mukoyama blog

向山建築設計事務所 主催の向山博のブログです 

極楽寺の家 階段

2011-05-31 05:51:29 | 極楽寺の家
極楽寺の家についてコメントを頂いたので階段周りについて。

極楽寺の家は延床が28坪と狭小の部類に入ると思います。
かといって狭小が理由で平面や空間で我慢するようなことがあるべきではなく、
狭小に対しての対策が魅力的になればとおもい設計していました。
階段についてもそうでした。階段は思いのほか平面的にスペースを食います。
かといって2階がリビングの場合は特にですが、階段は2階へあがる際に高揚感を盛り上げるとても大事な部分です。
見た目にも美しく見えて間取りをいじめない位置であることが大事です。

極楽寺の家では廊下を設けたくないので玄関内に階段を設け、2階では間取り的に一番使わない場所に出てくるように心がけました。

比較的使わない場所なので、思い切って三角形の吹抜けにして玄関に光を落としました。

階段を優先して家の中に鎮座させて他の空間や間取りで我慢するような計画にならないように注意しました。
あとはこのような雰囲気の家では室内にはあまり金属系の素材を目立たせないようにしていますのでささら(下の写真の階段を支えるジグザグの部分)や手摺を鉄で作りつつも木でカバーしたり白く塗装したりと細かいところまで気を使ったつもりです。

実際に空間に身を置くと細かい部分の積み重ねが全体の空間の質や心地よさにつながると思います。

壁と階段とを目透かしをとっています。

階段横の玄関の大谷石、目透かし、框の納まりです。

こんな風に図面以外でも多くのスケッチを設計、現場で描きます。現場への指示もそうですが、建主にはスケッチの方が良く伝わりますし・・・ 実は自分も頭の中で整理してるのです。