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シンガポールの世界競争力は1位

2011-03-06 00:10:15 | Weblog
「シンガポールの景観」2011年1月16日で、
1)世界会議の開催で、シンガポールは5位。
 アジアでは、魅力ある都市のトップである。

ほかにも、シンガポールには、いいニュースがある。
2)シンガポールの学力は世界4位。2011年2月20日で、
 学力調査PISA2009で、シンガポールは世界で4位である。
と、書いてきた。

シンガポールには、さらに、いいニュースがある。
3)シンガポールの世界競争力は1位である。
IMDスイスの世界競争力年鑑2010年で、シンガポールは1位になった。

「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)の、
世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook」がある。

1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランキングを公表している。

IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を発展させた調査会社で,
「世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook」
を、毎年発行している。

世界競争力年鑑によるランキングの推移はつぎである。

2010年、シンガポールの世界競争力は1位になった。

長い間、アメリカが1位で、
シンガポールは2位か、3位だった。
香港とともに、アメリカを追っていたが、
ついに、シンガポールがアメリカを抜いた。

しかし、シンガポール、香港、アメリカの差はわずかで、
三強」としている。

アメリカは、16年間維持した1位の座を、
シンガポールに明け渡し、香港の下の3位に落ちた。
アメリカは、サブプライムローンの破たんから、
金融危機を引き起こして、株価が暴落し、景気が後退した。
財政赤字が膨張し、貿易も赤字である。
ドルの価値が下がって、経済の地位が低下している。
だから、いつか落ちるだろうと思っていた。

4位スイス、5位オーストラリアが続く。
アジアでは、台湾が8位、マレーシアが10位と、大健闘である。
台湾は2009年の23位から、8位と大躍進した。
マレーシアも2009年の18位から、10位と大躍進である。

ほかにアジアでは、中国が18位、韓国が23位、タイが26位である。
中国は、2009年の20位から18位に順位を上げ、
韓国は、2009年の27位から23位に順位を上げている。
タイは、2009年の26位から26位と同じ順位である。

日本は27位である。
2009年の17位から、27位と順位を大きく落としている。
調査を開始した1989年は、日本が1位であったが。
それも、5年間も1位を維持していたが。

シンガポール、香港、アメリカの三強に、
日本を加えた競争力のランキングのグラフはつぎである。

シンガポール、香港、アメリカが「三強」であることがわかる。

日本は低落気味である。
1)経済の実績では、
経済の回復力が弱い、長引く不況、
投資が低迷している、などで経済が大幅に悪化している、
3)ビジネスの効率では、
起業家意識が低い、国際経験が乏しい、
4)インフラストラクチャーでは、
法人税が世界一高い、このため外国企業が進出しない、
少子高齢化によって労働力人口が減少している、
生活費が高い、
そして、
2)行政の効率では、
財政赤字が膨張、
移民規制で外国人労働者を受け入れない、
閉鎖的で外国企業の受け入れ態勢が十分でない、
が、挙げられている。
このままでは、国際企業は活動場所として日本を選ばなくなる、
としている。

そして、日本が後退した大きな理由は、「負債」である。
過去に先進工業国であった日本は、放漫財政で、
赤字予算悪魔のような負債をかかえている、
と、指摘している。

負債は、その「」ばかりではない、「返済期間」も、問題にしている。
負債の「額」をみるには、日本の「借金時計」がある。
(http://www.geocities.jp/mkqdj167/japan.htm)
なんと、919兆円である。しかも、
刻々と増え続けているから、恐ろしくなる。
国民一人あたりにすると、720万円である。

健全な負債の限度は、GDP(国内総生産)の60%以下として、
そのための返済期間の筆頭は、日本である。
日本は2084年までかかる、とされた。

2番目に悪いイタリアが、2060年まで、
3番目に悪いポルトガルが、2037年まで、
4番目に悪いベルギーが、2035年まで、
5番目に悪いギリシャが、2031年までかかる、
としているから、日本は断トツに悪い。

巨額な負債を抱えている国は、競争力を失い、
国民の生活水準(購買力)を低下させることになる、
としている。
これは、日本への警告である。

日本は、トヨタ、キャノンほかでもうけた金を、
ムダな道路、ダム、橋、箱物、開発に注ぎ込んできた。
この「土木政治」は、税収だけではまかないきれないとして、
赤字国債を発行して、ムダな道路、ダム、橋、箱物を造り続けてきた。

土木政治を進める放漫財政の結果、
国力も競争力もつかなかった、
国から活力が失われた、
ことに気がついた。

それで、土木政治をやめて、
世界から指摘された、
悪魔のような負債を減らそうとしている。

しかし、健全な負債になるのは2084年である。
なんと、時間のかかることか!
今年、オギャーッと生まれた赤ん坊が、
寿命がきて、棺桶に入るころに、
やっと、健全な負債になる。

いっぽう、シンガポールは、
「ビジネスの効率性」や、
「経済の実績」が高く評価された。

シンガポール人は、つぎのように言っていた。
「シンガポールは限られた土地と人口です。
以前は、安価な労賃で大量生産していたけれど、
産業構造を切り換えて、IT産業を興し、
情報とサービスのセンターを目指している。
そのために、教育やインターネットの普及に力を入れています」

シンガポールの強みは、
金融危機に迅速に対応して、高い経済成長率を得ている、
投資や国際貿易のために、経済が開放されている、
電子商取引のインフラストラクチャーが整備されている、
外国人技術者の入国移民政策がオープンである、
知的財産が保護されている、
ビジネス活動を行う上で、アジアで最も非官僚的である、
などである。

シンガポールの世界競争力が1位は、
長期的な国家戦略が実を結んだことを感じる。

冒頭にシンガポールのいいニュースを掲げた。
1)シンガポールの世界会議の開催は5位。
 アジアでは、魅力ある都市のトップである。
2)シンガポールの学力は世界4位。
そして、今回は、
3)シンガポールの世界競争力は1位。

このほかに、シンガポールの特徴については、
つぎにも書いてあるので、参照してください。
「シンガポールの通知表」2009年11月8日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/8413d7dea78f63c712291704836422d3)

シンガポールのチャンギ空港が、
アジアのハブ空港の座をねらっていることについて、
「シンガポールのチャンギ空港とアジアのハブ空港の座」2009年11月15日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/c6ae80605b412afd4386673c421d1a64)
1) 空港へのアクセスは容易か?
  a)距離、b)移動時間、c)料金は?
2) 空港のサービス、顧客満足は?
3) アジアのハブ空港の座は、どこの空港か?
  a)発着便数、b)乗客数、c)貨物取扱量、d)滑走路数、e)着陸料は?
について、書いてある。

日本は、シンガポールに学べ、ということになる。
シンガポールを「ベンチマーキング」したら、どうだろう。
かって、アメリカが日本をベンチマーキングして、活力を見出したように。
「日本をベンチマーキングしたアメリカ」2009年1月7日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/5e99c63d117aa342a121f2e320881a87)

「ベンチマーキング」については、
つぎにも、記載してありますので、ご参考に。
「異業種をベンチマーキング」2009年1月1日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/12651401dd477d4d6c22db6e1dc6b4dd)

「航空会社は自動車レースをベンチマーキング」2009年1月4日、
(http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4de9eaf5c36fe453592e0ced881fae3f)

南国の花が咲く公園。
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