アムネスティ

   アムネスティというと、多くの日本人は国際的な影響力を持つ人権団体を思い浮かべるだろう。この組織の人々も真摯な人権活動家を連想されるかもしれない。アムネスティの日本支部もあり、HPはこちら。http://www.amnesty.or.jp/　
 　このサイトの2000-2005年までの年次人権報告で、意外なことを発見した。人権状況勧告をただの一度も受けない国がある。韓国だ。

 　お世辞にも人権国家と呼べない日本の隣国は、何故注意をされないのか？中国はもちろん台湾もしばしば非難されているにも係らず不可解ではないか！韓国国内の中国系住民や心身障害者への差別は、韓国通なら知らぬ者はない。
 　さらに年次人権報告をよく見ると、奇妙な事に気付く。西欧諸国での人権弾圧はまず取り上げない。欧州ではネオナチが台頭しており、彼らは移 民たちやユダヤ系住民にかなり攻撃を繰り返しているのだが、この問題は黙殺。9.11テロ以降、アメリカでもイスラム系移民に迫害が及んだが、これも批判 の対象にもなってない。
 　イラク戦争後、米軍の人権弾圧としてアブグレイブ収容所、グアンタナモ基地で起きた事件を追及するのは当然だが、同様なことをしていたイギリス軍の問題は触れずじまい。イギリスはかつての支配下・インド他における弾圧を踏襲してるに過ぎない。

 　先月のロンドン同時多発テロ後でも、イスラム系移民への嫌がらせが起きてるが、こちらも非難せず。アムネスティ本部のお膝元であるにも係ら ず。テロ実行犯と疑われ、射殺されたブラジル人に対し、「アムネスティは、今回の銃撃事件は、治安強化を背景として起きたものであると理解している」とコ メント。これが日本はじめ第三国なら、行き過ぎと非難の大合唱をするだろうに、イギリスの政策には“理解している”と身内に極めて甘い評価で済ませてい る。

 　実は西欧で最も人権蹂躙が行われていると悪名高い刑務所で、通称“Ｈブロック”と呼ばれる施設があるのがイギリス。入所している受刑者にIRAが多いとしても、人権など省みられない惨状。もちろん、アムネスティのHPでは完全無視。身内の問題をそらすのに、他国の人権状況を取り上げるのはアングロサクソンの十八番でもある。
 　アムネスティ日本支部発の記事を読むと、明らかに左派傾向のお題目の繰り返しがあるのに気付くだろう。この支部の特異性を如実にあらわしているが、背後にいるのがどんな連中か知れよう。 　

   かつてイギリスは人権を高らかに詠いながらアジア・アフリカを植民地にした。現実は“１人のイギリス人(殺害)につき、千人のインド人を殺せ！”状態だっ たが、これが帝国主義のおぞましさというもの。かの国のやり口を「宗教の衣をまとった帝国主義」と表現したのはJ.ネルーだが、現代は人権の衣をまとった 覇権若しくは分断主義が主流のようだ。