まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【カラダ探し】など

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東京喰種トーキョーグール 3巻 025「開眼」

2016年06月29日 | 東京喰種トーキョーグール


【喰種グール】を掴まえて殺し、赫子を取り出して、「喰種捜査官」の対喰種用武器にするという【喰種】への侮辱と、殺した母親の赫子を娘に見せ付けるという人でなしな行為に、トーカの怒りは収まらなかった。

チナミの悲痛な叫び声が、トーカの仲間思いの優しい気持ちを、激情へと駆り立てる。
それも、真戸の狙いだった。

「・・・こ・・・んのッ・・ゲスッ野郎ォ!!!」
トーカは赫子を沸き立たせて真戸に向かっていくが、リョーコさんの赫子が真戸を守って、トーカの攻撃を無効にする。


真戸は笛口リョーコの赫子クランケを振り回し、防御型から攻撃型へと形を変えさせた。
「学習してないな、ラビット。相変らず直情的で、思考が短絡、果てしなく愚かで・・それゆえ命を落す」
真戸の目がニヤリと笑った時、リョーコさんの赫子がトーカの体を突き刺し、腹をえぐった。
「お前は、いい"材料"になりそうだ」



母の赫子が、お姉ちゃんを殺す・・・チナミの心は張り裂けんばかりに悲痛で、でも無力なチナミはどうする事も出来ず、母の時がそうであったように、今も泣き叫びながらトーカが死んでいくのを見るだけしかできなかった。
真戸は、そのチナミの悲痛な叫び声にゾクゾクして「良いね!愉快だ!もっと響かせろ!!!」と興奮を覚えた。

真戸は左手に蝶型の『クランケ』を持ったまま、右手で足元の節足動物型の『クランケ』を拾い、両手に2種の『クランケ』を持ってトーカに言った。
「笛口リョーコを、"旦那の方"で仕留めた時は一興だった。お前は"どちら"で葬ってやろうか?ん?」

リョーコさんを、夫の赫子を使ったクランケで殺したのか・・・、なんて残酷な・・・。
リョーコの赫子クランケに体を貫かれたまま、トーカは「ころ・・すぞ・・・クソジジィ・・・」と憎悪の顔で睨んだが、真戸にはそれが滑稽ですらあった。
「フン・・・死肉を貪るハイエナ・・・ゴミめ。一体なぜ貴様らは罪を犯してまで生き永らえようとする?」




トーカはその問いに答えた。
「生きたい・・・って思って何が悪い?こんな・・・でも・・・せっかく産んでくれたんだ、育ててくれたんだ・・。
ヒトしか喰えないなら、そうするしかねぇだろ・・・。
こんな身体で、どうやって正しく生きりゃいいんだよっ、どうやって・・・!
テメェら自分が【喰種】だったら同じことが言えんのかよッ・・・・!
ムカツク・・死ね!死ね死ね死ねみんな死んじまえッッ!!畜生・・・ちくしょ・・・【喰種】だって・・・
私だって・・・アンタらみたいに生きたいよ・・・!!」

そう言ったトーカの目は白かった。もう【喰種】の赫眼ではなく、人間となんら変わらない目だった。




だが、相手が悪い。これが亜門相手だったなら、トーカの言葉に何かを感じていたかもしれないが、【喰種】に感情なんてものを認めていないばかりか、自分の快楽の対象とする真戸に、トーカの気持ちは伝わるはずもなかった。
「・・・それはそれは、聞くに耐えんよ、もう十分だ、死ね!!」
真戸は、”笛口の夫”の方のクランケをラビットめがけて振り上げた。




亜門とカネキの戦いの方も、亜門の『クランケ』の前にカネキの赫子は歯がたたず、亜門の一方的な攻撃にカネキは地面に叩きつけられるばかりだった。
この、弱すぎる【喰種】なら会話をする暇もあると踏んだのか、亜門は【喰種】に話しかけてきた。
「貴様らに一度聞いてみたかった。罪のない人々を平気で殺め・・・己欲望のまま喰らう。貴様らの手で親を失った子も大勢いる。残された者の気持ち・・・悲しみ・・・孤独・・・空虚・・・お前達はそれを想像したことがあるか?

ラビットと呼ばれる【喰種】が、私の仲間を殺した・・・。ほんの数日前だ。彼は何故殺された?捜査官だからか?人間だからか?
ふざけるなッ!!彼の一体どこに・・・!!」
と言いかけて亜門は言葉に詰まり、涙が溢れてきた。


涙をこらえた亜門は、耐えがたきギリギリとした悔しさを滲みだして言った。
「・・どこに彼が殺される理由などあった?・・・この世界は間違っている!!!歪めているのは貴様らだ!!!!」



赫眼が消えて"人間"となった僕には、その話が痛いほどにわかる。
仲間の命が奪われて怒るのは当然だ。トーカちゃんが殺した捜査官や、他の【喰種】が喰らった人達・・・。確かに多くの【喰種】が数え切れないほどの悲しみを生み出してきたんだろう・・・。この人の言う通り、【喰種】はこの世界を歪めている。
僕だってそう思う部分はたくさんあるし、彼の言う事は・・・正しい。僕に何も言い返せない・・・。


でも・・・・・。
僕は、穏やかなリョーコさんの笑顔、いろんな事を覚えたいと笑うチナミちゃんを思い出していた。
リョーコさんやチナミちゃんの生き方は【喰種】として間違っていたのだろうか?
大切な人を殺される悲しみや孤独は【喰種】だって同じじゃないのか。【喰種】にだって感情はあり、ヒトと変わらない。
この人はそこに目を向けないのか?この人さえも、それを思ってくれないのか・・・

と思いかけて、僕はハッとして心臓が張り裂けそうにドクンと脈打った。


僕だけだ。
それ気付けるのも、それを伝えられるのも・・・・。
「あんていく」の店長の言葉が、今やってわかった気がした。
どちらでもないんじゃなく、どちらでもあるんだ。
【喰種】の僕だけだ・・・・"人間"の僕だけだ・・・・両方の気持ちがわかるのは---------!!!




僕の中である一つの答えが出た。
僕は立ち上がりながら、この人情派の捜査官に言った。
「あなたの言う通りです。多くの【喰種】は道を誤った。ラビットという【喰種】もその一人だと思います。
・・・僕もあなたの言う事はよくわかる。だけど・・・相手のことを本当に知らないまま、間違ってるって決めてしまうなんて・・・そんなのが正しいなんて、僕には思えない。もっと・・・知るべきなんだ・・・みんな・・・。」


亜門は、まさか【喰種】が答を返してくるとは思っていなかったし、言ってる意味が全くわからなかった。
「・・・何を言っている?・・・全く意味がわからん・・」

僕は捜査官をまっすぐに見て答えた。
「・・・だったら、わからせます」


それが自分の使命のような気がした。






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