季節の変化

活動の状況

雨氷は牙とアイスキャンディ

2016-02-14 00:00:55 | Weblog
「松本で孤立の宿泊客ら下山 倒木は「雨氷」が原因か」
これは、2016年1月30日のトップ・ニュース。
全国版だったから、遠くの友人から、
「大丈夫か?」、「どうなっている?」
の電話があった。

「2016年1月29日に、山の温泉施設の道路が、
倒木で通行止めになって、利用客ら、
約320人が孤立状態になった」
停電になっている」
ということを知った。

「雨氷」(うひょう)で倒木?
木に着いた雨が凍って、重みで木が倒れる?
木って、そんなにヤワなのかな? それに、
「雨氷」を、よく知らなかった。
霧氷(むひょう)は知っている、が、
雨氷は、まじまじと見たことがない。

霧氷は知っている。
「上高地は霧氷と紅葉」。2013年11月9日撮影。

霧が樹木に着いて凍って、白くなっている。
朝日が射して、霧氷がキラキラする瞬間を、
多くのカメラマンが待っている。
田代池まで入って、陣取り合戦。

「いの字山の霧氷」。2014年12月5日撮影。

霧氷は、キラキラときれいなもの。人を引きつける。

塩尻市から岡谷市へ行く国道20号線、
塩嶺峠(えんれいとうげ)を走っていた。
そこで、「雨氷」を見た。標高1,012メートル。

奥は鷲ヶ峰(わしがみね)。2016年2月6日。

「なんとまァ、これが、雨氷か!」
テカテカで、透き通っている」
「大きいだ! 枝から成長している」
「枝は丸くなっている。アイスキャンディだ!」
「枝が、重みで垂れ下がって、牙が横を向いている」

飴細工がある。

雨氷は過冷却水でできた、というが。
雪は、途中の暖かい空気の層で雨になり、
地表近くの0度以下の空気層で冷やされて、
冷えた樹木に着いて、瞬間的に凍結して雨氷になる。
標高1,000メートル付近の、長野県に多く発生するという。

が横を向いている。

枝は、重みで垂れ下がっている。

アイスキャンディがどっさりできた。

アイスキャンディは横向き、下向き…。
アイスキャンディに触ると、重い。
「これなら、枝は折れる!」
隣同士が触れ合って、
ガシャ、ガシャと音がする。

が曲がっている。

雨氷の重荷に耐えている。

もう、たまらん、折れそうだ。

木って、こんなに曲がるもの?
右下は国道20号線。車が走っている。塩嶺峠。
右の道路標識は、塩尻市と岡谷市の境界を示し、
標高1,012メートルとある。
こんな木が折れてきたら、通行止めになる。

そして、折れた

2か所で→枝が折れ、⇒幹も折れた。

が折れた。

そして、下にドサッと落ちた。電線に落ちれば、切れるだろう。
左奥の木も折れた。垂れ下がっている。

こんなのが落ちている。

これが落ちてきたら、車はへこむだろう。

「松本で、倒木で通行止め」
「停電になっている」
「原因は雨氷か」
を実感した。
「原因は雨氷だった」

こんなのも落ちている。

こんなのに、突き刺されたくない。

見上げると、雨氷に覆われている。

「陽が当たると、きれいだ!」
だが、「雨氷が落ちてこないだろうな?」
と警戒する。冬の厚めの帽子はかぶっているが。

すると、アイスキャンディが落ちた。
なんと、頭のてっぺんにコッキンと。
「イテェ!」
すぐに、見上げた。
小さな雨氷が、あちこちから舞い落ちている。
大きな雨氷や枝が落ちてこないうちに、退散、退散。

ここからは、雨氷が作り出した景観、芸術? を見る。
飴細工

こんがらがっている。

荒れた盆栽


どんど焼き

松本では「三九郎」。まゆ玉の代わりに、アイスキャンディが着いた。
重くて、持ち上がらないだろう。

モダン・アート?

なにが、どうなっている?

すべて横向き


が咲いたようだ。

陽が当たると、輝く。

は横向き。

左の木は、しなっている。

縦が、になった。

上を向いていた木が、横になった。
ぶら下がっていた房が、左を向いたまま、凍結している。

打ちひしがれた桜

カメラマンにとっても、雨氷は珍しい。
右下は諏訪湖、奥は八ヶ岳。

こんもりとした桜だったんだろうが、
高さよりも、幅の方が勝っている。
→枝は折れたり、地面に着いている。
春には、立ち直る? そして、花は咲く?

雨氷が発生する1日前、2016年1月28日、諏訪湖は全面結氷していた。

この後、寒さはゆるみ、雪が降った。
それで、「御神渡り」(おみわたり)はできなかった。
このような気象と、塩嶺峠の標高1,012メートルが重なった雨氷だろう?
雨氷を撮影したのは、2016年2月6日だから、なかなか融けないものだ。

直線と曲線

雨氷は、なんともまァ、荒涼とした景観を作ってくれたもんだ。
しなって、グシャグシャの木は、春に、真っ直ぐになるのだろうか?

雨氷を、まじまじと見ることができた。
雨氷はテカテカで、透き通っていた。
牙とアイスキャンディだった。
雨氷で倒木は、現実だった。
コメント
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