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シンガポールの学力は世界4位

2011-02-27 00:00:11 | Weblog
「シンガポールの景観」2011年1月16日で、
1)世界会議の開催で、シンガポールは5位。
アジアでは、魅力ある都市のトップである、ことを書いた。

ほかにも、シンガポールにはいいニュースがある。
2)シンガポール学力は世界4位。
 学力調査PISA2009で、シンガポールは世界4位である。

PISA(Programme for International Student Assessment)は、
知識や技能の学習到達度の調査である。

義務教育が終わる15歳を対象に、
読解力と数学、科学の試験と、
学習する態度や環境などを調査する。

これは、世界の文教関係者が、
☆自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
☆生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか?
 国際比較を知りたい。
 という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。

最初のPISAの調査は2000年に、
OECDに加盟している32か国で実施した。
以後、3年ごとに実施し、回を追うごとに、
参加国と地域が増えてきている。
2003年は41、2006年は56、
2009年は65の国と地域が参加した。

シンガポールは、OECDに加盟していないから、
PISAには、当初、参加していなかった。

しかし、シンガポールの学力には高いデータがある。
国際教育到達度評価学会(IEA)の数学、理科の調査である。

小学4年生の算数と理科、中学2年生の数学と理科の、
5位までの順位はつぎである。

小学4年生の算数。

2007年の算数は、シンガポールが2位で、日本は4位である。
年代ごとにみても、シンガポールは、日本を上回っている。

小学4年生の理科。

2007年の理科は、シンガポールが1位で、日本は4位である。

中学2年生の数学。

2007年の数学は、シンガポールが3位で、日本は5位である。
年代ごとにみても、シンガポールは、日本を上回っている。

中学2年生の理科。

2007年の理科は、シンガポールが1位で、日本は3位である。
年代ごとにみても、シンガポールは、日本を上回っている。

もし、シンガポールがPISAの学力調査に参加すれば、
日本よりも好成績が期待できる。

そして、シンガポールはその通りになった。
初めて参加したPISA2009で、
シンガポールは世界4位と、高い学力であることを示した。
日本は、6位である。

PISAは、読解力、数学、科学の点数を公表している。
3科目の点数を合計した総合点を求めて、ランキングを作成した。
PISA2000、PISA2003、PISA2006、PISA2009の、ランキングの推移はつぎである。

PISA2009の1位は上海、2位香港、3位フィンランド。

上海は初参加で1位である。
中国の参加は、上海という地域に限定しているが、中国全体の学力をみたい。
「いい成績をとれば、自分の未来が開ける。そして、国に貢献できる」
という中国人の学ぶ意識が高いことと、
一人っ子政策」で、教育に力を入れているが、その成果をみたい。

2位香港は、PISA2003が初参加で、3位と、すばらしい。
その後、香港は2位を維持している。

香港の学力が高いことについては、
「香港の通知表」2009年6月14日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/11f2b588d5ff65964b2f11914ae9f898)
で触れているので、参考にしてください。

3位フィンランドは、当初からPISAに参加して、
学力の高さを示した。世界が驚嘆し、注目した。
学力トップの座」を、韓国、香港とともに、競ってきている。

フィンランドの学力が高い秘訣については、
「世界一の学力フィンランド」2008年10月12日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/824326044ee8468bf2892acd05e0255e)
に記載したので、参考にしてください。

5位韓国も、当初からPISAに参加していて、学力が高いことを示している。
韓国の学力が高いことについては、
「PISAで高成績の韓国」2008年9月14日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/ccd64d2a38abfb5095e19082920c50d1)
に記載したので、参考にしてください。

シンガポールは、PISA2009が初参加で、いきなり4位である。
学力のトップの座は、これまで、フィンランド、香港、韓国が、
競ってきたが、今後は、シンガポールが加わってきそうだ。

PISA2000から参加している国のランキングの推移はつぎである。

学力が常に高く、安定しているのは、フィンランド、韓国である。
香港は、PISA2003から参加のために、このグラフにはあらわれない。

カナダ、ニュージーランド、オーストラリアは、当初から高い学力を示している。
これらの3国は、大英帝国に属し、パブリック・スクール(私立)では、
親元を離れた中高一貫教育のボーディング・スクール(寄宿舎)で、
自主性を育て、責任と規律を重んじる紳士、淑女のエリートを養成する、
という大英帝国の教育の影響を感じる。

しかし、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアは、
香港、シンガポール、台湾、上海のアジア勢の参加によって、
順位を落としている。

大英帝国の教育については、
「イギリスの通知表」2008年9月14日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/9618315fdff7114fa753f65887021143)
で触れてあるので、参考にしてください。

日本のランキングは、変動が激しい。
PISA2000では1位だったが、PISA2003で5位、PISA2006では10位と低下した。
PISA2009では、6位に盛り返したから、これで、凋落に歯止めがかかればいい。

日本の各科目の順位と点数の推移はつぎである。

日本は、読解力が苦手である。
数学と科学は、回を追うごとに、順位が落ちている。

日本の各科目の順位の推移のグラフはつぎである

読解力が低い。考える教育よりも、詰め込む教育だろうか?

シンガポールの各科目の順位と点数はつぎである。PISA2009。

総合は、シンガポールが4位、日本は6位、
読解力は、シンガポールが5位、日本は8位、
数学は、シンガポールが2位、日本は9位、
科学は、シンガポールが4位、日本は6位である。

各科目の順位のグラフはつぎである。

シンガポールの数学2位は、すばらしい。
シンガポールは、すべての科目で、日本を上回っていることがわかる。

「シンガポールは限られた土地と人口です。
以前は、安価な労賃で大量生産していたけれど、
産業構造を切り換えて、IT産業を興し、
情報とサービスのセンターを目指している。
そのために、教育やインターネットの普及に力を入れています」
と、シンガポール人は言う。
IT産業とは、Information Technologyでコンピュータと通信を用いた、
情報技術産業である。

「シンガポールは自然資源がない。
あるのは人的資源です。
その人的資源を活用することなくして、
シンガポールの明日はないのです」
と、シンガポール人は必死である。

シンガポールを日本と置き換えればいい。
日本は自然資源がない。あるのは人的資源
その人的資源を活用することなくして、日本の明日はない。
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