まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【カラダ探し】など

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東京喰種トーキョーグール 1巻 008「赫子」

2016年06月18日 | 東京喰種トーキョーグール
錦は、ヒデに嘔吐物をかけ、その体に足を乗せて言った。
「コイツとは長年の付き合いなんだろ?いつ、どうやって喰う予定だったんだ?」



僕はヒデを侮辱された上に、食い物扱いされることが許せず「喰いモノじゃない!!その足をどけろ!!」と怒鳴った。



だけど錦は面白がって、「どの脚?」とさらに足でヒデの顔面を踏みつける素振りを見せたため、僕はそれを阻止する為に錦に殴りかかった。

錦の力で踏まれると、ヒデは死ぬかもしれない。
ぼたぼたと流れる血も痛みも忘れ、全力で走ると持っていた鞄を力いっぱい振り回した。
だが、生粋の【喰種】の中でも強い方で、ケンカ慣れしている錦に、ケンカなんてしたことのない僕が敵うわけもなく、僕は錦の一蹴りでかなりの距離を吹っ飛ばされた。


ふっとんで行く僕を見て「どうだ?キクだろ?俺の蹴り。本気出せばトーカやヨモにも引けを取らない」と錦は満足気につぶやいた。


「・・・しっかしお前もわかんないヤツだな。所詮人間なんて喰種にとって、ただの捕食対象(くいもの)、人間にとっての豚や牛と同じだろ、家畜同然の奴らと"友達ごっこ"て、お前楽しいの?」と錦は聞いてきた。

僕は、痛む体から声を絞り出して「・・・ごっこじゃない」と答えた。
僕は本物の"人間"なのだから。

その後錦が続けた言葉は、僕には意外だった。
「それが本気でも、永友を選ぶのは危険だと思うけどな。
アイツは見た目や言動こそバカっぽいけど、周りが視えてる。
そういう奴が身近にいると、何かとやりにくいってお前、わかんねぇか?
ここに来る前に一度お前を返そうとしたのも、俺から何か感じ取ったからかもな」


確かにヒデはカンがよく、僕の変化によく気づいた。
だけどそれは、長年のつきあいがあるからだと思ったけど、他人から見てもそうなのか。

錦は、僕がケンカに弱い事を確認すると、再び強烈な蹴りで僕を壁まで吹っ飛ばした。
僕に敵うわけがないじゃないか・・・こんな化け物に・・。
今までずっと本ばかり読んで、ケンカなんて一度だってした事がない僕が・・・。
激しい痛みと遠のく意識の中で、僕が思ったのは「お腹・・・空いたな・・・」だった。


ボロボロになって地面に叩きつけられ、意識朦朧としている僕に、錦はトドメを刺そうと近づいきた。
体から「赫子(かぐね)」と呼ぶ触手のようなものを出し、それを使って殺すつもりのようだった。



が、その錦の腕を、気絶しているはずのヒデが掴んだ。


錦の動きが止まった。
「無意識で手が出たのか狸寝入りかどっちだ?ま、どっちでもいいか、じゃあな永近」
と、錦はヒデの体を踏みつけようとした。
どの道、ヒデを生かして帰すつもりはないはず。


僕の頭の中を、走馬灯のようにヒデとの思い出が駆け巡った。
僕の毎日の中には、必ずヒデがいた。
出会いは小学校の時だった。
転校生のヒデが、いつも一人で本を読んでる僕に声をかけてきてくれたんだ。
「俺、引っ越してきたばかりで友達いないんだ。
だからお前、俺と友達になってくんない?」



今思えば、あれはクラスに馴染めていない僕を気遣って、声をかけてくれたのかもしれない・・・。


ヒデは、今もまた僕のことを救おうとしてくれていたのかもしれない・・・・。
ヒデは、いつも僕の事を思い、僕の”居場所”でいてくれた。


ヒデが殺されるのは、嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。

鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。卵は世界だ。
生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。
そんな、ヘルマン・ヘッセの小説の一節があったっけ。


ヒデが殺されるのは・・・そんなの、ゆるせない。

僕は立ち上がった。








全体的に『進撃の巨人』と似ているところはあると思います。
人類と、それを捕食する"敵"。
人類が食物連鎖の頂点ではなく、エサとして食べられるという恐怖。
その捕食者が"ヒト型"であり、ヒトの感情(らしきもの)を持つというところ。

そして人類側である主人公が、ある事件を境に"捕食者側"に変化する、というところも、『進撃風』だと思いました。
ただ、『進撃』よりスケールが小さい分、リアルな日常感に主人公や"敵"への感情移入もしやすいです。

『進撃』もそうですが、本来"敵"がその本領を発揮するのは、人類を捕食する為や自己防衛の本能的行動ですが、"人間"である主人公は、誰かを守りたい、という感情でもって、爆発的な能力を発揮する。
"敵"の特徴的攻撃を、"人間らしい心理"によって呼び起こす、という行動は、『デビルマン』『ゲゲゲの鬼太郎』などの古典的ヒーローにも通じるところがあるかな、と思う安定感があるように思います。(これらは本来敵側の者である、という別の面白さもありますが)

誰かを守りたい、と思った主人公はかなり強い。
そして本来の能力的、血統的スペックも実はかなりのハイクラス、という設定は、
漫画の定説ではあると思います。
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