を知ることになる。

私達が健司のおばあちゃんちで、古い写真を見つけたのがきっかけだった。


それはおばあちゃんの最初の旦那様の山岡雄蔵氏と、夫の兄で知的障害を持つ山岡泰蔵だった。
山岡泰蔵は、50年前に小野山美子を殺して自殺したとされる人物だった。
杉本健司が、山岡泰蔵の親戚の血筋だとすれば、小野山美子との繋がりがここで出来る!!

だけどおばあちゃんは、「タイちゃんは子供が好きな優しい子だから、あんな事をするわけがないし、自殺するとも思えんのよ。
タイちゃんはきっと、事件の真犯人に殺されたんや思うで」
と言っていた。


今となっては50年前の真犯人が誰かはわからない。
だけど、健司に誰かが入り込んでいるなら、美紀、美子と仲良く遊んでいて、事件に絡んでいる
「山岡泰蔵」って人なんじゃないか、と思った。




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カラダ探し 第一章 4巻 29話 「七日目-5」

2016年04月29日 | カラダ探し第一章(完)
「赤い人」が私と高弘のいる所に近づいてくる。

高弘は「任せろ。オレが合図をしたら、「赤い人」を見ないように走れ」と言うと、
ケータイのアラームを鳴らして、それを力いっぱい「赤い人」のいる方へ投げつけた。


「赤い人」はアラームの音に気づくと「キャハハハ!!!」と笑いながらケータイを追いかけて行った。
私達は、その隙に反対方向へと走った。
高弘は、この作戦で2回成功してると笑った。
私は、普段何も考えていないような高弘の発想に、素直に凄い!と思った。私には到底思いつかない!!
高弘は「カラダ重くないか?」と時折気遣ってくれながら、ホールまでの道を急いだが、その途中に異常をきたした「健司」が立っていた。

「健司」は、「見つけたたぁ~、み、み、美子ちゃん・・・服を赤く・・・できるよ」と言いつつ
私達に近づいてくる。
健司は先生からの情報である「小野山美子」を知らないはず、やはり何かに操られている、と私は確信した。


高弘は「健司はオレが止める。お前はホールへ走れ!」と言うと、自ら健司に向かって行った。
だけど、「健司」は私を狙ってきた!!!
高弘は自分に誓っていた。
何が起ころうとも、二度とオレの前で明日香を殺させねぇ、と。
目の前で好きな女が殺されるのを見るような思いだけは、二度としたくなかった。


私は、高弘のおかげで「健司」を通り過ごす事ができたけど、健司より強いはずの高弘が、一撃で頭を吹き飛ばされて死んだ・・・!

高弘が一撃なら、私なんて追いつかれた時点で即死に違いない、ここで「健司」に殺されるくらいなら!
私はカラダを抱えたまま、階段の上から飛び降りた。
着地の時に足首をぐねってしまったけど、そんな痛みはどうでもよかった。
高弘が命がけで助けてくれたんだから、足が折れたとしても、殺される前にこのカラダは絶対に収める!!!

私は最後倒れこむようにして、カラダを棺桶に収めた。


やった!私もちゃんと運べたよ・・・高弘・・・
そこで私は「健司」に殺されて、7日目の夜を終えた。



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カラダ探し 第一章 4巻 28話 「七日目-4」

2016年04月28日 | カラダ探し第一章(完)

私達は八代先生の家で泊めてもらって、7度目の夜を迎えた。
いつまでも、遥の恐怖にとり憑かれているわけにもいかない。
今夜は私と高弘、翔太と理恵と留美子の2組に別れて「カラダ」を探す。

生徒玄関が開いたとき、翔太が大きな声で言った。
「『カラダ探し』を終わらせれば、元の生活に戻れることは、八代先生が証明している!!」
その言葉は、私達を勇気づけるに充分だった。

全速力で走りだす私達の後ろで、「健司」が恐ろしい声で雄叫びをあげた。
健司が殺人鬼に変わったのだと思った。


私と高弘は二人で「工業棟1階」を探すことになっていた。
高弘は、玄関から全速力で走ろうとするので、とてもじゃないけどついていけない。


遅れをとっていると、高弘が私の手をとって、引っ張って走ってくれた。
「明日香、しっかり走れ!!!」と言うけど、「これでも必死!私走るの苦手なんだよ」と言い返しすと、高弘は「知ってるっての!!お前の足が遅い事くらい・・だからオレが引っ張ってるんだろ!!」と即答された。


高弘は、知っていた。
見てきたから。明日香の事は小学校の時も、中学の時も、高校の時も、「カラダ探し」で殺された時も・・・、
ずっと高弘の視線の先には、明日香がいた。



「工業第一更衣室」にから調べだすことにした。
調べだして間もなく、高弘は私の腕を取って更衣室の壁に私を押し付けた。


一瞬、何をしだすのかわからず驚いたが「明日香、何か音が聞こえねぇか?」と耳元で小声でささやかれた。
音・・・。耳に神経を集中すると、あの歌が近づいてきているのがわかった。

更衣室は狭くて隠れる場所がない。
とまどっている私を、高広はクローゼットの上に上げて、そこで寝転ぶ形で身を隠した。
「髪の毛も足もまっかっか~」と唄いながら部屋に入ってきた人物は、作業着を投げ捨てながら
クローゼットの中を探していた。
もうすぐ見つかってしまうかも・・・。恐怖の緊張が高まってきた時、高弘の大きな手が、私の頭を優しく包んでくれて、私は恐怖より安心感が大きくなった気がした。
高弘の顔を見ると、「赤い人」の方へ神経を集中していた。


高弘の機転で、「赤い人」に見つかることなくやり過ごせた。



ロッカーから降りると、高弘が「さっきはよ・・・その・・なんだ、悪かったな」と言った。


私は何が悪かったのかわからなかったけど、助けてくれて嬉しかった事を伝えた。
「そういえばさっき助かったよ。私が震えている時、頭なでてくれたでしょ?
小さい頃よくやってくれたの思い出したよ!ありがとね!」
と言うと、高弘は無言だった。

私達は、更衣室の中に入ってきたのは「健司」の方だったと推測した。


その後、私が工業棟の女子トイレのタンクの中に、遥の"左胸"を見つけて、思わず「高弘!」と呼ぶと、高弘は危険があったのかととんできてくれて、二人で小さく喜んだ。

だけどせっかくカラダを見つけたのに、近くで「赤い人」の歌が聞こえて、再びトイレに身を隠した。
怖いけど・・・このカラダを棺桶に収めるには、私が囮になって高弘が走った方が・・・と言いかけたとき、
高弘は「任せとけって」と言った。





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カラダ探し 第一章 4巻 27話 「七日目-3」

2016年04月27日 | カラダ探し第一章(完)

もう何が何やらわからない。しびれを切らした留美子が「何で知っているのか答えろってんのよ!!」と先生に怒鳴った。

先生は「あまり言いたくないんだが・・・」と言いつつ、古い卒業アルバムを私達に見せた。
先生も高校時代に「カラダ探し」をさせられていたのだと言う。
「カラダ探し」をする1ヶ月前に撮影された写真の先生は、若く爽やかなイケメンだった。


だけど、その一ヶ月後に撮影された卒業の個人写真は、目がギョロリとくぼんで老けた、今の先生の顔だった。


先生にとっては「カラダ探し」で繰り返される5年もの月日が経っているが、
周りの人達には"昨日"から"今日"になっただけの、たった一日の事でしかないのだ。

先生が完成までに5年もかかったことは、私達に大きな衝撃だった。
7日目で、心の底から嫌でたまらないのに、こんな生活が5年も続いたのかと思うと、先生の風貌の変化も
わからないでもない。
もしかすると、何十年も「カラダ探し」をした人達がいたのかもしれない・・・。

なぜ5年もかかったのかは、順調に進めている私達には必要ない情報だと、教えてもらえなかった。



その後私達は、「時間」までに体を休めるよう、男女別室に布団を用意してもらった。
そして21時・・・遥が「カラダ探し」を頼みに来る時間だ。

「カラダ探し」を頼まれる時間が昼から夜に変わって以降、遥への恐怖心が募る一方で、
私達は12時以降の「カラダ探し」とは、別の恐怖を毎晩味わわねばならなかった。

覚悟はしていたつもりだった。
けど、フッと周りが暗闇と無音に包まれ、闇の中に自分一人になった不安感に押しつぶされそうになった時、
痛くて冷たい視線を感じた。


頼むなら、早く頼んでしまってよ!!と思った時、暗闇に遥の顔だけが白く浮かびあがった。
「ねぇ明日香・・・私のカラダ、探して」
その目の暗闇の深さにゾッとした時、遥の首が落下していき、遥の長くて黒い髪が
この闇を作っていたことがわかった。






私は、その恐怖に体の震えが止まらず、放心状態だった。
恐らく、高弘と翔太にも異変があったのだろう、八代先生が心配して女子の様子を見に来てくれたが、
私達3人はそれに反応することもできないほどに、恐怖で体が動かなかった。


先生は、「こんな時間に頼まれるのか・・・いや、それより他の人からはこんな風に見えているのか・・・」と驚いていた。



もうすぐ7度目の夜を迎える。

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カラダ探し 第一章 3巻 26話 「七日目-2」

2016年04月26日 | カラダ探し第一章(完)
八代先生は、私の書いた「カラダ探し」のノートを見て、感心した。

だけど、自分の知っている事をなかなか言おうとはしない先生に、
翔太は「先生がカラダ探しを操作しているんじゃないですか!!?」とぶちまけた。

私も、カラダ探しの全ての事が知りたくて叫んでしまった。
「矢代先生はなぜ「カラダ探し」を知っているんですか!?答えてください!!」

先生は、「カラダ探し」側と云われたことが相当心外だったようで、
「わかった。僕の知っている事を全て話そう。放課後に来てくれ」と言ったその顔は
何かを決意したようだった。



健司を除く私達5人は、放課後、八代先生の自宅へと向かった。
独身の一人暮らしの想像と違って、古い立派な一軒家で、通された部屋もきれいに整理されていて、
私達は意外に思った。

問題は、その奥の部屋だった。
その部屋は壁、床一面に足の踏み場も無い程に「カラダ探し」の事で埋め尽くされていた。
たくさんのお札やお守りのようなもの、新聞記事などもあった。

先生も高校時代、「カラダ探し」をさせられていたのだという。
私達は驚いた。
しかも、終わるまでに5年もかかったのだと言う。「カラダ探し」に5年!!!



5年の月日の間、「カラダ探し」の呪いから逃れようと、先生が必死で集めた
様々な情報が、この部屋だったのだ。

改めて周りを見ると、壁に、「赤い人」を丁寧に描写した紙も貼られてあり、私は違和感を覚えた。
いくら、「赤い人」の情報が欲しくても、ここまで完璧に描写した絵を、「カラダ探し」の時間で
ない普段も見ていたいと思うものなのだろうか、と。
また、その絵があまりに上手に描かれすぎている気もした。


その部屋で、私達は「赤い人」の歌ううたが何の歌なのかを聞いたが、
先生は、歌の事は知らないと言う。
そこで私は、覚えていた「赤い人」が唄っている歌を口ずさんだ。

先生は、歌を聴くうちに、苦しそうな表情をうかべて少し様子がおかしくなった。
だが、もっと大きな異変が起こる。
壁に貼られてあった「赤い人」の絵の美子の絵がずずず・・・と変化し、
「カラダ探し」の時に見せる殺人を笑う”あの顔”に変わったのだ。

先生は、こんな絵を書いて貼った覚えはないと言う。


私達は、夜の「カラダ探し」の異時限空間でもない時に「カラダ探し」に
ひきずり込まれたような気がして、戦慄した。











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カラダ探し 第一章 3巻・25話 「七日目-1」

2016年04月25日 | カラダ探し第一章(完)


今日で「カラダ探し」が始まってから一週間。
私はノートに、今までわかった事を書き留めてみた。

・校舎に入らねばならない。
・校内放送が流れて「赤い人」が現れる。

「赤い人」の移動パターンは3つ
①歩く(歌を唄いながら)
②校内放送で場所を指定される
③「赤い人」を見た誰かが振り返る

・最も優先順位が高いのが③
・基本的には「校内放送」→移動
・振り返った時は移動→校内放送

・放送室のドアを開けようとすると、「赤い人」が背後に現れる。

わからない事は、たくさんあった。
○なぜこのメンバーが「カラダ探し」に選ばれたのか
○「赤い人」と「放送室の人」は誰
○何の目的、意思でこれをしているのか
○「赤い人」が唄う、歌のいみ
○健司の異変
○遥は生きているのか、何なのか
○「カラダ探し」が終わった後はどうなるのか


そのノートを持って、私達は八代先生を訪ねた。
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カラダ探し 第一章 3巻・24話 「六日目-4」

2016年04月24日 | カラダ探し第一章(完)

翔太は、「赤い人」に背中からしがみつかれていた。
でも翔太は「赤い人」を振り払う事よりも、図書室で見つけた"脚"を、棺桶まで運ぶよう明日香達に言った。
「誰か持って行けぇぇぇ!!!」


だけど、翔太が心配でここまで来たはずの留美子が「フン!アンタが自分で持っていけば?
翔太。男の意地があるんでしょ?」
と言うと、その場を一人ダッシュで離れて行ってしまった。


私は留美子の行動に戸惑いつつも、「赤い人」が歌をうたい終えるまでに翔太から
"脚"を受け取ろうと、覚悟して翔太と「赤い人」に近づいが、間に合いそうもなかった。歌が終わってしまう!!!

歌がおわると思った瞬間、翔太の背中からフッ!と「赤い人」が消えた。
そして、校内放送が「赤い人」が西棟2階に現れたことを告げた。

私と翔太は、驚いた。
これはまさか、留美子が・・・!!!


留美子は、わざと「赤い人」を見てから場所を離れ、歌が終わる直前に自分の意志で振り返り、
自分に「赤い人」をおびき寄せたのだった。
(役に立っていないのは私も同じ・・・、翔太だけにかっこつけさせないよ・・・)
留美子は、目の前に現れた「赤い人」に殺された。

私は留美子が、翔太に男の意地を果たさせる為に、自分を犠牲にして翔太を助けた意図を汲み、
この脚を絶対に翔太の手で棺桶に入れさせてみせる、と決心した。
もしも、翔太が棺桶に収める前に「赤い人」に捕まったなら、今度は私が振り返る!!!



これが成功すれば、留美子と翔太の関係も戻り、翔太も堂々と協力してくれるようになり、
カラダも残り半分となる・・・はず。

私と理恵は、翔太を助けれるよう、翔太と別ルートから棺桶のあるホールへと向かった。


私達がホールに到着した時、翔太は再び「赤い人」に背中にしがみ付かれていた。
だけど翔太の顔は、ホッとしたような顔をしていた。


翔太は無事に、自分の手で"脚"を棺桶に収めていたのだ。


これでおれはやっと皆と向き合える・・。
翔太はそのまま、背後から腹を真っ二つに引き裂かれて殺された。



私と理恵は「赤い人」が翔太を殺す瞬間を一部始終見てしまい、それで我に返った。
今まで、いろいろ考える事が多くて気が紛れていたけど、私は今から、ああやって無残に殺されるのだ・・・!!
瞬間的に、殺される時の恐怖、絶望的な痛みが体を駆け巡り、嫌だ、嫌だ、嫌だ、殺されたくない!!!
逃げたい、怖い、怖い、怖いという気持ちが一気に蘇ってきた。

私と理恵は無我夢中で逃げ、着いた先が屋上だった。
あの恐怖を一瞬でも忘れていたなんて、どうかしていた・・・。


屋上は逃げ場゛ない事に気づいて降りようとすると、誰かが屋上に上ってきているのが見えて、
引き返した。あの歌を唄っている!!!


屋上に上がってきていたのは「赤い人」ではなく健司だったが、健司の様子が異様だった。
顔中に血管を浮かせて異様な形相で「赤い人」の歌を唄っていたのだった。


私と理恵は、健司の様子を恐怖を感じながら見ていると、健司は屋上の柵を乗り越えて躊躇なく飛び降りた。
飛び降りる時に見せた一瞬の健司は、涙を流して、何かに抵抗しているようにも見えた。

私は、飛び出して落ちた健司を確認しようと、柵に駆け寄った途端、柵のその部分だけがパキンと切断された
ように切れて、私は屋上から落下した。
この柵は、遥が落下したあの場所と同じ場所だ・・・・。
そう思いながら、落下の途中で私は気を失い、そのまま翌朝を迎えた。


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カラダ探し 第一章 3巻・23話 「六日目-3」

2016年04月23日 | カラダ探し第一章(完)
カラダ探し六日目が始まった。

健司と二人きりになった高弘は、健司の異変を目の辺りにしていた。
健司が異様な顔つきで、「赤い人」のうたを唄いだしたのだ。


その後、玄関には1人の遺体が横たわる。


私達女子3人は、前回健司に邪魔されて調べることが出来なかった、生産棟3階の「音楽室」を探した。
すると校内放送は、「赤い人」が私達のいる生産棟3階に現れたことを告げた。

近い・・・近づいてきている。
私達は、音楽室の奥の「準備室」に入って息を殺した。
もしもここに入ってこられたなら、逃げる場所はない。

「赤い人」は、まっすぐに私達のいる「音楽室」に入って来て、うたが止まった。
ヤバイ!!見つかってる・・・!!!
そう思った時、ポロン・・ポロンポロンと、ピアノの音が聞こえてきた。
そして、キャハハハハハ!!!という笑い声と共に、ピアノの音は無茶苦茶に叩かれて激しい音をたてていたが、
暫くするとピアノをやめて、再び歌を唄いながら外に出て行ったようだった。



私達3人はおそるおそる準備室から音楽室に出ると、ピアノの鍵盤が血で真っ赤に染まっていた。
だけど、足跡は一つもついていなかった。



「赤い人」から開放された私は、少し安心したからか翔太の事が心配になった。
私は理恵と留美子に、翔太が酷いことを言った事を反省していること、皆と協力したいこと、
でも男の意地で、一人でカラダ探しを頑張っていることを話した。
留美子は、翔太と仲たがいしていたが、その話に思うところがあったようだった。



すると今度の校内放送は、「赤い人」が「東棟2階」に現れたと言う。
そこは、翔太がいるかもしれない場所。

留美子は、危険過ぎる西棟2階を通る「図書館」を探しに行こう、と言い出した。
理恵も私もわかっていた。
留美子も翔太に酷いことを言って追い詰めたことを反省していること、頑張っている翔太が心配で、
様子を見に行くことを。

私達がおそるおそる西棟2階に近づくと、翔太が「赤い人」にしがみつかれて叫ぶ声がした。
体が硬直する私と理恵をおいて、留美子が翔太の声のする方へ駆け出したので、私達も留美子の後を追った。

行き着いた先では、やはり翔太が「赤い人」に背中にしがみつかれていた。
そして翔太は、"脚"を抱えていた。
翔太は私達の人影を確認すると「誰でもいいから、これを持って行けぇぇ!!!」と叫んだ。



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カラダ探し 第一章 3巻・22話 「六日目-2」

2016年04月22日 | カラダ探し第一章(完)

私達女子3人は、今日も「時間」まで私の部屋で過ごしていた。
すると翔太から私のケータイに『小野山美子』の事がわかった、と連絡が入った。


早速、画像をケータイに送ってもらうと、確かにその写真は『赤い人』だった。
翔太から続けて送られてきた古い新聞記事には、50年前にこの町でおきた、
バラバラ殺人事件の事が書かれていた。


被害者は「小野山美子」11歳。遺体は当時建設中だった高校の校舎に、隠されるように
散らばっていた。この事件の犯人と思われる人物は直後に自殺した為、事件の真相はわからない。

3人で、もう一度「小野山美子」の写真を見ていると、ケータイの画面がじわ~と赤く染まっていき、
新聞の小野山美子の写真が、「赤い人」のようにニタァと笑ったので、私は驚いてケータイを落とした。

これではっきりしたことは、八代先生は『赤い人』の正体が『小野山美子』だと言う事を知っている。
きっともっと何かを知っているはず・・・!!


そこで私達は、"昨日"遥が「カラダ探し」を頼みに来た時間を迎えた。
私達は、とても一人で受けきれない位に、遥が怖くなっていた。
今回は3人で密着して布団に潜り、目を閉じ、耳を塞いでやり過ごそうと考えた。
高弘が、遥を寝過ごせたのなら、私達にも出来るはず。



お願い、このまま来ないで!!そう強く願っていると「明日香、もう大丈夫みたいだよ」と理恵の声がした。
私は、ほっとして目を開け、塞いでいた手を耳から離したが、理恵の様子がおかしかった。
「あ・・・明日香・・それ・・・私じゃない」
私達がおそるおそる周りを見ると、遥が私達の居るベッドの枕元に座って、私達3人を見ていた。
「ねぇ皆・・・私のカラダを探して・・・」
私達は、どうやっても「カラダ探し」から逃れられない何度目かの絶望を味わった。





「カラダ探し」六日目

「赤い人」の名前がわかっても何も変わらず、私達はカラダを探すしかなかった。
今回は、高弘にがっちりと健司を掴まえてもらった上で、先に女子3人と翔太が校舎に入った。
健司の様子は、ますますおかしくなっているようだった。



校舎に入るとすぐに翔太は私達と別れたが、翔太の「・・・皆、頑張ろうぜ・・」という声は届いた。
みんながまとまってきた、あとは健司だけ。


でも、その健司の暴走は私の想像を越えていた。
校舎玄関で、高弘と二人になった健司は「あ~かいふ~くをくださいな~、し~ろいふ~くも・・・」とあの歌を歌いだした。


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カラダ探し 第一章 3巻・21話 「六日目-1」

2016年04月21日 | カラダ探し第一章(完)
5日目の「カラダ探し」は、私と留美子、そして高弘も健司の手によって殺された。
健司の精神状態が酷かったとしても許しがたいが、私は健司が言った
「わけのわからないヤツがオレの中に入ってきたんだ」という言葉が引っかかっていた。


6日目の朝、健司に殺されて腹が立っていた高弘は、明日香まで殺したと聞いてさらに激高した。
留美子は、横で「私も殺されたんだけど~」と言っても高弘は聞いちゃいない。



今回の事と、八代先生の事を、翔太にも話しておかなければならない。
高弘と留美子は、翔太と顔を合わせづらいと言うので、私が翔太に話をしに行った。

翔太は、健司が理恵を襲って、3人を殺したと聞いて驚いた。


私は翔太に、また皆と協力してほしい事を告げると、翔太は暫く考えてから言った。
「オレさ・・・三日目に皆にヒドイ事言っただろ?オレの方が頭いいとか、皆には見つけられないとか、
なのにオレはまだカラダを見つけた事がないから、皆に合わせる顔がなくてさ・・・
オレはカラダを見つけるまでは一人で動く」
と宣言した。

でもすぐに「あ、でも皆と一緒にいるのが嫌なわけじゃない、・・・これは男の意地ってやつだ」と言った。



男の意地かぁ・・・そういえば三日目に高弘も、約束したからと言って危険を顧みずに理科室に向かって行ったっけ。
男って、もうなんでこうなんだろ、と思うと可笑しくて笑ってしまった。

翔太には「何笑ってるんだよ、、、皆には言わないでくれよ」と口止めされた。
それも"男の意地"ってやつなのかもしれない。
私は、翔太の内心が知れて、なんだか嬉しかった。


その後、翔太はみんなと合流して、八代先生の居る旧校舎へ向かった。
私から一通り八代先生の説明を聞いた翔太は、「その八代先生がもしも、「カラダ探し」をさせている
側だったら、どうする?」
と言い出した。私には、そんな発想がなかったから、驚いた。
そうだったとしても、少しでも「カラダ探し」の事を知りたいと思う。


"昨日"と同じ時刻。
八代先生は旧校舎で私達の姿を見つけると「君達は農業科の生徒じゃないね、サボりか」と言った。
私達には"昨日"と"今日"は違っているけど、「カラダ探し」をしていない先生は、11月9日のままでしかない
から、先生にとって私達は"今日"初めてみる生徒になる。

私は、先生は「カラダ探し」を知っていると踏んで話をふると、先生は、そのギョロリとした目玉を動かして
「君達は・・・あれに関わってしまったのか。僕はどこまで話したのかな?」と言った。

この先生、やっぱり「カラダ探し」のことを知っているんだ!!!私達の間に衝撃が走った。

私はあわてて「いえ、まだ何も。「カラダ探し」を呪いとだけ」
すると先生は「そうか、じゃあ僕に会うのは「昨日」が初めてだったわけだ」と言い当てた。
私達には、なぜ記憶がないはずの先生が、ここまでわかるかがわからなくて戸惑っていると、
翔太が先生との交渉を買ってでてくれた。

だけど、翔太が先生の知ることを聞き出そうとしても、先生は答えてはくれなかった。
ただ、去り際に「一つだけ、『小野山美子(おのやまみこ)』を調べて"今日"またこの時間に来なさい」
言ってその場を離れた。



翔太の説明によると、先生はDVDのチャプターのように、初日のキーワードは「呪い」、
二日目のキーワードを「小野山美子」と決めていて、相手の知る内容によって、今が何回目の接触であるか
をわかるようにしている・・・・ことらしい。



私達は、この恐怖から一刻も早く逃れる為に知りたいことだらけなのに、先生がどうして、そんな回り
くどいやり方をしているのかはわからない。先生が敵か味方なのかもわからない。

とにかく私達は手掛かりである『小野山美子』について学校の図書館を調べたけれど、
卒業生、先生、関係者にのそ名前はなかった。
私達女子3人はそこで諦めて帰って来たけど、翔太は引き続き調べると言って出て行った。

私達は翔太が協力的になってきたこと、やはり頭がよくて、頭脳的なことで頼りになることを嬉しく思った。
あれも"男の意地"ってものなら、捨てたもんじゃないかも、なんて思っていた。


その後、翔太は私立図書館で『小野山美子』の手掛かりにたどり着く。








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