マグタイム

日常のひとコマを繊細なタッチでつづる……エッセイ、詩、スイーツ感想 etc. マグカップ片手に、リラックスしたひと時を

あなたの値段は間違っている

2010-01-07 17:30:50 | 店・スポット
BOOK OFFで古コミックを数冊買ったら、会計が違っていました。
どうやら、100円を200円として計算しているようです。

「100円だと思うんですが」
私が言うと、店員の若い女性は、
「え? こちらの少女コミックですか?」
ムッとした様子で、そんなはずはないと返してきました。
彼女は本を裏返し、値札を見せ、
「200円ですよね?」
強い口調で確認します。

たしかにそれは200円のもの。でも、
「下の本が、100円だと思うんですが……」
「こちらの大人コミックのほうですか?」
清水玲子を大人コミックと言っていいのか。ここはうなづくべきか迷いました。たしかに少女コミックらしからぬ話ですし、主人公が成人ではあるけれども。
(後でなんとなく分かったのですが、どうやらこの店では文庫本サイズのコミックのことを大人コミックと呼ぶみたいですね。でも大人コミックと聞くと、どうしてもアダルトな印象を持ってしまいます……(^^;;;)
まあそれは置いといて。

私はうなづきました。
「はい、こちらの本が」
「……」
彼女は黙ったまま本をひっくり返します。

100円。

「すみません! 大変失礼いたしました!」
それまでの態度とは一変し、彼女は平謝りになりました。
「会計に使用したポイントは、明日返却になりますので」
「はい、わかりました」
「あ、もしかしたら2、3日お時間がかかるかもしれませんが」
「はい」
「本当に申し訳ありません!」
「いいえ」

頭を何度も下げ、泣き出すのではないかと思うほどの恐縮ぶり。なんだか私がいじめているような気分になってしまいました。
「こちらこそ早くに気づけば良かったんですけどね。すみません」
なんて、余計なフォローの言葉をかけてしまいました。悪くないのに謝ってしまうのは日本人だからでしょうか。

彼女のうるんだ目が、レジを去る私を見送っていました。


店を出たあとも、なんとなく胸にモヤモヤしたものが残っていました。

若いときは、とかく自分は正しいと思いがちです。
自分は間違えない、他人が間違えるのだ、と他人を責める人は、自分が間違えたとき、他人へ向けた非難がそのままはね返って自分を襲うのでしょう。

一概にすべての人がこれに当てはまるわけではありません。が、今回の彼女はそういうタイプだったのだろうと思います。

もちろん仕事は、間違いが無いように完璧にするべきです。だけどもし間違えたら、他人や自分を責め続けるのは不毛でしょう。
次からどうしたらいいのか? たとえば確認をもっとよくするなど、どう改善するかを考え、実践していくことが大切なのだと思います。


店員さん、あなたが平謝りするほど私は怒っていないんです。ミスはよくあることだし、あなたが一生懸命なのは良いことだから。
ただ、何かあったときは落ち着いて行動しましょうね。

お仕事、これからもがんばって下さい。