まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【カラダ探し】など

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ホムンクルス (漫画レビュー)

2017年10月30日 | 漫画紹介


【作者】山本英夫
【連載】ビッグコミック

【ジャンル】「ヒューマンドラマ」「トラウマ」


【概要】
裕福なビジネスマンであった「名越」は、今は愛車1つを持つだけのホームレスとなっていた。
そんな彼に医学生の伊藤が、頭蓋骨に穴を開けて第六感を呼び覚ます「トレパネーション」の実験をもちかけ、名越は金目当てで了承するも、実験後の彼の目に様々な「怪物(ホムンクルス)」が見えるようになる。それは、その人の持つ心の闇と名越の闇が共鳴してみせるもののようであった。
市井に生きる「普通の人達」の抱える心の闇に焦点をあて、人間とは何なのか、心理とは何なのかを考えさせられる圧巻のヒューマンドラマでした。


【ストーリー】
新宿西口の高級ホテルと、ホームレスがたむろして生活する公園の間の路上で車上生活をしている主人公「名越」(34)は、他のホームレスと一線をひいて、ひかれて暮らしていた。
決してスーツを脱がない、決してなれ合わない、決して車を手放さない、プライドを捨てない虚言壁のある男。
彼の唯一の趣味であり、愛する相棒は車。車の中ではきつい方言で独り言をつぶやき、唯一素の自分に戻れる場であった。






名越はある日、不信な若い男から「70万円で頭蓋骨に穴を空ける人体実験をさせてほしい」と持ち掛けられる。
その実験は「トレパネーション」と呼ばれる実験で、成人の頭蓋骨に穴を空けて圧を変えることで、幼少期のような脳の状態となり、第六感が芽生える可能性が、というものだった。



怪しい話を断ったいた名越だったが、愛車を動かす金も底をつき、おまけにレッカー移動されてしまう。愛車を失った名越は平常心を保つことが出来なくなり、仕方なく金目当てに実験に参加することを決断する。



男は伊藤と名乗る医学生で、自宅の一室を手術室にして、一人で闇手術を施していた。






トレパネーションなんてものを信じていなかった名越は、手術後の自分に起きた変化に驚愕する。
左目だけで周囲を見ると、周囲の人間の中に「怪物」が見えるのだ。









だんだんとその怪物「ホムンクルス」は、その人が抱える無意識下の心の闇が、名越の第六感と共鳴して見えていることがわかってくる。


試しに、指をつめるのが趣味のやくざの親分の「ホムンクルス」を一つ一つ解いていくと、親分の幼少期のトラウマが解消し、それと同時に親分のホムンクルス化はされなくなった。
親分と名越との共鳴点は、子供時代に友達を傷つけた罪悪感というトラウマであった。











親分は、名越との接触によって無意識下に抑え込んでいた罪悪感と向き合い、謝罪する事で罪悪感のトラウマから解放され、ホムンクルスのない姿へと変貌していった。
だが名越は、自身が無意識下に抑え込んでいた少年時代に友達を傷つけた記憶を呼び覚まし、親分のホムンクルスの一部を自身の体に取り込んで自身をホムンクルス化させてしまうのだった。
















名越の目に映るホムンクルスは、心の闇を抱えている人間かつ、名越が共鳴する人間だけである。
その左目に写る名越自身、そして目の前の医大生伊藤もまた、ホムンクルスだった。






名越と伊藤は、「トレパネーション」の解明としてホムンクルスの原因を探っていくべく、精神病院やブルセラショップで働く人との接触をはかる。その中で出会ったのが、「砂の少女」であった。






「砂の少女」の抱える深い闇は、伊藤を呑み込み壊してしまう。
少女に対応したのは、名越だった。名越は少女の処女を「犯す」という形で無理矢理奪うと・・・!!

人々の深層心理と、自分自身の深層心理の痛い部分をえぐりながら、二人はホムンクルスと向き合い続けます。


【感想】
人間の深層心理や記憶の中には、生きる過程で蓄積されて「思い出したくない事」があり、人によってはトラウマを抱えている。
その誰にも知られたくない、自分自身も直視したくなくて蓋をして生きている深層心理の闇を、第三者に覗きこまれ、えぐられるる不快感のようなものを感じる漫画でした。
だんだんと、自分の目に映る世界が偽りの世界なのでは、自分の精神にも闇があるのでは、と思ってしまいました。

人間の心理を描くだけあって、表情の描き方が何ともいえず巧みで、顔の僅かな筋肉の動き一つ一つに魅せられました。
話の奇想天外さと、それを裏づける説得力のある理論、展開の意外性・・・どれをとってもさすがの秀逸さで、人間とは何なのか、心理とは何なのかを考えさせられる圧巻のヒューマンドラマでした。






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1 コメント

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はじめまして (Unknown)
2019-02-04 19:44:21
面白い作品でしたよね。

ところで

不信な若い男

不審な若い男

が正しくありませんか?

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